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第45話

清蓮(せいれん)は、少し前屈みになって、もぞもぞしながら下衣を脱いだ。 清蓮は横に並んでいた女が、怪訝そうに自分をを見ているのに気づいた。 「あらっ、ご、ごめんなさい。ち、ちょっと、お腹の調子がね……。気にしないで……」 女は、清蓮に構うつもりはないようで、視線を逸らした。 清蓮は腹を摩りながら、何とか下衣を脱いだ。 店の女は、一列に並んだ女たちの前に立つと、一人ひとりの服を摘み上げ、女の下部を見てまわった。 その手つきは慣れたもので、女たちが恥じらう間もないくらい一瞬で、あっという間に清蓮の番になった。 無意識に体に力が入る。 女は、清蓮の顔を一瞥すると、服を摘み上げた。 女は服を摘んだまま、清蓮を見上げた。 清蓮は女の視線を感じたが、真っ直ぐ前を見据え、微動だにしない。 「——旦那、問題ないわ、全員——よ」 清蓮が、気づかれないほどの小さなため息をつくと、店の女はふいに清蓮の胸に触れた。 「えっ、な、なにを! 」 清蓮は、思わず両手で胸を覆った。 一気に心臓の鼓動が速くなる。 「そうねぇ……、あともう少し、胸があれば、完璧ね」 女はふんと鼻を鳴らすと、ひと足先に部屋を後にした。

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