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第7話
「ご飯出来ました。」
「今日は和食。千紘の料理はどれも美味しいから嬉しいよ。」
掃除や洗濯などは苦手らしいが料理は得意らしく世話になっているお礼にと毎日ご飯を作ってくれている。
俺は料理が苦手で普段は外食やコンビニのお弁当といった身体に悪そうな生活をしていた。
千紘の手料理を食べ始めてから健康になっている気がする。
そう思うのは身体のダルさなどが無くなっているからだ。
今日のメニューは、きんぴらごぼう、サバの味噌煮、きゅうりの酢の物、大根の味噌汁。
母親がよく作ってくれたメニューに似ているし味もそれに近い。
「いただきます。」
「はい、いただきます。」
味噌汁を一口飲むと口の中で出汁の風味と大根の香りが広がる。
「やっぱり千紘の味噌汁は美味い。お前、いい嫁になるぞ。」
「えっ?勘弁してくださいよ。俺は男ですよ。嫁とかあり得ませんからね。」
「いけるぞ、お前の容姿なら大丈夫じゃないか?」
「ほんと、怒りますよ。」
頬を少しふくらませながらモグモグとご飯を食べる千紘は可愛らしくて本当にずっと傍に置いておきたくなる。
千紘と一緒に生活を始めたのが親友の結婚する報告を受けた日で良かった。
もし1人でいたら俺はきっと毎日の様に酒を呑み身体を壊していたかもしれない。
それに千紘との生活は楽しい。
これは惚れたのかな?
けれど千紘は俺の部下で歳がかなり離れているし男を相手にするとは思えない。
男のストーカーに酷い目に合わせられている。
それに千紘はあの日バーで抱かれるより抱く方がいいと言っていたんだ。
女の方が良いんだよな千紘。
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