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第33話

カフェに向かう途中に金髪と茶髪の男に話しかけられた。 「お姉ぇさん〜今暇?」 げっ!ナンパかよ。 無視すればいいんだよな。 「…」 「えーーー?無視?酷くね」 茶髪の男がガムをクチャクチャ噛みながら言ってきた。 それも無視すると。 金髪の男が俺の手を引っ張って 「今からイイトコ行こうよ〜」と、力強く引っ張ってきた。 「は、離せっ!」あまりにも強い力にビックリして腕を振るがビクともしない。 「うわっ!可愛いぃ。美人で、可愛いって凄いねぇー!」とヘラヘラ笑いながらも腕は力いっぱいに掴んでいて逃げられない。 「くそっ、キモいんだよ離せっ!」 暴言を吐いても、「おっ!威勢がいいね〜」と全然相手にしてこない。 外野は見てるくせに助けようとしない。 まじで終ったわ。大人しく凛の近くにいれば良かった。 すると、金髪の男がいきなり叫びながら倒れた。腕は離されており、誰かに殴られたっぽい。 「おいっ!お前誰だよ!!!」と茶髪の男が叫ぶと金髪を殴った男は何も言わずに茶髪の横腹に蹴りを入れた。 「ぐはっ、っ、、、」と、茶髪の男は苦しそうに横腹を抑えながら気を失った。 それを呆然と見てた俺。 今月二回目だよ。人に助けられるの。まぁ、神崎は助けたくせに犯してきた最悪なやつだけどな。 「…大丈夫?」 この声はっ。知ってる。懐かしいなぁ、会いたいと思ってたあいつの声だ。昔から変わらない優しい声。 「…兄ちゃん。」 目を見てぼそっと呟くと、兄ちゃんは「えっ?」と驚いたらしく目を大きく開けた。驚いた顔も懐かしい。 「お前、京也?」と、兄ちゃんは言った。久しぶりに名前呼ばれた。思わず兄ちゃんの胸に飛び込んだ。 「うわっ!京也?!お前男だよな?」ビックリして素っ頓狂な声を上げた兄ちゃん。てか、男だろどう見てもっ、、、あーーーーー俺今女装してるんだった。 「えーと、凛が俺を女装させて外で遊びたいって言うから、仕方がなく、、、」 嘘なんかつきたくない。兄ちゃんに嫌われたくなんかない。 「綺麗だね。会わないうちにそんなに色っぽくなっちゃって。」と、兄ちゃんは俺の頭を撫でる。 「っ、/////」どうしよう!!嬉しすぎるよぉ。他の奴らにそんな事言われてもどうでもいいのに。兄ちゃんから言われると何だか心がドキドキする。神崎と居た時もこんな気持ちになったような。まあ、アイツは論外だけど。 「兄ちゃん家帰って来るの?」 「あぁ、夏休みだからね。」と微笑む。 去年の夏は帰って来なかった。今年は居るんだ!!マジで嬉しい! 「じゃあ、一緒に遊んでくれる?」 身長の高い兄ちゃんを上目遣いで見ながら呟くと兄ちゃんは「…うん!」と優しく笑った。

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