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第13話
「悪かった。もう平気だか・・・らっ・・・うっ!」
あまりにも突然の出来事に俺の思考回路が停止をしてしまった。
俺は千紘に何をされているんだ?
千紘の胸から顔を上げる様に謝りながら離れようとすると背中にあったはずの手が俺の頬に触れて持ち上げられる様に上を向かされた。
そこで目にしたのはギラついた千紘の力強い眼差しだった。
肉食動物が獲物を捕らえた様なそんな光を放つ眼をしていた。
千紘の眼差しにゾクッとして怯んだ隙に俺は唇を塞がれてというか舌も絡め取られ貪りつく様な激しいキスをされていた。
抵抗できないで俺は千紘にされるがままだった。
「貴方を抱きたい。好きです。」
耳元で囁かれて身体がゾクゾクとする。
俺は千紘に抱かれたいと言われ好きだと耳元で囁かれて嬉しいと思ってしまっている。
酒が抜けてないせいなのか?
「ずっと好きなんです。側にいれるだけで良いと思ってたんですが昼に木原課長と話してる貴方を見ていたらもう気持ちが抑えられなくなって今も無理やりにでも抱いてしまいたい。」
「おっ・・落ち着け・・・千紘。俺と何歳差があるんだ。それに俺は男だぞ千紘。」
「歳の差も男だとも分かってます。それでも俺は貴方が好きなんです!貴方は!男なのに木原課長を好きじゃないですか!」
「なっ・・・どうして・・・。」
どうして知っているんだ。
「どうして?あんな顔して木原課長と話をしていたら気づきますよ。心配しないで下さい。俺が貴方を好きだから気づいただけです。周りは気づいてませんよ。」
「千紘・・・。」
お前は何て顔をして俺に気持ちを打ち明けてるんだ。
そんな泣きそうな顔をしながら俺を押し倒そうとしているのか千紘。
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