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第十一章『はっぴーめりーくりすます♡』ー9

 唇への口づけからもう一度やり直す。今度はそこにはとどまらず、顎を伝って喉仏へ。鎖骨を舌先で舐め、とうとう胸までやってきた。申し訳程度の小さな突起を舌先でつついて、舐めて。それから口に含む。 「あ……ん……」  はぁと甘い吐息が漏れる。  BL漫画で読んだことを今経験している。気持ちよいか聞かれればよく分からないが、陸郎にそうされているという事実が僕を昂らせる。  女性の身体を知っている彼に、こんな固い胸を弄って面白いのだろうか。という不安もやがて押し流されていく。  身体の中心はもう熱くなりすぎて、ルームウェアのズボンに染みを作っているように感じた。そんな時、ふいに窮屈な場所からそれが解放される。胸を愛撫しながら、陸郎の手が器用にズボンと下着を下げた。  一度経験した気持ち良さを思いだし、また触られてもらえるのだろうかという期待に打ち震える。  下半身を覆うものはすべて取り払われた。パサッという音は取り去った物を絨毯の上に落とした音だろう。  胸の突起を口に含み、舌で転がしたり甘噛みしたり、吸い上げられたりする中、彼の大きな手は僕のすでに勃ち上がったものを柔らかく覆っていた。  待ち望んでいた行為に全身が痺れる。 「んん……っ」  それはもう雫を垂らしていて、陸郎の手が上下に擦るとぬるぬるとした感触がした。優しくゆっくりされたり、強く早くされたり。爪の先で先端を弄られたり。  初めて触れられた時よりも格段に細やかに快感を引きだしていく。 「りくろ……僕、もう……」  まだまだ行為は途中だ。それなのに僕のそれは限界だった。 「いいよ、イッて」 「でも……っ」  陸郎はまだ余裕がありそうで、自分一人がというのは少し寂しい気がした。  しかし彼は促すように、僕のものを強く早く擦り続け、さらに散々嬲っていた胸の突起をぎゅっと強く噛んだ。 「あぁぁっ」   びりっと背筋に電流が走る。  元々感じるはずもない場所なのに、そこへの強い刺激で僕は我慢できずに、陸郎の手に欲望を放った。  はぁはぁと荒い息が漏れ、身体が揺れる。 「ごめんなさい……」  先に達してしまったことがなんとなく申し訳なく思った。 「いいよ、先はまだ長い」  ちゅっと頰に労わるようなキスをされた。 「ねぇ、僕も」  陸郎の猛ったものに触れようと手を伸ばした。しかし、陸郎はその手をそっと掴んだかと思うと、自分の顔に近づけた。 「それは……また今度。今日は俺に全部させてくれないか?」  僕の指先に唇を寄せたまま、そう言った。懇願するような目に、すべてを彼に委ねようと思った。      

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