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第32話 ねえ

 結局窓には近づかず、閉館の時間が近付いてきたので僕らはスカイタワーを後にした。  帰り際、カナタは振り返りぼんやりとした明かりがともるタワーを見あげる。 「あそこにいたのか……すげぇ」  そう呟いて彼はぶるり、と震えた。  カナタはまだ僕の腕から手を離さない。  こういうところは子供らしいのに、このあと起こるであろう出来事を考えると不思議な気持ちになる。 「帰ろうカナタ」 「うん」  頷き彼は、僕の腕から手を離してその代わりに僕の手を握ってくる。しかも、指を絡めて。  一瞬驚いたけど、夜で人目も少ないからいいかと自分に言い聞かせ、ホテルへと歩き出した。  カナタのあとに風呂に入り、ホテル備え付けのゆかたを着る。  きっと脱がされるだろうけれど、だからといって裸でベッドに行く気にはなれなかった。  風呂場を出ると、すでに照明は簡易照明になっていて薄暗かった。  カナタが窓の側に立ち、外を見つめているのがわかる。  彼は僕に気がつくと、振り返って微笑み言った。 「この高さなら全然大丈夫だけど、さっきのタワーの高さはなんか怖かったなーて」 「翼があって空飛べるのに?」 「そうだけどあれは違うの。上るまでの風景みえないし」  そういうものなのだろうか。  僕がカナタに近付くと、彼は僕の方を向き腰に手を回してくる。 「カナタ……?」 「音耶ありがとう。一緒に旅行できてうれしい」  そう微笑み言うと、顔を近づけてきてそして、唇が触れた。  すぐに唇が離れるが、切なげな顔のカナタが視界に映る。 「ねえ、音耶、抱きたい」  うっとりとした余裕のない声に、僕は小さく頷き応えた。  僕はベッドに座るカナタの前で床に座り込み、足の間に身体をいれてペニスを口に含む。  僕もだが、カナタもゆかたを着ているだけで下着を身に付けていなかった。  すでに硬くなり始めているそれは、先走りをあふれさせ、独特の苦味が僕の口の中に広がっていく。 「音耶……ゆかたはだけてすっごいエッチ」  息を漏らしながら言い、カナタは僕の頭に手を置く。  そして彼は僕の頭を掴んでぐい、と奥までペニスをさしこんだ。  カナタのペニスは長く、僕の口におさまりきるわけがない。先端が喉奥にあたり息苦しさを感じながら、僕は彼のペニスに手を添え首を振った。  ジュブジュブと水音があたりに響き、そこにカナタの吐息が混じる。 「口の中気持ちい……ねえ、音耶、中に出すね?」  甘い声で告げ、カナタは僕の頭を揺らし始める。  さっきまで高いところに震えていたのに、まるで別人みたいだ。無理やり口の中を蹂躙され、呻き声が漏れ出る。だけどカナタはそんなものお構いなしに僕の首を動かしそして、口の中に精液を放った。  勢いよく飛び出たそれは僕の口の中を満たしていく。 「ねえ、飲み込まないで見せて?」  いったい何を言い出すのかと思っていると、カナタはずるり、と僕の口からペニスを引き抜き、僕の顎を持って無理やり口を開かせた。 「あ……」 「すごい。音耶の口の中に出しちゃった。ねえ、それ、飲んでくれる?」  僕は言われた通り口を閉じ、けっしておいしいとは言えないそれをごくり、と飲み込んだ。  それを見届けたカナタは嬉しげに頷き、僕の頭に手を置く。 「そしたら音耶……自分で挿れてみて? 後ろ、準備してあるんでしょ?」  カナタの言う通り、自分で準備してあるし、いつでも挿れられる状態ではあるけれど。  自分で挿れるっていうことは、僕に上になれってことか。  騎乗位だと自重で奥まで抉られるので、好きな体位ではあるけれど。  普段はしないので少し戸惑う。  カナタが浴衣を脱ぎ始めたのを見て僕も床に座ったまま裸になり、ベッドに仰向けになったカナタの上に跨った。  さっき出したばかりの彼のペニスは、まだ硬いままで天を向いている。  僕は下を向き、彼のペニスに手を添えてゆっくりと腰を下ろす。  ぐぽ……と、先端が入り、僕は思わず腰を止めて息を吐いた。 「あ……はぁ……」 「まだ少ししか入ってないよ。音耶、手伝おうか?」  意地悪な声音で言い、カナタは僕の腰を掴む。 「だい、じょうぶ……だから。自分でやる」  息を切らせて答え、僕はずぶずぶと腰を下ろした。  カナタのペニスが内壁を抉り、奥の結腸をこじ開ける。  その感覚がたまらなく気持ちよく、僕は天井を見上げて声を漏らした。 「あぁ!」  快楽の波がどっと押し寄せてきて、僕の脳を溶かしていく。 「音耶って、奥突くとほんと、色っぽい顔するよね」  嬉しげに言い、カナタは僕の腰をぐい、と下ろした。 「あ、あ……」  息を切らせて僕は、カナタの腹に手を置き、彼の顔をじっと見つめる。  するとカナタはうっとりと言った。 「その顔、すっごくエロくて好き」  言いながらカナタは腰を揺らし始めた。  カナタの腰の動きに合わせて僕の口から声が漏れ出る。 「あ、あ、あっ……奥、そんな……突かれたらっ……」 「音耶のなか、きつくて熱くて気持ちいい。こっちにも中出しするからね」  あぁ、そうか。忘れてた。カナタは今、ゴムをしていないと。  生でヤるのは嫌なのに、そんな事にも気が付かない位僕はカナタとの行為に溺れているのだろうか。  僕も自分から腰を振り、快楽をむさぼる。 「い、いい……っ……カナタ、気持ちいっ……イくイくイくっ」  上ずった声で言い、僕は勢いよくカナタの腹に向けて精液を放った。 「やばっ……きゅうっと締まって俺も、中でる……」  余裕のない声でカナタが告げ、びくん、と震える。  あぁ、中が熱い。  びくびくと、僕の中でカナタのペニスが震え精液が放たれているのがわかる。  ――気持ちいい。  僕は息をきらせてカナタを見つめる。  いったい僕は今、どんな顔で彼を見ているんだろう。  罪悪感はずっとあるのに、この行為をやめられない。   「カナタ……」  掠れた声で名前を呼ぶと、彼は幸せそうな顔で答える。 「大好きだよ音耶。まだこうしていたい」  と言い、彼は再び腰を揺らし始めた。  結局三度も中だされたうえ、一緒に風呂に入っても後ろから貫かれた。  いくら身体の回復が早くても、精神的には少々辛い。  若さに付き合うのも大変だなと思いつつ、僕たちは裸のまま抱き合って眠り朝を迎えた。  

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