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第75話
「やっ、やだ、やめて! 誰か! 誰か……、お願い! なにするの! いやぁ! 」
夜の闇を裂くような女の叫びが響き渡る。
「なにが、『いやぁ』だよ! 散々、股開いて腰振ってたくせに! 冥土の土産に気持ちよくしてやろうってんだ、ありがたく思えよ! 」
男は女の頬を叩くと、馬乗りになった。
それを合図に他の男たちが暴れる女の手を押さえ、強引に股を広げた。
「いやぁ、やめて! お願い、助けて! 助けて——! 」
女は呆然と立ち尽くす女たちに向かって叫んだ。
かっと見開いた目は充血し、今にも血の涙を流しそうだ。
「こっちを向けよ、へへっ、馬鹿かお前! やめてと言われてやめる奴がどこにいるんだよ!
お前、ちょっと前までは一番の売れっ子だっただろ? あそこの締めつけが最高だって!
いまじゃ、ゆるゆるになってお払い箱さ!
高嶺の花だったのにねぇ……。
くくっ! いいさ、おれたちはお下がりでもありがたく頂戴するだけ、多少締まりが悪くても、それなりに気持ちいいってもんさ! 」
「そうそう、気晴らしには最高だよ!
この間も捨てる前に、女たちのケツ、しこたま掘ったじゃないか! みんな、死ぬ前だってのに、涙流しながら喘ぎに喘いじゃってさ!
ある女なんて、『あぁ! 死んじゃう、死んじゃう! 』ってしがみついてくるんだぜ、おかしくて仕方なかったよ! 」
男たちに押さえつけられた女は、目に恐怖と無力感を浮かべ、抗えない己の運命にひれ伏している。
その姿は生ける屍といってよかった。
他の女たちはというと、目の前の陵辱されようとする女を助けようとはしなかった。
女たちは目を閉じ、耳を塞いだ。
見なくても、聞かなくても、ここにくる前から、温蘭で春を売り始めた時から、こうなることは分かりきってきたのだ。
いずれ自分たちも同じ目に遭う、それが早いか遅いかの違いに過ぎない。
目の前で泣き叫ぶ女は他ならぬ自分の姿でもあった。
たった一人だけ、清蓮の世話をした女は変わらぬ凍てついた眼差しで男たちの蛮行を見ていた。
その目の奥に小さな赤い炎が揺らめいていたが、それを見たものは誰もいない。
「なんて人たちだ!」
死を目前にしてさえ侮辱される女たちを見て、清蓮は込み上げてくる怒りを抑えきれない。
もう、これ以上看過することはできない——!
清蓮は物陰から勢いよく飛び出して、男たちの前に立ちはだかった。
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