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第6話
「靴下ソファに脱いだら脱ぎっぱなしにするな千紘。」
「すみません。片付けます。」
ひょんな事から俺の家で千紘が暮らし初めて1ヶ月が経とうとしていた。
どうしてそうなったのかはストーカー騒ぎのせいで違う俺が千紘に興味を持ったからかな?
『俺、高橋と言います。家に千紘を泊めたいんですが嫁と子供がいるんですよ。嫁がうるさいのもあるんですみません。』
『俺、山口と言います。実家なんで無理なんです。すみません。』
千紘を1人で帰宅させるのは危ないと言う話になり俺が上司で独り暮らしだと分かると千紘の友人は俺に一晩千紘を泊めてもらえないかと言ってきた。
千紘はビジネスホテルに泊まると言ったがそれもまだストーカーが彷徨いていたら危ないからと結局俺の家に泊まる事になった。
翌日、仕事が終わり1人で帰宅させるのが心配で千紘を自宅まで送ると部屋中が荒らされていた。
付きまとうとかなら話し合ったりとかも考えれるが自宅にまで侵入されては警察に通報するしかなかった。
前日はナイフを突きつけられ翌日には家の中まで荒らされてしまっては気が参るだろうにそれでも警官には冷静に話をしている。
気丈に振る舞う千紘の姿を見て俺は何かしてやりたいという気持ちになり次の部屋を見つけるまで同居しないかと言ってしまった。
相手の男の身元が分からない限り1人で自宅に居るのは危ない。
それに直ぐに部屋も見つからないだろうから部屋なら空いてるし1人より2人の方が安心出来るだろうと言うと千紘は目に涙を溜めて頷いた。
この時の千紘は素直で可愛かった。
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