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第32話
「てか、早く着てくれる??」
こいつ誰だよ!さっきまではいい奴とか思ってたのが馬鹿だったわ。もう、仕方ないよな。
白いTシャツと、デニムのスカートに着替えるとサイズは丁度いい。
「サイズピッタリ!俺のために買ったの?」
ビックリするほど着心地が良い。←なんか女装して言うと変態みたいだよな。
「なわけ、私のお古よ〜!!」
と、ニコニコ笑いながら言う凜。
「てか、めっちゃ美しい!!」と叫んでいる。
「これじゃバレるだろ。男だぞ?顔。」
学園の王子様あ、今はホモか。でも、女装してるってバレたらキモイだろ!ホモで女装癖って男として終わるわ。
「えーー!京は自分の容姿の事何もわかってないね!全然女の子だよ!」
いや、俺のことは俺が一番知ってるわ!!
「でも、、、あ、せめてマスクさせろ!」
それなら顔の半分隠せるし!!ちょー安心。
すると、聞いたことの無い低い声で
「はぁ?ダメに決まってんだろ。」と、凛が怒っていた。
ビックリしてヤツを見つめると、閃いたのかニコッと笑い
「メイクしてあげる!」
と無邪気に笑った。
そんなこんなで雑貨屋に来た。
来るまでの道のりは長かった。めっちゃ人の視線を感じて、ひそひそ言われてまじで泣きそーになった。隣の女はニコニコ笑いながら楽しそうに歩いていてムカついた。
雑貨屋の中でも見られてて、ついに
「おい、凛。視線が怖いよ。」と、助けを求めた。
「はははー!京が可愛すぎてみんなの見ちゃうんだよ!!良かったねー!」
コイツは本当に呑気だよなぁ。尊敬の眼差しだわ。
「俺、あそこのカフェで待ってるわ。買い物したら来いよ。」
もう、ここに居たくなくてそう言って雑貨屋を後にした。
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