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第十二章『僕は……ほんとにほんとに幸せでした……っ!(大号泣)』ー1

 いったんシャワーを浴びてから、九時近くまで二人でベッドでごろごろしていた。  キスをしたり、触れ合ったりしてじゃれ合う。幸せな時間だ。あわや朝からセックスが始まりそうになったが、陸郎が理性を総動員してそこまでは至らなかった。  僕の身体を労ってくれたのだ。 (僕はしてもよかったんだけど)  どうやら僕は流されやすい性質のようだ。  九時半近くに一階のレストランに向かう。ビュッフェスタイルの朝食を取り、十一時のチェックアウトぎりぎりまで部屋にいた。  レストランの行き帰り時にはカウンターでチェックアウトをする人たちの姿を大勢見かけた。観光に出かけるのだろうか。  観光もいいだろう。でも、僕らはまだまだ二人きりでいたかった。  ホテルを後にして、また少し足を伸ばして観光地をぶらついた。帰る途中では道の駅に寄って遅い昼食を取った。  幸せなクリスマスの二日間はとうとう終わりを告げる。  午後六時。陸郎も名残り惜しく感じてくれているのか、家のすぐ近くまで送ってくれた。優雅に見られはしないかという不安は二人ともにあったので、本来ならもっと遠くで降ろしてもらうべきなのだ。  僕は車が遠ざかっていくのをずっと見つめていた。  幸せなクリスマスは終わったけど、まだ幸せな正月も春も、ゴールデンウィークも。ずっとずっと僕らの幸せは続く。  陸郎の誕生日にはまたセレニタに行くのもいい。夏の旅行はどこへ行こうか。今度こそ、本当の恋人同士として花火大会もリベンジしたい。  そんなことを考えながら。 (優雅いるのかな。見られてたらどうしよう)  そこからはもう現実だった。  玄関のノブを握ると、引っ掛かりを感じた。 (あれ? 誰もいない?)  忙しい両親が平日のこの時間にいるわけがない。たぶん昨日は早く帰ってきていて、優雅と三人でクリスマス・ディナーをしていただろうから、今日はなおさら遅いはずだ。  僕はリュックから鍵を出して開けた。  ドアを開けつつ、 「ただいま……」  と、なんとなく小声で言ってみた。もちろん返事はない。優雅が自室にいたとしたらぜったい聞こえないくらいの声量だ。  僕は足元にさっと目を走らせた。いつも置いてある優雅のお気に入りのスニーカーは、そこにはなかった。 (やっぱ出かけてるんだ。彼女とデートかな)  やっとほっとして靴を脱いだ。  身体が少し怠かったので、スマホを持ってベッドに寝転んだ。フォトアプリを開くと、昨日今日で撮った写真が並んでいる。二人で自撮りした写真も何枚かある。  それを見ながら。 「くふふ」  つい変な笑いを漏らしてしまった。 (楽しかったなぁ……それに……とうとう僕たち……)  昨日のセックスを思いだして、どきどきする。

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