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第14話

俺は千紘の泣き顔には弱い。 篤哉を好きででも今目の前で泣きながら俺を好きだと言う千紘を大切にしたいと思ってしまったのだ。 あんなに落ち込んでいたのに俺。 「ココじゃあ背中痛いから・・そのなんだ。俺の寝室に行かないか?」 俺に覆いかぶさる勢いだった千紘の手が小刻みに震えているのが伝わる。 「本当に良いんですか?」 「それは俺のセリフだ。こんなオッさんでいいのかよ。」 「俺は貴方を抱きたいです。」 泣いていたかと思ったら一瞬にして獲物を捕らえた獣のような目付きをする千紘。 俺の身体が心がお前に捕らえられてしまった。 「ちょっ、千紘!?」 「まだ酒抜けてないですよね。俺が連れていきます。」 「歩けるから大丈夫だ。」 「ジッとして落ちますよ。それにもう黙って下さい。」 千紘は俺より少し小柄だそんな千紘が俺を軽々と抱き上げたそれには驚いた。 それに良い歳したオッさんが歳下の自分よりも小柄な男にお姫様抱っこされて喜ぶわけが無い。 恥ずかしさのあまりに降ろして欲しいと動こうとすると鋭い目つきで俺を見下ろしたかと思うと唇を奪われたのだ。 そこからの俺は記憶が途切れ途切れだ。 覚えているのは激しく突き上げられ時には優しく壊れ物に触れるかのような千紘の大きな手の温もりそして獣のギラついた光を放つ目だ。

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