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第34話

「…凛ちゃんはどうしたの?」 「えーと、雑貨屋において来た。俺疲れちゃったからカフェ行こうとしてたら絡まれたんだよね。」 と、笑いながら言う。 「兄ちゃんはもう帰るの?」 「うん。お前も早く帰ってこいよ」 と言ってここから去ろうとしたから“待って!”と大きな声で止めた。 「えっ?」 そりゃあビックリするよな。大声上げて腕掴まれたら。 でも、ここでこの腕を離したらもう会えなくなるかもしれない。また会えなくなるのはヤダ。 「一緒に帰ろうよ。」 兄ちゃんが居なくなるのは嫌なんだよっ。 「、、、凛ちゃんは?」 困ったように聞いてくる。 「り、凛にはメールしとく。兄ちゃんと帰りたいの。…だ、ダメかな?」 断られるって考えただけで怖くて涙が出そうになる。絶対俺涙目だろ。こんなに弱くなかった。兄ちゃんのせいだかんな。 「、、、分かった。」 少し顔を赤らめて頷く兄ちゃん。 その後は凛に高速でメールをして兄ちゃんと家に帰った。もちろん話なんて全然しない。兄ちゃんは黙ってて、俺もたくさん話したいことがあるけどウザがられるのはヤダから黙ってた。すっかり辺りは薄暗くなっていてとても静か、何だか世界に2人だけで歩いていると錯覚する。げっ、俺乙女かよっ、てかどんだけ兄ちゃんの事愛してるんだし笑 兄ちゃんと帰って来れたのが嬉しかった俺は 「ただいまー」 と、大きな声で扉を開けてリビングに入った。リビングには父ちゃんと母ちゃんがいてTVを見ていた父ちゃんは俺を見て目を見開きながら叫んだ。 「ママっ!!冬也が美人の彼女連れてきた!!」 すると、母ちゃんは 「きゃーー!可愛い!でも、この娘の顔どっかで見た事あるわ。」と俺を見て首を傾げる。コイツらの子供なのに何で分かんねーの!!イライラして、 「俺だよ!京也!!」 大声で怒りながら言うと 「ぎゃぁぁぁ!京也めっちゃ可愛い!!!!」と母ちゃんはスマホで俺を連写。父ちゃんは素早くビデオを取り出して撮影し始めた。 「お、お父さんは嬉しいぞ。お前が女装してくれて。」と涙ながらに語る父ちゃんに若干引く。 すると、よく通る声で 「まぁまぁ、父さん、母さん落ち着いてよ。京也が困ってるよ。可愛いのは分かるけど、、、ね?」 と、兄ちゃんが止めてくれた。いつも守ってくれた。 母ちゃんは「ご、ごめんね!京也」と我に返ったらしく謝ってきた。父ちゃんはビデオを、そっとテーブルに置き、俺の頭を可愛いなぁと呟きながら撫でた。コイツは反省してねぇな笑。

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