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東の風はいずれ西の風となり 第7話 | 美玲の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
東の風はいずれ西の風となり
第7話
作者:
美玲
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第7話
清蓮
(
せいれん
)
は踊りながら扇を広げ、くるくると回転させると、その扇は残像も相まって、まるで大輪の花が咲いているように見えた。 清蓮は演舞場にいたすべての人が、清蓮の一挙手一投足を逃すまいと注視していた。 清蓮は扇を静かに懐に戻すと自ら両手を広げ、体幹を軸に回転し、今度は自らが花となった。 清蓮は疲れた様子も見せず、次から次へと華麗な踊りを披露した。 最後に国民が最も愛する歌『
細氷
(
さいひょう
)
』に合わせて清蓮が踊り始めると、この日一番の歓声が湧き、しまいには演舞場いたすべての人々が歌い出した。演舞場にいた人々の高揚と一体感は最高潮に達した。 すべてを無事に終えた清蓮は、演舞場にいる人々に深々と一礼した。 正確無比の剣術、天女の煌めきにも似た華麗な踊り。 清蓮はすべてを完璧に成し遂げた。 誰もが目を奪われ、心を奪われた。 すべての人が清蓮を好きになった。 惜しみない拍手喝采は、巨大な渦となって演舞場に鳴り響いた。 清蓮は惜しみなく注がれる賞賛を謙虚に受け止めた。 演舞場の拍手喝采は止むことはなかったが、清蓮はきりのいいところで退場しようとした。 その時だ。 一人の幼子が清蓮に駆け寄って来た。
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