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95 ※微
「……ん…、……んん…♡」
ハルヒさんの唇が斜めから僕の唇を大きな動きで、力強く揉みしだくように食んでくるのを、僕は目をつむり、顔を上げてすっかり受け入れる。
また彼の両手は僕の背中の中央あたりを抱き寄せてきたので、すると僕の肋骨 の端とみぞおちとは、彼のごつごつと腹筋が隆起したお腹に密着している――が、僕はわざとお尻を後ろに突き出すようにしてみぞおちから下を浮かせ、…「避けて」いる。
「…んッぅう、♡」
そうして僕の唇は息継ぎの間さえ与えられないほど激しく、間断なくハルヒさんの唇に揉みくちゃにされ……その強引に僕を求める、いや、僕の何かを奪おうとしてくるようなキスのさなか、彼は僕の背中の中腹からぬるー…と両手を下げ――やがて僕の両方の尻たぶをぐにぐにと揉みしだいてくる。
「…ン…っ♡ …〜〜〜っ♡♡」
僕は目をつむったまま眉を寄せた。
わりかし強めにお尻の肉を揉まれてはいる――ハルヒさんの五本指、左右合わせればその十本の指が、僕のお尻の脂肪の奥の筋肉にさえ到達するほどそこの肉にくい込んではいる――のだが、そのわりに痛くはない。
かえって、なぜかアナルや膣口を揉みくちゃにされているような快感を覚え、もちろんそもそもお尻自体もそうされると気持ちがよく、…ましてやめちゃくちゃなキスをされながら、ともなると…――もっと僕を求めてほしい…、大好きなハルヒさんになら、もう何を奪われてもいい…――頭が…体が…あまりにも幸せすぎて、とろけてしまいそうだった。
「……ふふ……」とハルヒさんが、鼻から愛おしそうなそよ風のような含み笑いをもらす。
おそらく僕のとろけた頭に自然と浮かんでいた彼への想いが、繋がっている魂を通じて彼にも伝わってしまったのだ。…だが今の僕にはそれをはにかむような気持ちはなかった。
かえってハルヒさんのその含み笑いから伝わってきた、僕への愛情が嬉しくてたまらない。要は僕は今とても幸せだった。
「…ん、ぅ…♡ ……っ!」
ハルヒさんの片手が不意に、自分の腰骨あたりでボディタオルを握りしめていた僕の手の手首を取って、そろそろと下へ――すかさずピトッと触れた熱に、僕は思わずサッと横へ――すっかりお湯の汲み終わった丸い浴槽のほうへ――顔をそむけてしまった。
……ハルヒさんはいたずらな笑みを、低い欲情した男の声に含ませてこう言う。
「……ハヅキが可愛すぎて、綺麗すぎて…ほんと、君が愛おしすぎて…――俺のおちんちん、こんなにガチガチになっちゃった…。あはは……」
「……、…、…」
僕はこれによって自分の体や何かの態度、それから言動といったものが、好きなひとにとっては「色っぽいもの」であるのかもしれない、ということ――ハルヒさんはきっと僕のことを「色っぽい目」で見ているということ――を改めて認識し、…すると、生々しく僕の指先にまとわりついてくるとさえ思えるその湿った熱に、少々恥ずかしいような気まずいような気持ちにさせられた。
とはいえ、
「ぁ…あの、…すみ…ません……」
僕は顔を横へそむけたまま顎を引き、そ……とおそるおそる、とろけるような質感のボディタオルで、ハルヒさんのそのそり返った勃起を包み込む。
そして僕はあくまでも彼の勃起を見ないようにしつつも、彼のそれをまず根本あたりに片手、上の方にもう片手と両手で包み込むように握っては、ゆる…ゆるとしごくように洗いながらついつい……、
「…すみません…その…、すみません……」
何に対して謝っているのやら自分でもわからないが、気まずさのあまり何度も謝ってしまう。――するとハルヒさんは「はは、」と可笑しそうに笑った。
「…なんで謝んの…? きもちいいよ、ありがと…」
「……はは、…いや、わ、わかんないです、自分でも、…ただ、何だかその……」
本当に…僕、なんで謝ったのやら、と自分でも可笑しくなってしまった。
ただ何も言わないで彼のそこに触れるのも気まずいやら恥ずかしいやらで、といって何を言えばいいのか、何を話し始めたらいいのか、それもわからなかったので、だからきっと僕は漠然と謝ってしまったのだろう。
「…恥ずかしい…?」――ハルヒさんが優しい、僕を安心させてくれるようなささやき声で聞いてくる。
「…はぃ…正直…、嬉しくも、ぁ、ありますが……」
気まずいのも恥ずかしいのも本当だった。
しかし、好きなひとが僕の何かにこうして反り返るほど勃起してくれた、つまりハルヒさんが自分の何かに欲情してくれたということや――もしかすると、自分の体を色っぽい目で見てくれていたのかもしれない、ということにも――ニヤニヤしてしまうような嬉しさがあるのも本当だった。
「…はは…かわいいなぁーハヅキ…。じゃあおちんちんはいいよ…。でもその代わり――俺の背中、洗って……?」
「……、はい…わかりました…。……」
ハルヒさんがそう言ったのを聞いたなり、僕は顔を横へ向けたままコクコクと頷いた。
ただ……痛くはなかったと思うが、やっぱり下手だったのかな…――当然自分も彼と同じものを持っている以上、全く未知のものに触れているという感覚ではなかったが…といって、快感のツボもさまざまな他人の大事なところであるのには違いないため、他人への愛撫に慣れない僕のぎこちない手つきでは、あんまり彼を気持ちよくはできなかったのかもしれない、…なんてちょっとしょんぼりしつつ…――、
僕は、彼の勃起をくるんでいたボディタオルを丁寧に抜きとると、後ろへ何歩か引こうとした――ハルヒさんが自分の背中を僕に向けてくれるものと思ったからだ――が、…しかし彼は、僕の二の腕をそっと掴んで引き留めながらニヤッとして、
「違う違う…、ハヅキ、俺に抱き着いて洗って…?」
「……え…っ?」
僕は(自分のしょんぼりに気を取られていたあまり)少し驚いてハルヒさんの顔を見上げた。
彼はにこにこしながら「ほら」と軽く腕を広げて、僕を待っている。
「……、…、…」
いや、…まあ確かに――僕が思っていた背中の洗い方ではなかったが――ハルヒさんに抱き着けば当然、僕の両腕は彼の背中に回る……そうすればその背中を洗う、というのもさほど難しいことではないが、…今更ながら、自ら裸で抱きつく、裸のハルヒさんに、…
う、…僕は息苦しくなるほど恥ずかしくなったが、…わかりました、とまたコクコクうなずいた。
そして、
「…えっと…こ、こう…ですか……?」
と恐る恐る、ハルヒさんの上半身にまずは胸板を密着させ――しかしやはりみぞおちから下は浮かせて――それからそぉ…っと、そのひとのわきの下から通した両腕を、そのたくましい背中に回す。
「そうそう…」――ハルヒさんもふんわりと僕の背中に両腕を宛てがいながら、嬉しそうなやわらかい声でそう言った。
「……♡」
ぁ…これだけで、ちょっと気持ちいい……すると彼のあたたかく貼りついてくる肌が触れたところ、たとえば胸、乳首、腕、背中、その彼のぬくもりと粘ついた泡をまとったなめらかな肌とを起点に、ぞくぞくぞく…と僕の肌に快感の波紋が広がってゆくのだった。
……ただあくまでも「大義名分」は忘れずに、僕は手にもったボディタオルでそのごつごつとした背中を撫でながら、道々に残る泡をもう片手でもゆっくりと円く塗り広げてゆく。
「……、…、…」
僕は顔を熱くしながら、羞恥のため息をこらえる。
意識しないようにと気を付けると、なお意識が向いてしまう――ハルヒさんの乳首が僕の胸板にツンと刺さっている。ぬるつく泡が僕と彼の肌をより強力に貼り合わせている。さらに恥ずかしいのは、僕の勃った乳頭も彼の胸筋の下部あたりを刺しているところである。
それも、
「…へへ、…ねハヅキ、さっきから避 け て る でしょ…?」
「……、…っあ、」
あえてみぞおちからわざと浮かせていた――あえてお尻を後ろに突き出していた――僕の腰の裏やお尻をぐうっと強引に抱き寄せ、いよいよふたりの上半身同士を密着させてきたハルヒさんのせいで、…僕のお腹と彼のお腹とのあいだに、縦に彼の熱く硬い勃起が挟まるようになる。
それでも押しつぶしては悪いと、僕は遠慮がちに腰の裏に力を込めている――ちなみに僕のやや上向きに勃起した陰茎は、幸いといえば幸い、身長差と彼の脚が長いのとで、そのひとの両ももの付け根ちかくのあいだにはまり込んでいるばかりである――が、…
「……、…、…」
う゛ーーー、…僕のおへそくらいまであるハルヒさんのその大きな陰茎に、僕は内心悶えている。…いくらさっきちょっと触れさせてもらったとはいえ、やっぱり彼のこれに何か気恥ずかしい気持ちにさせられるのはまだ克服されない。
ただハルヒさんは「ハヅキ…?」と低くもやさしい、少し切なげなかすれ声で僕の耳にささやきかけてくる。
「俺、さっき〝おちんちんはいいよ〟って言ったの…気持ちよくなかったからじゃないからね…。むしろ気持ちよかったからこそ…――君もわかるでしょ…。こんなに大きくなってるのに、大好きな君の手で気持ちよくなっちゃったら……」
「……は…、……♡♡」
僕の胸がドキドキと幸せな動悸をしている。
ハルヒさんに抱き締められながらやさしく囁かれるの、好き…――だが、
「俺の精液は、一滴残らず…ハヅキのなかにぜーんぶ注がなきゃいけないのに……」
「…〜〜っ♡♡」
うー、やたらとハルヒさんのその言葉が淫らなふうに聞こえてたまらない、…いや彼の言っているそれは、僕たちの死――消滅――がかかった、わりに重大な必要性を孕んだ発言に他ならないのだが、…だのに「妖しい官能」を感じ取った僕の子宮がもの欲しげにきゅーっとなって、内ももがふるふると震えてしまうほど、…要は僕の体は彼のそのセリフに渇望的な興奮を覚えてしまっている。
「…はは…思い出しちゃったんでしょ、昨日のえっち…」
「……、…、…」
昨日、ハルヒさんのこれに僕…たくさん精液を、なかに注がれて…――だが、こんなに太くて大きいの…昨日、本当に僕のなかに全部入っていたんだろうか? そ、そんなはず……。
「ふふ、もちろん入ってたよ…?」とハルヒさんが僕の耳に、からかうように笑いながら囁いてくる。
「ハヅキのなかに…根本まで、ぜーんぶ…すっぽりね…――だから君の一番奥を、とんとんって突けたの…――まあ、今からもぜーんぶ入っちゃうけど…」
「……、…」
僕の「一番奥」がじわ…と熱く、昨日のその快感をいよいよ鮮明に思い出している。…しかしいくら甘い果汁がにじむほど潤んでもそれはただ熟れただけで、たとえそのまま完熟しようとも、甘い果実の本懐とはそれで遂げられたわけではない。いくら熟れても、愛するひとに貪られなければ果肉を甘く熟れさせた意味がないのだと、僕のそこは知っているようだった。
突き立てられたいと渇望している……ぴくんっと僕の腰がその追憶と期待のもどかしい快感に跳ねたその瞬間、こぷ…と溢れた熱くぬるついた愛液が、つー…とゆっくり僕の内ももを伝ってゆく…――。
「昨日…俺のおちんちんに奥突かれて、気持ちよかった…?」
そう僕の耳にやさしく囁いてくるハルヒさんの両手が、僕の背中をぬるぬると…腰の裏、…お尻…――僕のひくひくとするアナルをぬる…ぬる、と撫でてくる。
「…は…♡ はい…、すごく……きもち、…よかった……」
僕はハルヒさんのたくましい体に抱かれ、自分でも抱き着いたまま陶然としながら――ハルヒさんに喜んでもらいたい一心で――ちょっと大胆に、ぬる…ぬる…と自分の上半身を、彼のたくましい上半身の上で、上下にすべらせてみる。
彼の乳首をころがすように、彼の勃起をくちゅん…くちゅん…とお腹でこするように…――ただそれと当時に、自分の乳頭もくに…くり、と転がってしまって、となれば当然自分も一緒に気持ちよくなってしまう。
「……ん…♡ ――ハルヒさん…、き、気持ちいい…ですか……?」
「…ねぇ…」と僕の耳もとで、彼の鋭い低い声が笑う。
「大好きなハヅキに、そんな可愛くてえっちなことされたら、俺…――けだものになっちゃうよ…? いいの……?」
「……、…」
僕はするりと離れ、ハルヒさんに背を向けた。
……けだもの…――そりゃあ、…僕だってそれを望んで、もちろんわかっていて、――でも、…
「ぁ…あの僕…――我慢し、しましょう…、やっぱり……」
僕はハルヒさんのけだものになっちゃう、というのに、さっと恍惚の熱霧 さえ散らされるほどの、目が醒めるような危機感を覚えたのだった。
……言いしれぬ危機感である。おそらくは僕の内に秘められた、ウワハルの魂からの警告だろうが。――ウワハルはけだものになったシタハル、つまりハルヒさんとこのまま事を進めたなら、どのような結末をむかえる羽目になるのか、どうもそれを知っているらしい。
たとえばこれから確実に迎える夕食の時間、すると自分はあからさまな「(めちゃくちゃに)抱かれた顔」とそのふらふらの体で、家族の前に姿を現わさねばならなくなる――その場では当然あたかも「何もなかった平素の自分」を演じなければならないが、その自分の演技は、何千年を共にする家族の目には見え透いた演技そのものに映るということさえ、経験則から知っている――だとか。
そもそも夕飯の仕度はもう始まっているはずだ。
今夜は誰が夕飯を作っているのかはわからない――日によって母のときも祖父のときも、またもちろんじいやのときもある――が、それの用意が済んだらきっと、誰かしらが僕たちを呼びにここへ来ることだろう。
それならば安全なのは夕飯を終えて、寝る前…ふたりの寝室で、――その安全策を取るに越したことはない。
「す、すみません…、その、寝室でなら本当に何でもします…から、…だから今は、これ以上は……」
「…えぇ…、君のほうからえっちなことしてきたくせに〜〜…。はは…それに俺、もうこんなにガチガチなのに……」
なんて拗ねたふりをしながら笑うハルヒさんは、後ろから僕のことを抱きしめたなり――僕の腰の裏に、ずりずりと硬い熱いものを擦りつけてくる。
「……っ、…」
「俺がもう我慢できるライン越えちゃってるの、ハヅキもわかってるでしょ……?」
そう僕の耳に囁いてきた彼は、さらに僕の内ももを下からつーー…と指先で撫で、…
「…でも…俺知ってるんだよハヅキ……」
「……、…、…」
……ハルヒさんはうつむいた僕の目線の先で見せつけてくる。その泡まみれの手、中指と人差し指、その指先と親指の腹とのあいだに引いている粘ついた糸を…――そして彼は意地悪に笑った声でこう、僕の耳に囁いてくる。
「…君も太ももまで垂らすくらい…こんなに濡らしてること……」
「……っ♡ で、でも…、だ、誰か…来たら……」
「…もー。…いいよ、じゃあ〝洗うだけ〟ね……?」
ハルヒさんは意地悪な言い方でそう言いながら、僕の手からするりとボディタオルを抜きとってきた。
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