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第2話

「あまり呑まれますと明日もお仕事ですよね。」 「そうだが今日は呑みたい気分なんだよ。マスター後一杯だけ呑ませてくれないか?」 「かしこまりました。ですがこれで最後にしてくださいね。」 俺は今日の出来事が忘れられなくて退社後いつも来るバーへと足を運んだ。 「今日は何かありましたか?」 「そうだな・・色々とあって八つ当たりみたいな事をしてしまった。」 「そうですか、そんな日もあります。」 マスターは俺の様子が違う事に気付いて話しかけてくれたが深くは詮索せずに他愛もない話をした。 「お待たせしました。」 「ありがとう。マスター。」 「これで最後ですからね。」 「分かってるよ。これを呑んだら帰るからマスター。」 酒の量がいつもの倍だった事からマスターが気を利かせて止めようとしてくれていたが最後に一杯だけと無理やり出して貰いその酒をゆっくりと呑み始めた。 それにしても奥の席が騒がしいような気がする。 「すみません。やはりうるさいですか?」 「いや、まぁ〜いつもよりは賑やかだ。」 「申し訳ありません。」 「マスターが謝る必要ないよ。」 俺が来た時から座っていた気もするが店内は薄暗く観葉植物に隠れていて騒がしくなるまでは気にもしなかった。 客は俺と彼ら3人しかいない。 今日の俺には静かな店内よりも騒がしくしてもらっている方が気分も沈まなくて済むと思いながら笑みを浮かべてグラスに口を付けた。

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