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第十一章『はっぴーめりーくりすます♡』ー8

 僕の答えを聞き、陸郎の手の動きが変わった。素肌から離れる。 「腕上げて」  冷静に考えれば分かることだろうけど、今の僕にはその意味も分からず言われるままに両腕をバンザイのように上げた。ルームウェアとタンクトップが僕の腕をすり抜け、ベッドの上に置かれる。 (ひぇ〜〜)  脳内で変な声が上がる。想像したこともあるし、陸郎とセックスしたいと思っていた。でも実際それが目前に迫ると、どうしたらいいのか、逃げてだしてしまいたいような、そんな気分になってくる。  心の中で一人であわあわしていると。  つつーっと指先が背筋を滑る感触がした。 「あっ」  その後を辿るように唇が下りてくる。止まっては吸い上げるのを繰り返しながら。 「あ……ん……」  服で隠れている部分の素肌への直接の愛撫は初めてだ。そうされていると思うだけでぶるっと震えるような何かを感じる。  次第に身体の中心に熱が集まり、ボクサーパンツの中では少しきつくなっていく。  ふっと唇の気配がなくなる。背後でかさっと音がした後、再びぎゅっと抱きしめられた。 (陸郎の肌、熱い……)  彼もタンクトップを脱いだのだ。  その体勢から押されて、ベッドに沈められた。ずっと背後から攻められていた。それはそれでぞくぞくしてたが、やっぱり顔が見えていたほうがいい。  彼の重みを感じて、これは夢ではなく確かにそこにいることを実感する。 (温かい……夢じゃないんだ)  素肌と素肌で触れ合うのは初めてだ。その温かさや感触に高揚し、同時に安心感も沸く。 「温……好きだ」  甘く囁かれて口づけされた。ゆっくりと長い口づけ。舌先で嬲られ、押し入ってくる。舌を絡め取られ、息苦しいくらいに吸われる。  手は腹を撫でた後、胸へと上がってくる。胸の突起に軽く触れ、指先で周りに円を描き、突然ぎゅっと強く摘まれる。 「んっ!」   口が塞がれたままで快感を外に逃すことができない。内側でじんじんと痺れ始めた。  僕は思わず陸郎の背を掻き(いだ)いた。身体が完全に重なり合い、僕の中心の熱に同じだけの弾力を持った熱が押しつけられる。 (陸郎の……こんなに熱く……)  彼もまた同じ気持ちなのだと。自分を欲してくれるのだと、軽い感動を覚えた。  それは彼も同じだったようだ。  唇を離し、上半身だけ少し離して僕の顔をじっと見つめる。 「温の、熱い。ちゃんと感じてくれて、嬉しいよ……ゆっくり、優しくするからその先もいい?」  「陸郎……好き……」  手を伸ばして彼の身体を引き戻す。  それが僕の返事だった。

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