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第46話

(いや、危ない、危ない……) 店の男が、「こっちに来い」と清蓮(せいれん)たちを連れて行く。 連れて行かれた部屋で、食事を出された。食事といっても冷たい粥だけだが、清蓮にとっては口にできるだけでもありがたかった。 粥を食べている間、清蓮は先ほどの出来事を思い返していた。 清蓮は下衣を脱ぐ時、一か八かと自分の「」をうまいこと手で押しやり、股に挟んで隠したのだ。 清蓮が前屈みになり、もぞもぞしていたのは、そういった理由があったのだ。 (それにしても、なんとも恥ずかしい……) 清蓮は、恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら、冷えた粥をかき込んだ。 夕食をとった清蓮と女たちは、衝立と化粧台が置いてあるだけの簡素な部屋に連れて行かれた。 すでに数人の女がそこで雑魚寝していて、店の男はここで寝るよう言うと、さっさと部屋を出て行った。 清蓮は部屋の隅で、これからどうするかと考えているうちに強烈な睡魔に襲われ、いつのまにか寝てしまった。 早朝、また店の男が飯の時間だと言って、やって来た。 清蓮たちは昨日食事をした部屋で、昨日と対して変わらない食事をとった。 食事を終えた清蓮たちが再び部屋に戻ろうとした時、貫禄のある初老の男が遠目にこちらを見ていているのに気づいた。 店の男と何やら話をしているようだが、清蓮にはその話が聞こえなかった。 部屋に戻ってまもなくすると、店の男が部屋にやって来て清蓮を呼んだ。 「そこの女、ついてこい! 」 清蓮は自分が呼ばれているとは思わず、きょとんとしていると、 「そうだよ、おまえだよ! 話がある! 」 清蓮はいよいよ男だと気づかれたのかと思い、ここで店の男と一戦交えるかと考えたが、すぐ思い直した。 身代わりになってここに来た清蓮だったが、売られた女たちを見て、何とかしてやりたいと思ったのだ。 逃がしてやれるものなら、そうしてやりたい。 ここはまず様子をみようと、清蓮は男の後について行った。

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