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54 ※
僕は自分を抱いているハルヒさんの、まるでギリシャ彫刻のような、その完璧に鍛え上げられた美々 しい上半身を初めてこの目に映したなり、そのあめ色の肌がはなつおびただしい男の色気に当てられて、――ハルヒさんには顔を隠さないで、最中の君の顔が見たい、と言われていたにも拘 わらず、――思わず自分の顔をかさねた両腕で隠してしまった。
するとハルヒさんは僕のそれを許してはくれなかった。…彼は「お仕置きをする」と言って――するとなぜか僕の子宮は、彼のその発言にキュン♡ とうずいてしまったのだが――、動きを止めてから、僕の顔に重なるこの両腕をつかみ、ぐっと上に押しやる。
……となれば当然、天井の照明のあかりを背後に、薄墨の影に染められたハルヒさんの、その僕を見下ろす妖しい暗い微笑が僕の視界にあらわれる。――彼はそうしたほの暗い陰りがあってもなお白いその端整な歯列を、その殊 に尖った犬歯をあらわに妖しく笑いながら、僕の目をじいっとその恐ろしい真紅の瞳で見つめてくる。
「〝天上春命 、そなたは今から俺が射精するまで、膣内の感度を凄 まじく上げ、また一突きされるごとに子宮でイけ。…そしてそのイッている顔を、必ず俺に見せろ〟……。」
「……ッは、?」
僕は眉を強ばらせながら目を見開いた。
――ハルヒさんはその妖艶な銀の長いまつ毛をす…と細め、その暗い真紅の瞳にサディスティックなナイフの光を宿して、僕の当惑の顔をじいっと満足げに見下ろす。
「……どうせならさぁ…ほんとうに〝どうにか〟なっちゃえ……」
「……、…は、…、…は、…」
僕の呼吸が、恐怖と期待とが綯 い交 ぜになった動悸のせいで乱れ短くなる。
……今ハルヒさんが僕に追加して――本音をしか言えない、という呪いに追加して――かけたその「呪い」は、その実もうすでに僕の体を蝕 みはじめていた。
ハルヒさんは今は動きを止めている。
つまり今彼の勃起は僕の奥、つまり子宮口まで入り込んではいるが、膣内をこすられるだの奥を突かれるだのという刺激は――まだ――与えられていない。
だのに、…僕の膣内は太く硬い彼のそれを咥えこんでいるだけで、今にもイきそうなほどの圧迫感のある快感を覚えている。…しかも敏感になっているせいか、彼 の 形 さえ手に取るようにわかるようだった。カリ下の笠 、太いハリのある血管、その血管の脈動、熱い骨のような硬さ、――
要するに僕の膣内はもう、彼の呪いのせいで凄 ま じ く 感 度 が 上 が っ て いるらしい。
ましてや、一突きごとに子宮でイけ…――。
「…は、…ぁ、♡ ……っ♡」
ああ確かに、イく、だろうな、…これじゃ、――。
僕は眉をひそめて声をもらしたが、…ところがまだハルヒさんは動いていない。――ただ彼の亀頭が奥に押しつけられている、ただそれだけのことで、僕のポルチオあたりは、いや、僕の子宮全体が、すでに絶頂直前の張りつめたもどかしい焦燥の快感を生じさせている。
……腰がくねってしまう。僕のかかとの上がった両足のつま先が、ふっくらとした白いかけ布団をもどかしく揉む。この快感は感情的なそれでなく、単純に快感を原因とした火照った涙を僕の両目にじわじわとわき上がらせてくる。……膣内? いいや、
「……ふ、♡ ん、…んぅ…♡ ……ぅ、♡」
子宮? いいや、…
もはや骨盤のその骨からその中、鼠径部 まで、恐ろしいほど鋭敏 なピリピリ、もぞもぞとするしびれのような快感が生じている。
「…ハヅキ、腰が震えてるよ…?」
とハルヒさんの指先が、いたずらにつーと僕の腰骨を撫でた、
「…ッはん…っ!♡」
ただそれだけのことで、僕はビクンッと骨盤を跳ねさせた。――おかしくなる、…
「……は、…は、…、…、…」
本当に「どうにか」なってしまう、…
今彼の太い勃起を咥えている膣内を収縮させてしまえば、そこが凄まじく敏感になっている今、いよいよ僕はそれだけで絶頂する、との確信さえさせるこの恐ろしい「呪い」は、といって甘い「お仕置き」には違いなかった。
しかしこれから何度イかされるのかもわからない、一突きごと、と指定されていれば、それも子宮ばかりか膣内全体をこれほどまでに敏感にさせられていては、ともすると三桁とまで絶頂の回数が膨らむかもしれない、――そう思うと、これというのは甘くとも「お仕置き」に足るそれに他ならなかった。
「ぅ、…ぅぅ……♡」
もう動くなら早く動いて、…と僕はまた顔に両腕を重ねた。ハルヒさんに隠せないのは「イっている顔」との指定があるためか、まだかろうじて絶頂を迎えていない今の僕にはそれができた。
いっそもう早くおかしくしてくれよ、…この微妙に理性のある状態の今がきっと一番恥ずかしくつらいに違いない。
「…んー…? ふふふ……」
しかしハルヒさんは、かえってこの「今」をサディスティックに楽しんでいるらしかった。彼はまた僕の両腕を僕の頭上へと押しのけ、僕の唇に口づけてくる。――僕はそっと目をつむる。
「……ん…♡ ……」
彼はその熱くぬれた唇で数回僕の唇を食んでから、ぬるりとその舌で無抵抗な僕の唇を越え、そして、唾液のたっぷりたまった口内で呑気にくつろいでいた僕の舌に、そのハリのあるぬるついた舌をからみつかせてくる。――僕の両腕を押さえつけてくるハルヒさんの大きな手、僕の片胸を撫でまわしてくるもう片方の大きな手、…ぎゅうっと痛いほど僕の腕が鷲 掴 みにされる。
彼の手のひらが僕の胸板をもみながら、ツンと粒だった乳頭を転がしてくる。――精いっぱい応えようとぎこちなく動かしている僕の舌に、彼のぬるぬるとした、しかしややざらざらとした舌は、巧みににゅるにゅると絡まって、僕の舌を奥から先端へむけてゆっくりとしぼっては、また纏 わりついてくる。
「……、♡ …っ♡ …ん、♡」
その一つ一つが僕の悦びだった。
ずっと十年も好きだった人が、愛するハルヒさんが、――僕のまぶたの裏に焼きついたあのあめ色の見事な肉体、あの指の長い綺麗な大きな手、――その人のその色っぽい男の肉体が、僕の体の上に、僕に君臨している。…逆らいようもなかった。
僕の心がその人の君臨を悦び、あたかも帰服しているからだ。…きゅーーっと僕の膣内が狭まる。にわかに僕の顎がぐっと引かれる。これは勝手にだった。
「…ぅ、…――っ!♡♡」
……ぎゅっと目をつむり、ふと刹那 に顔をせめてもそむけた僕の骨盤が、ビクッと跳ねる。…ぐぱっぐぱっと僕の膣内が収縮と弛緩 を繰り返し、そのたびドクンッドクンッと快感が生まれる。
「ぁ…♡ …ぁ、♡ …〜〜〜っ♡」
眉が寄る。
……僕はイッてしまったのだ。そしてハルヒさんの「呪い」のせいで、『顔を見せなければ』とキスをも放り出し、自らその人に自分のイッている顔を見せたのだ。――あまりの羞恥心に目が開けられないが、そうしてぎゅっと合わさった僕のまつ毛から涙があふれて、目頭から、目尻から、ぽと、とこぼれ落ちる。
「…はは…イッてるハヅキもすごく綺麗、めっちゃかわいい…、……」
そう喜んでいるハルヒさんは、僕の片胸をゆっくりと撫でまわしつづけ、時折ぴんぴんと僕のハリをもった乳頭を指の側面ではじきながら、僕の首筋に唇を寄せてくる。トクン、トクンと弱まった僕の膣の絶頂の収縮が、――あむ…あむ、と僕の首筋の薄い皮膚を食んでくる彼の唇に、…またぎゅっと反応を強める。
「……んっ…!♡」
彼の勃起のくい込みの刺すようなほど強い快感に、僕の下腹部が強ばりながら上がる――首筋のぞくぞく、とそのくすぐったい快感に僕のへその上あたりが疼きはじめ、さらには胸まで、乳首までまさぐられると、本能的な、身がすくむような危うさを覚えるほど感じてしまう。
「かわいい…」とハルヒさんが僕の首筋にささやく。それさえぞくぞくとしてしまってたまらない。
「……ッあ、…」
チク、と可愛い小動物の甘咬 みのようなかすかな痛みが、チク、…チク、と僕の首筋を咬み、…その愛おしさに胸の中がツーンと切なくなる。
しかし僕は頬を熱くしながら、もうあまり力の入らない両手でも、精いっぱい彼の骨っぽい鎖骨をそっと押し返した。…するとハルヒさんはふと唇を離し、僕の顔を眺めおろしてくる。
「何…?」
僕は目を伏せながら、「ぁ、あの…」
「き、キス、マーク…――あ、あんまり…もう、…つ、つけないでください……」
僕の口角がはにかみに上がるが、伏せた上まぶたの下で、僕の濡れた瞳は揺れていた。…今はいいのだ。
……今は、かえって嬉しいくらいだ。噂どおり、直感的にわかるそのチクンとする痛みは、何かなんとも言えない背徳的な快楽を僕にあたえてくる。
いっそ僕の体中のあちこちをその唇でかわいく咬んでほしい、…今はそう思えてしまうくらい、彼のそれを許すこと自体にも、僕はちょっと被虐的な悦びを見出している。
ただ、…よりにもよって首筋は、
……首筋は、恥ずかしい…――僕は我ながら肌の色がかなり白いので、きっとそのにじんだ血の紅い色は小さくともかなり目立ってしまう。
いや、もう実に今さらなのはわかっているのだ。もうすでに僕の首筋にはいくつものキスマークが残っていることはわかっている。
だが、…この新居には今も家族がいるのだろうし、(今は何時か知らないが)このあとも二人で彼らの前にいくのだろうし、…すると家族にこれを見られてしまう、あぁ早速(初)えっちしたんだな、なんて明確にバレてしまう、…それこそこれ以上つけられたら、『(初めてなのに)どれだけ激しかったんだ?』なんて変な好奇心を持たれかねない、…僕の伏せている瞳がじわりと濡れ、目元や頬やが熱くなる。
「…く、首筋…、つけるにしても、…首以外がいいです…。だってか、隠せない、じゃないですか……」
「えー、隠せないから首筋なんだよ…?」
「…は…? で、でも家族に、その…」ともごもご言う僕の顎をハルヒさんがつまんで上げ――彼はじいっと妖しい、少し支配的な真紅の瞳で僕の目を見つめながら、からかうような笑いを含ませてこう言う。
「…別に見られたって大丈夫だよ…何千年もこんな感じだから、家族も慣れてるし、…それに、俺がハヅキの首筋にキスマークをつけるのは、家族に見せびらかすためじゃなくて…――ハヅキの全部はもう俺だけのものなんだって、…君の体に刻み込むため。」
「……、…、…」
僕の全部は、もう…ハルヒさんだけの、もの…――僕は意識を火照らせながら、その甘い言葉を無意識に心のうちで反芻 する――僕の全部はもうハルヒさんだけのもの――その言葉があたかも刻み付けられたかのように、ビクン、と僕の骨盤が、子宮が瞬発的な快感にはずむ。
ハルヒさんは僕の瞳を支配的に見下ろしながら、その彫りの深い端整な顔に、妖しく翳った微笑をうかべる。
「…ハヅキ…? お返事は……?」
「……、…、…」
僕の瞳は――僕の子宮に絡みついてそこを捕らえている「契りの血」のような――彼の真紅の瞳に絡めとられ、捕われてそらせない。
「…はい…あ、あな、たの…ものです、もう……僕は、僕の全部は、…ハルヒさん、だけの…ものです……」
「……ふふ…、……」
するとハルヒさんは満足げに目を細め、僕の顎をぐっと、僕の顔を先ほどとは反対側に向けさせた。
彼は僕の耳もとでこう囁いてくる。
「……じゃあ俺に何て言うの…? キスマーク…」
「……、…き、キスマーク…」
……僕は恥ずかしさから声を震わせながらも、小さい声でこう言ってしまった。
「…キスマーク…、僕が、貴方だけのものだという証を…――僕の体のどこにでも…貴方の好きなところに、…お気の済むまで、…つ、つけてください…。どうぞ、いっぱい…、いっぱいつけて……」
この許しこそは小さな破滅を招く。
それはわかっていたが、今の僕の潤んだ目には、その小さな破滅が、ひどく魅惑的な犯すべき罪悪としか見えなかった。…「いいよ…?」とハルヒさんが僕の耳にささやき、…彼のその唇は、まだまっさらだろう反対側の僕の首筋に触れる。
……チクン、――僕はその小さな罪悪の痛みに、「は…」と息を呑み、こみ上げてくる罪悪感に、――…チクン、…――少しずつ侵されてゆく清らかな自分の道徳と誇りに、――…チクン、…――ふるふると彼の鎖骨の上で震えている指先をきゅっと丸めて、ただじっと耐えた。
「……、はは…かわい…。君のまっしろな肌に、紅いのがすごく綺麗……」
「……、…、…」
僕は今自分の首筋の生白い肌に浮かんでいるのだろう、そのいくつかの紅い痕を想像してみる…――しかし頭の中に立ちあらわれた、その蒼白い新雪の上にぽつぽつと落ちた紅い椿 のようなコントラストの妖しさは、すぐ陶然 と遠のいてかすんでゆく…――そのさなか、僕は無意識にきゅうきゅうとなかを嬉しそうに波打たせてしまった。「んん…っ♡」眉をひそめた僕の鼻から苦しい呻きがもれでる。
それはハルヒさんの勃起の硬さが、今は鋭敏な膣内がそうして収縮するたびにくい込んで、それだけで自ずから快感を生じさせてしまったせいだった。
「…〝動いて〟は…?」――ハルヒさんの意地悪なささやきが、僕の胸の中を甘くまさぐってくる。
「……、…、…」
……僕はひとたび突かれたらイくのだ。それも突かれるたびにイかされるのだ。それがどれほどやさしいものであろうと、たとえばちょんと子宮口にやわい先端が触れるだけの動きであろうと、呪われている僕はそれだけでイッてしまうのだ。のみならず、僕の膣内はいま過敏なほど感じやすくなっている。――もはや今の時点でさえ恐怖を覚えそうな、そのすさまじく破壊的だろう快感の猛襲 を、
……ハルヒさんは、僕に自ら「ねだれ」と言うのだ。
「……は、…は、――」
僕は顔を横へ向けたまま、そっと両目を開けた。
遠くをぼんやりと眺める僕の目から、ほろ、と欲情の、期待の、恐怖の涙がこぼれ落ちる。
「…お、奥…僕の奥、…いっぱい、突いてください……」
「……ふふ…っやば、エロい。ほんとに綺麗だね、ハヅキ……」
ハルヒさんはもう腕を立てて、僕のその横顔を見下ろしているのだった。…彼はきっと僕が命じられるままこう言うことをわかっていたのである。
とん、と手始めにやさしく奥を突かれる。
「…あっ…――!♡♡♡」
僕の腰が反れる。
……ぎゅーっと膣口がすぼまり、僕の下腹部はビクンビクンと痙攣する。ツーンとした快感が、じゅわ…と骨盤に拡 がってゆく――とん、とん、とん、と突かれる。…そのたび、
「あっ…!?♡ ああ…っ!♡♡ あんっだめ、♡ っこれ、♡ あっああっ!♡♡」
僕はイってしまう…――。
ほんとうに、突かれるたびイってしまう……――。
「はは、…すご、ハヅキのなかめちゃくちゃになってる、…きもちい、――はー、てかほんとかわいいー…最高、…」
「あんっ…!♡ やっ…み、見ないでぇ、…」
上から自分の歪んだ顔に張りついた視線を感じ、…僕はもう押さえつけられてもいない両腕を動かして、…枕の端 をつかんだ。
「…〜〜〜っ♡♡」
隠せない、…
……僕の脆弱な体はゆさゆさと揺さぶられ、そのたび僕の子宮はドクンッドクンッと快感の大きな脈動を生じさせるばかりか、こすられるたび膣内にもしびれるような快感が止まず、その快感は収縮によってより増してしまう。
「あ…っ!♡♡ あ…っ!♡♡ はるひ、っさ…っ!♡」
こわい、…
おかしく、なる、…こんなの……っ♡♡
「…はは、…ちょっと休憩する…?」
とハルヒさんが頭を下げ、僕の片方の乳頭を舌先でチロチロとくすぐり、もう片方は指の側面で同じようにしながら、ぬちゅ…ぬちゅ…と奥に届かないやや浅い場所を、自分の勃起でじっくりとこすり、ひっかいてくる――おそらく体勢的に奥に届かないだけだが――。
「…あ…っ♡ んう、♡ …んん…っ♡」
しかし僕の子宮や膣内には、まだ絶頂の反応が残っている。…それに増して、乳首を愛撫されながら敏感ななかをこすられると、…僕はぽろぽろと涙をこぼしながら腰を揺らめかせてしまう。
「うぅ、♡ ぁ…っ♡ こ、っ腰、動いちゃ…っ♡ ぁ、あぁ…♡ ごめんなさい、腰、かってに動いちゃ、い、ます、…ごめ、なさ……っ♡」
なぜとはわからないので自分でも困惑しているのだが、とにかく僕の腰は勝手に、ぬちゅぬちゅと彼の勃起をしごくよう、前後に揺蕩 してしまうのだ。抑えようにも僕の意思ではできない。
「…へへ、だめー、許さなーい。だって可愛すぎるんだもん……」
そう悪戯な少年っぽく言ったハルヒさんは、僕の膝の裏を掴んでにわかに、ぱちゅぱちゅと腰の動きを――僕のポルチオを突く動きを――激しく速いものにする。
「あぅイく、♡ …〜〜ッ♡ 〜ッあぁ、♡ ァ、♡ イッて、♡ あ、!♡ あ、!♡ あ、!♡」
突かれるたび僕の子宮には快感の小爆発が起こる。
僕はかぶりを振り、逃れようと僕の腰は浮かんだり、ベッドのかけ布団に沈んだりと暴れるが、…僕の手は枕の端をぎゅっと掴んだまま離さないし、結局無駄な抵抗なのだ、…腰を掴まれてしまってはいよいよ、
「あぁイく、♡♡ だめっ…!♡♡ あっ…!♡♡ あっ…!♡♡ んうぅう〜〜っ♡♡」
イッてもイッても次々奥に絶頂を打ち込まれて、
「はぁっ綺麗、…可愛い、ハヅキの泣きながらイッてる顔、超かわいい、…」
「…〜〜〜〜ッ!♡♡♡♡♡」
可愛い、綺麗、…そう褒めそやされながら、またイッて――イッて、イッて、イく。
終わりが、ない、…僕の常に痙攣している下腹部に疲労の気だるさが溜まってゆく。…だのに次にはまたそこに快感が爆 ぜてその疲労は吹き飛び、また爆ぜて、爆ぜて、爆ぜて、もはや下半身全体が強ばってぶるぶると震えている。
汗で湿気ったかけ布団に突き立てられた僕の足のつま先に、そのかけ布団の布が絡みついているような気がする。ぶるぶる震えているふくらはぎが攣 りそうだ。――過呼吸になりそうだ、…しかし僕にはまだこんな余裕があったのか、…
「あっ…!♡ あっ…!♡♡ ああっィ…!♡♡ らめ、らめいく、♡♡ またいく、♡♡ ああ、!♡♡ …ッく、♡♡」
僕の両膝を手放し、僕の奥をどちゅどちゅ突き上げながら前のめったハルヒさんに、…その人のうなじに、僕は自然と両腕をかけていたのだ。
僕はボロボロ泣きながら、ハルヒさんの細められた両目をじっと見つめている。
「あっ…!♡♡ あんっあっ…!♡♡ もうわかんな、♡ っすき…!♡ すき…っ♡ すきっはるひさん…っ♡ すきれす…っ♡ あぁっあ…っ!♡♡」
すき、♡ すき、♡ すき、♡ すき、♡
もう見られたい、かも……♡
もういっそ見られたいかも、…僕のえっちな顔、あなたになら見られたいかも…――♡♡♡
「…すきれすハルヒさん…っ♡ はるひさ、♡ はるひさん…っ♡」
……至近距離にある彼の顔はすこし苦しげだったが、ふと破顔する。
「っほんとかわいい…、ねハヅキ、俺に〝僕のイッてるえっちな顔見て〟って言って…?」
「…は、♡ ハルヒさん…っ♡ ぼくのぃ、イッてるえっちなかお、見てくらしゃい、♡」
だいすきなハルヒさんになら、僕のやらしい顔、じっくり見てほしい……♡♡ だって…僕のすべてに、興奮してほしい、から……♡♡♡
すると彼は苦しそうな笑みを浮かべた。
「っはは、…もうほんとやば、…可愛すぎだし、イッてるなかもやばい、ほんと、…ごめんハヅキ、…っもう出してい、? ハヅキのなかに出していい、…」
「……ッ!♡ …ッ♡ …ッ♡ 出してくらさい…っ♡」
僕はハルヒさんのその苦しげに細まったまぶたの奥、その潤んだ真紅の瞳に絶頂のなかの唯一のよすがを見出した。――それも「もうなかに射精していいか」と尋ねられたなり、僕の膣内はきゅーっと彼の勃起を締めつけ、あちこちを蠕動 させ、それどころか僕の腰までぬちゅぬちゅと動いて彼のを自ずからこするのだ。
下さい、下さい、どうか貴方の精液を僕のなかに下さい、と――まるで僕の体はその膣内射精を、自分のなかで彼の射精を一滴のこらず受けとめることを、何かの義務、何かそれこそが自分の体の存在理由、何か僕が果たさねばならない務めとでも思っているかのようだった。
「あうっあ…!♡ くっくらさい、♡ あっ…!♡ あんっ僕に、♡ ぼくにハルヒさんの精液いっぱいくらさ、♡ おまんこのなかにいっぱいくらさぃ、♡」
……いや、僕の精神のほうもそ う 思 っ て い る らしい。僕の口からは「本音」がとめどなくあふれてしまう。
「はは、俺の精液なかに欲しいの、?」とハルヒさんに余裕のない、しかし甘ったるい調子で聞かれると、僕はコクコクうなずきながら、
「っは、はい…っ♡ ぁ、あん、♡ …〜〜っ♡ ほし、ほしい、欲しいです、♡ ほしいです、♡ だいすきなハルヒさんのザーメンなかに欲しい、♡ いっぱい欲しい、♡ ぜんぶ欲しい、♡ はるひさんのザーメンぜんぶ、♡ ぜんぶ僕のなかに出してくらさい…っ♡♡」
……そうイきながら、泣きながら中出しをねだってしまうのだ、…この意識が朦朧とする絶頂のさなかも、どこかでは冷静な自分がそれに顔を赤らめているが――僕の震えている両脚がハルヒさんの腰に絡みつく。…僕は本能でわかっているように、ぐっと自分の子宮口と彼の尿道口とを合わせようと、腰を突き出しながら両脚にもぐっと力を込める。
「…愛してる、♡ 愛してますハルヒさん、♡ だからこのまま、♡ このままいっぱい僕のなかに、ハルヒさんのザーメンいっぱいくらさい…っ♡ 奥にくらさい…っ♡ いっぱいぼくのなかにザーメンくらしゃい…っ♡」――僕は朦朧としながらも、媚びるようハルヒさんにほほ笑みかけた。
「…ああ大好きっ、俺も愛してるハヅキ、……っ!」
するとハルヒさんはぐっと顔をしかめると、僕の唇に唇で噛み付いてきた。――僕は彼のうなじにかけた両腕に重たい力を込め、ハルヒさんを抱き寄せる。
ぎゅうっと四肢で彼に抱きつく。
僕もだいすき……♡♡♡
あ…――。
「…んん…――♡♡♡♡♡」
なかで…出てる……いっぱい…――うれしい…♡♡
ハルヒさんと貪りあうように唇をはみ合いながら、ドクンッドクンッと自分の粘膜に包まれた彼の勃起が、波打つように大きく脈動しているのを感じる。
そうして今射精のときを迎え、その尿道口から噴き出している彼の精液だが、…何となくわかる、僕の子宮口は今彼のその尿道口を――先端を――咥え、子宮も僕の膣内も、その精液をゴクンゴクンと何かを飲み干す喉のうごきで吸い出し、着々と彼のその大量のねっとりとした精液を子宮内に溜めていっている。
……絶え間ない絶頂、痙攣の疲労が押し寄せているのもあってか、どんどん子宮が重たく、じんわりと熱くなってゆく…――しあわせ…気持ちいい…――もし僕に卵巣があって、もしこの子宮の中に卵子があったなら、きっと僕はこれでほぼ確実に彼の子を妊娠していたんだろうな、なんて絵空事が頭のどこかにある。
ただ…それよりも何よりも、この二つが一つになってゆく感覚――奇妙なイメージが湧いてくるのだ。
まるで自分の子宮に、二人が包み込まれているかのような…――まるで自分の子宮が、かつて僕らがいた母の子宮と成り代わったかのような…――目をつむっているとなお、まるで母のあたたかく暗い胎内の、その羊膜に護られた羊水のなかに浮かんでいる双子、そうなった、いや、その双子の胎児に戻 っ た ような…その羊水に双子の体が溶け込み、そうしてお互いの境界線が曖昧になって――ドクン…ドクン…と二つの心臓の鼓動が寸分たがわず同じタイミングで脈打っている…――するとまるでそのうちに「彼」も「僕」も無くなっては、胎内で二つの心臓が一つに重なりあって、そうして我々は「一人 」になってゆくのではないか……と、…ふとそう思わせる、うっとりとする神秘的な融合の感覚が今僕の髪の先にまである。
「――……。」
もしや、これが…「統合」、なのか…――?
……なんにしても…いつまでもこうしていたいと、それを願いそうになるほど神秘的で、身も心もとろけるように心地いい。
あんまりにも心地いいので、このままだとうっかり眠ってしまいそうだ…――。
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