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第10話
警察から電話があって1週間が経つのだが俺は千紘に同居はどうするかを話し出せずにいた。
千紘も警察署へ出向いたりと忙しかったという事もあるがもうそろそろ決断をしなくてはならない。
「千紘、今日の帰りに呑みに行かないか?」
「いいですよ。今日は定時で終わる予定です。」
千紘は考え込まないで直ぐに返事をして昼食を取りに同期の奴とオフィスから出て行った。
オフィスに1人残された俺は小さなため息をついた。
情けない酒の力を借りないと話ができないとか俺はこんなにも弱かったのかよ。
「宗輔、何を落ち込んでるんだ?」
「篤哉(あつや)、急に話しかけるなビックリするだろう。」
木原篤哉(きはらあつや)は俺が想いを寄せていた相手で親友。
「悪い。そんなに怒るなよ。」
「何しに来た?」
「冷たいな親友に向かって俺が結婚決まったら急に冷たくなるんだからな宗輔は俺悲しいよ。」
「用が無いなら昼食べに行くからじゃあな篤哉。」
「待てよ。話があるんだ。」
オフィスから出て行く俺を止めるように俺の肩を掴んだ。
篤哉に触れられて俺の心臓が一瞬だけドクンと激しく脈を打ったのだ。
俺は篤哉の事を諦めようとしていたのに触れられただけで好きだという気持ちが湧き上がってくる。
まだ俺は諦め悪くこんなに好きなんだ。
結婚式には親友として笑顔で『おめでとう』を言いたいそう思ってるけれどずっと入社してから好きだったんだ諦めれるわけがないんだよ。
篤哉、好きだずっとお前を好きなんだ。
そう言いたかったが言い出す勇気も諦める決心もつかず篤哉の話を頷いて聞いていた。
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