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第4話 報酬
冒険者ギルドに戻ったカイとスノウは、受付嬢に討伐して来たコカトリスの頭部を渡した。
革袋の中身を確認し、確かにコカトリスだと判断した受付嬢は、依頼を達成した報酬をカイに手渡した。
「お疲れ様でした。こちら達成報酬です。報償金と、早期に討伐してくれた臨時ボーナスとして、依頼主から宝石も預かっています。太っ腹な依頼主でラッキーでしたね」
ニコニコしている受付嬢から、カイは報償金と宝石を受け取ると、テーブル席に腰掛けて待っていたスノウの元へと歩いて行く。
「報酬だ」
カイは報償金の半分と、宝石のうちアレキサンドライトだけ受け取り、残りはスノウに手渡した。
思わず受け取ってしまったと言いたげに、呆けた顔をしたスノウは、慌てて金と宝石をカイに返してきた。
「俺の分? コカトリスはカイが一人で倒したじゃない。俺は見てただけだから、受け取れないよ」
「一人で倒したわけじゃない。無傷でいられるのは、スノウのお陰だ。それに……あんたも金がいるんだろう?」
オークション会場で飼われているスノウが、主人が許しているからとはいえ、ギルドで依頼を受けてるのも、金が必要だからだろうとカイは思っていた。
スノウはすっかりカイに見抜かれて、困ったなと後頭部を掻く。
「宝石の価値は俺には分からないから、カイが持ってて……金はありがたくいただくよ」
こうして二人の任務は終わった。
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