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第42話

清蓮(せいれん)と女たちは仲介人によって、ある大店(おおだな)の裏方に連れていかれた。 ここで仲介人は店の男に女たちを引き渡すと、金を受け取ってさっさと出ていった。 店の男は蛇のような目で女たちを見た後、話始めた。 「いいか、お前たちは今日からここで働いてもらう。ここで人気がでりゃ、誰でもいい思いができる。しっかり仕事に励みな」 男は要件だけ話すと、横にいた女に声をかけた。 女は無言で頷くと、男に代わって話し始めた。 「今から、おまえさんたちに確認することがある」 女はぶっきらぼうに言った。 虚な表情をしていた女たちの目に、わずかな動揺がはしる。 女は構わず話を続ける。 「なぁに、たいしたことじゃないさ。ちょっと、下衣を脱いでもらうだけだよ」 「……!」 清蓮は女の言った言葉の意味が飲み込めず、戸惑った。 他の女たちも同様で、女の一人が躊躇いがちに、「それはなんのためですか? 」と尋ねた。 女は同じことを何度も聞かれるのだろう、表情を変えず淡々と話し始めた。

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