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 先ほど僕の頬を両手で挟みこみ、その両手でやや強引に顔を上向かせてきたハルヒさんは、あのまま――僕が幸福な快楽に酩酊してしまうまで――たっぷりとキスをしてくれた。  いや、およそこれまでは攻めの設定――最後の最後にミルクを抱くまでは自らキスをしないという攻めの設定――があっては、ハルヒさんはあれで僕とのキスを我慢していたのか、すると彼はこの折にタガが外れたように、とにかく長いこと僕にキスをしてきたのだった。  まずは僕の頬を両手で挟み込んだまま、僕の唇にのしかかってくるような唇であむ…あむ、と力強い獣の咀嚼(そしゃく)の大きな動きで唇を食んでくる彼に、僕はきゅっと目をつむり、ドキドキとしながらも――自分からも積極的にハルヒさんを求めねば、と――つたなく、しかし僕なりに精いっぱい同じだけ強く大きく、大胆に唇を動かした。  僕はその通り、今度は僕がハルヒさんを気持ちよくして、よろこばせてあげたい…――そう切実なまでに思ってはいるのだが、しかしやはりウワハルの「経験(記憶)」をすべて思い出しきれていないために、それを思い出している彼との力量の差をふと思い知らされた。  ハルヒさんはそうして僕とお互いの唇を争奪するような荒々しいキスをしながらも、片手で僕の髪をやさしく()いて撫で、さらにもう片手では爪の背でつー…と何度も、僕の顎のつけ根をかすめ撫でてと、愛撫してきたのだ。 「…ふ…っん、♡ ……ん…っ♡」  くすぐったい…でも、すごく気持ちいい…――。  僕の唇を略取(りゃくしゅ)するような強引なキスと、甘く誘惑するようなそのひとのやさしい両手の愛撫は、性質こそ相反していながらに、いや、それだからこそ僕の心を()して奪い、僕の体を力ない従順なものにした。  ……僕なんかキスに応えるのだけであっぷあっぷだったというのに、さすがその本性、何千年も夫神(おかみ)たる(アメノ)(ウワ)(ハルノ)(ミコト)との慇懃(いんぎん)を繰り返してきた男神(おがみ)天下春命(アメノシタハルノミコト)であるだけのことはある。――しかし、これでハルヒさんにただ諸手(もろて)を挙げてわが身を捧げるだけでは僕の気が済まない。僕は先ほど愛するそのひとを自らよろこばせたい、とそう決意したのだ。  ということで、僕もハルヒさんのその貪ってくるような唇を必死に食みかえしながら、両手でそのひとの耳や頬を愛撫し、ときどき彼の髪を五本指で梳いた。…とはいえそれはなんの趣向もない、正直単なる見よう見まねではあったのだが――すると僕の撫でていたハルヒさんの頬はざわりとさざなみを浮かべた。  その手ごたえは嬉しかった。  ただ、そのうちに僕の頬を愛撫していたハルヒさんの片手がふっとどこかへ行った。――その後すぐにわかに、僕の膣内で小刻みに振動していたバイブが、振動はそのままにヴィヴィヴィヴィヴィと速い小範囲のピストン運動を始めた。 「…ンっ…!♡ ッぁ、♡ ぁ…っ♡」  僕はその快感に思わずハルヒさんの鎖骨のあたりに顔を伏せ、彼の胸板の上にゆるい拳を二つ置き、小さく身を縮こませた。  そのピストン運動は、通常のバイブのように先端のいくらかが伸び縮みするようなものではなく、平たい底から細かく突き上げてくるような上下運動だった。――すなわちそのバイブがピストン運動をはじめると、僕の膣口はもとより膣内の全体が小刻みに縦に高速でこすられた。  だが……そのバイブの上下運動の範囲は体感ほんの一センチもなく、かろうじてそれの先端が触れているような触れていないような、という程度であった奥の子宮口付近への刺激は、ちょんちょんちょんと高速でソフトタッチされるようなものでしかなかった。  するとそのバイブから与えられるのは、全体的にフェザータッチに近しいくすぐったいような刺激ばかりで、それによって少しずつ高められはするが、といってそれは絶頂への決定打になり得るような快感ではなく――要するに終始焦らされているような感じで、だのにその快感は速度がはなはだしいために、僕の思考や動作の自由を瞬時に奪うには十分なものでもあったのだ。 「…は…っ♡ は、♡ ……ぁ、♡ 止め……!♡ 止め…って、♡」  と僕はハルヒさんの鎖骨のあたりで喘ぎながら頼んだが、そうした僕をぎゅうっと抱きすくめた彼は、意地悪に笑いながらこう聞いてきた。 「…ふふ、そんなに気持ちいいんだぁ…。ねぇ…じゃあハヅキのなか、今どうなっちゃってるの…?」 「……は、♡ ……っ、…」  それには僕の唇が自然きゅっとむすばれた。  僕は今の自分の状態、いや、今の自分の膣内の状態を口に出して説明することは羞恥心からはばかられた。…だが、迷っていたわけでもない。  それを口にすればハルヒさんはきっとよろこんでくれる――興奮してくれる――ことだろうし、何より彼はそうしたちょっと恥ずかしいことを僕の口から引き出したいのである。…だから僕は快感から少し上ずった、濡れた吐息のような声でこう言った。 「バイブに…なか、……ぉ…おまんこの、なか…全部、こすられて…♡ …は、♡ …ぉ、く…、…っポルチオも、つんつんされて、ます…♡ きもちいい、けど…焦らされてる感じ…♡」  それもハルヒさんをよろこばせたい一心で、僕はあえて恥ずかしい露骨な単語を織り交ぜ、それを打ち明けた。  すると彼は「ふぅん…」と得意げな返事をし、…カシャンと無情にもバイブのリモコンを、おそらくキッチンの作業台の上にでも放り捨て――止めてほしいと僕は頼んだが、どうやらしばらくはこれの動きを止めてくれる気はないらしい――、それから僕の両頬を大きくあたたかい手のひらで包みこむと、く…とまた僕の顔を上げさせる。  ……ハルヒさんはそのくっきりとした二重の線があでやかな伏し目、黒い長いまつ毛の下でかげる真紅の支配的な瞳でじっと僕の目を見下げながら、顔を火照らせたままはぁ、はぁと呼吸を荒らげている僕の濡れた下唇を、親指の腹で左右にゆっくりと撫でつつ、僕にこう命じた。 「今からまたキスするけど…――恥ずかしいからって目、つむっちゃだめだからね…? 俺の目を見つめてて……、わかった……?」 「…は、♡ …、…、…」  僕は眉尻が下がるほど恥ずかしい気持ちになり、胸が――そこと通じる陰茎や子宮も――きゅうーっとなったが、それでもコクコクとハルヒさんに頷いて見せた。  ……するとそこからのキスは、これまで以上にすごく刺激的なものとなった。  まずハルヒさんはわざと勿体つけて僕の羞恥心をあおるように、――僕の目をじっと見つめたまま――かなりゆっくりと顔をかたむけ、ゆっ…くりとその半開きの唇を、僕の唇に近寄せた。 「……、…」 「…はぁ…♡ はぁ…♡ はぁ…♡」  焦らすように唇を近寄せただけで止まった彼の、その真紅の瞳は恐ろしいほど威圧的だったので、僕はそのただ至近距離で見つめ合うだけの時間に興奮が増していった。 「キスしたい…?」――ハルヒさんは妖しくからかうようにそう僕にたずねた。 「し…したいです…」  と僕は泣きそうなほど興奮しながら答える。すると優越の微笑をその甘いタレ目にたたえた彼は、やさしい声でこう言った。 「…もう一回言って…?」 「はぁ…は…♡ ハルヒさんと…キスした、んっ♡」  言葉の途中でさっと機敏に唇を塞がれた。  驚いて危うく目をつむりそうになったが、強いて目を開け、従順に僕が見つめているハルヒさんのその紅い瞳が、その瞳の意のままに僕の心を支配した。…僕の唇はさなかも貪られていた。  ときめいてたまらない気持ちになった…――好き、と僕は胸を熱くし、切なく眉をひそめた。 「はぁ…」とハルヒさんは唇を離し、そして僕の唇にこう命じた。 「…思うだけじゃなくて、言ってよ…」 「……、…、…」  その命令すら「好き」を増幅させた。  僕は自分の胸の中で膨らんでゆくその想いが、あまりにも熱く濡れていたばかりにやっぱり少し泣きそうになりながら、彼の目を見つめてこうささやいた。 「す、好き…、…ん……♡」  すると、僕の唇をちゅぷ…と一度食んで離れた彼の唇を、ちゅぷ…と二度目は僕も食んで、しばらくお互いの唇を唇ではさんだまま、そのあとゆっくりと離れ…――見つめ合ったまま――すると僕はなぜか、はぁはぁとしながら「ぁ…♡」と声をもらした。  たしかにバイブは僕のなかで、絶えず震えながら小刻みな上下運動を繰り返していたが、それ以外別にどこを触られたわけでもなく、ただ見つめ合いながら比較的おだやかなキスをしていた――ただそれだけのことだったというのに、僕は甘い声をもらすほどやたらと興奮してしまったのだ。  ましてや僕の見上げているハルヒさんの伏し目は、ぞくっとするほどどこか厳しく監視するような目つきだった。 「舌を出して…」と声というよりなまめかしい低い男性の吐息でハルヒさんが言ったので――ぞく…とその声にまで興奮しながら――、僕が彼と見つめ合ったままおそるおそる舌先を下唇よりやや外へ出すと、その舌先はハルヒさんの舌先にれるれると舐められる。 「……は、♡ …、…、…」  この近距離で、目を見つめられた、まま…――僕はためらいがちにも舐め返した。  ちなみに彼の唾液はほんのりと甘くておいしいし、何より唾液まで極ほんのりと白檀の甘い良い匂いがする。ましてやにゅるにゅるとやわらかくぬるついた舌を舐め合うのは、とても官能的な気分がつのる気持ちよさがあった。だから僕は夢中になって彼の舌を堪能した。――ただ…見つめ合いながら舌を舐めあっている、というこの妖しい官能的な緊張感は、さなか何度も僕に目を伏せてしまいたくさせた。 「……、…、…」  なんだか…すごくいやらしい感じだったからだ。  それで僕の上まつ毛は羞恥にふるふると震えたが、それでも僕はハルヒさんの据わった真紅の瞳を見つめつづけた。――そのままはぷ、と舌先を唇ではさまれ、ちゅう…ちゅう…とやさしく吸われると、ぞくぞくと僕の腰の裏から背すじへ妖しい快感のざわめきが駆け抜けた。  ……そうして僕がふるる、と震えると、ハルヒさんのタレ目が冷ややかな満足に微笑した。  彼はねっとりと僕の瞳に、その紅い瞳の執拗な視線を絡みつかせて捉えたまま、自分の太い舌で僕の舌先を出している唇をもっと大きくわり開き、僕の舌の前庭部分を何度もにゅるん、にゅるんと舐めまわしては引いていった…――僕も子宮からこみ上げてくるキュンとしたときめきに震えながら、またゆるみがちな両目をじわりと潤ませながらも、じっと彼の目を見つめかえしたまま、彼の舌をわずかにつき返すようにして舐め返した。――するとしばしば僕たちの舌のあいだには、太い唾液の糸が引いてはたわんで落ち、それは僕と彼の胸やお腹にボタと落ちて、そこを濡らした。  それだけでもひどくいやらしい感じがして僕は興奮したが、さらにハルヒさんは淫らにもその唾液を惜しがるように、しばしば僕の唇はもとより唾液まみれの口のまわりや膝をかがめて僕の胸もと、お腹をまですすり、興奮した犬のようにべろべろとなめ回してきた。…いや、そこに垂れた唾液を舐め取ってきた、というほうが正しいのだろう。 「……ん、♡ ……っふ、♡」  当然僕は感じてしまった。  ……が、なんならそればかりか、ときどき気まぐれに、僕の乳首を縮まった乳輪ごと舐め回してきたり(すす)ってきたり、ぬるぬると指の腹で唾液を塗りこんできたり――僕は固くむすんだ下唇の裏を前歯で噛み、眉を寄せ、ふるふると震えながらこらえていたが、それでもいよいよ、 「………ッん、♡ ぁ、♡」  と思わずピクンッとしながら小さい声をもらすと――ハルヒさんは興奮したのか、それとも少し征服欲がそそられたのか、…僕の黒レースのオープンブラジャーの三角のすき間や谷間、つまり胸板やそこの中央、それとお腹に、次々とキスマークをつけてきた。  いや、床に膝をついて僕の内ももにまで…――。 「ぁ、♡ …だ、だめ…♡ …キスマーク……♡」  ……僕はそのとき口では彼をそうたしなめたが、そのくせ上機嫌な猫のように、喉をぐるぐるぐるぐる鳴らしてしまっていた。…恥ずかしいランジェリーまで着てのこんなプレイを、のちのち思い出させるだろうキスマークをつけられていることより何よりも、自分のその「正直さ」のほうがよっぽど恥ずかしかったのは言うまでもない。  ――ちなみに僕は別に意図してこれを鳴らしているわけではないのだが、今僕がこれ以上ないほど幸せであることや、また幸せな快感を得ていること、そして何よりハルヒさんが大好き、という気持ちでいっぱいだからだろうか、するとまるでもともと僕の体にそなわっている生理現象かのように、僕の鼻腔や喉はぐるぐると小刻みにくすぐったく振動して、そのぐるぐるとした音を立ててしまうのだった。  するとハルヒさんは僕を見上げ、その甘ったれたぐるぐる音に悪戯な少年のようにニヤリとしながら立ち上がると、――今度はいたずら心がそそられたのか――僕の両頬を撫で、僕の目をその意地悪な微笑をたたえた両目で見つめながら、僕の唇に唇を寄せ……しかしその二つの唇をギリギリ触れ合わせてはくれず、…  僕はおもわず眉を寄せながら、たまらなくなって自らハルヒさんの唇を食もうとした。しかしハルヒさんは笑ったまま逃げる。…何度迫っても彼は逃げた。  僕はそのもどかしい切なさに耐えきれず両目を細め、ハルヒさんのニヤリと細まった両目を見上げたまま、その悪戯な弧を描いた珊瑚色の唇にこうささやいた。 「…キス…したいです…」  しかしハルヒさんはニヤニヤとしたまま、キスしたいなら僕にこう言えというのである。 「…〝ハヅキは、大好きなハルヒといっぱいいっぱいキスがしたいんだにゃん〟…でしょ…?」 「……っ、…」  僕の眉尻が恥ずかしさに下がった。といって今度も迷いはなく、僕はコク…コクとおもむろにうなずきながら、甘えたささやき声でこうおもねた。 「は、ハヅキはぁ…♡ はぁ…はぁ…♡ だいすきなハルヒと、いっぱい…いっぱいキスが、したいんだにゃん……♡」 「うーかわいい…、ほんとかわいい、ハヅキぃ…♡ んーいい子いい子…♡」  するとハルヒさんは嬉しそうに――しかし悶えるように眉を寄せて――にこっと笑い、僕の頭をなでなでとしながら、僕の額にちゅっとキスをした。それか桃色の舌をちょっと出す。  僕はもう…とハルヒさんの意地悪に興奮しながら、少しのつま先立ちをし、はぁはぁと上ずった呼吸を繰りかえす唇を彼の舌に近よせた。――そしてハルヒさんの輝く真紅の瞳を上目遣いにじっと見つめたまま、彼の舌をぺろぺろと舐めた。…それからちゅぷ…とその舌先に吸いつく。 「…んん…♡ ふ…♡ …ふ…♡ ――はぁ…♡ は…♡」  そしてまたぺろ…ぺろと彼の舌を舐めていると、また唾液がしたたり落ち――ハルヒさんの目を見つめ、自分から彼の舌を舐めているといういやまさるその淫靡(いんび)な感じのキスに、つま先立ちの姿勢もあっては自然と僕のなかがきゅーっと締まった。するとなかで震えながら小刻みに上下運動するバイブからの快感も強まり、「ぁ、♡」ぴくっと僕の腰が跳ねたのと同時、 「んむっ…!♡♡」  ニヤッとしたハルヒさんはそんな僕の腰を強引に抱き寄せると、自分の硬くなったものを僕の下腹部に押し付けながら、斜めからなかば強引に僕の口内へ押し入れた舌で、僕の舌の前庭を長いことなめ回しつづけ――やがて僕の舌の根本からその舌で捕らえると、僕の後ろ頭を押さえつけ、僕の唇をはみながら、ほとんど僕の舌を繋縛(けいばく)するように舌をまとわりつかせて、そこからはもうなかなか離してはくれなかった。  ……が…それが不満どころかむしろ喉をぐるぐる鳴らしている僕も自然と、風にしなるやなぎの枝のようになめらかな動きで唇をはみ返し、舌を絡めかえした。――その絶え間ないキスに僕たちの唇のあいだからは唾液がしたたり落ち、お互いに上半身どころか、もう太ももの前あたりまでいよいよどろどろだった。  ハルヒさんはそのまま息をつく暇も僕にあたえず、それこそ彼の舌がにゅるりと退陣していったのを、唇を離すべき合図だと思った僕が顎を引こうとしたときも、しかし彼は僕の唇にさっと食らいついて逃さず、あむ…あむと僕の唇を揉みしだくようなキスをまたしてきたのだ。――たとえ数ミリであってもふたりの唇が離れる隙を断固与えない彼の攻勢のキス、僕はハルヒさんのその『逃さないよ』という獣のような機敏さにドキッとしながら、そそられたままもちろん拒むでもなく、自分からもまた貪るように唇を動かした。 「……んん、♡ ……ん…っ♡」  さなか、僕はハルヒさんの胸板をそ…と撫でる。  しっとりとしているあたたかいなめらかな肌が唾液に濡れ、なにか普通よりもっと官能的なぬるぬるとした感触がある。――厚く膨らんだその胸筋がぴくんとした。  ハルヒさんも乳首が勃っている――僕はぬるぬると唾液を塗りこむようにそこを指先でこね回しながら、ハルヒさんの唇を食みかえしていた。  ただハルヒさんの手が、ややあってから僕のその手をそっと下げ…――自分の猛った勃起に導くのにまたドキッとさせられながらも、僕は素直にそこを彼のやわらかい下着の上から撫でまわした。 「……んん…♡」  すごく、硬い…♡ 僕とのキス、だけで…こんなに硬くしてくれたんだ……。  ……どうしても喉がぐるぐる鳴ってしまった。  ただ、そうして僕の手を勃起に触れさせてきたあたり、僕はハルヒさんももうそろそろ「次のステップ」に進みたいのかと思ったのだが――ところがハルヒさんは、その後も長いこと僕の唇を捕らえて離してはくれなかった。 「……ん、♡ …は、♡ はるひさ…んっ♡ ぁん…♡ んんん…――♡♡」  唾液にねちょねちょと擦れあう触れ合っているお腹や胸の肌、それとハルヒさんの手が触れてくる場所――たとえば腰を上下に撫でて、腰の裏を撫でまわして、お尻を揉んで、肩をくすぐって、髪を梳き、顎のつけ根をかすめて、――それもいちいちぞくぞくと気持ちがよく、何よりもちろん離してくれないそのやわらかいが力強いなめらかな唇、そのにゅるにゅるとした熱くややざらつきのある舌、…すると後半はもううっとりとしすぎて目をつむっていたせいもあるか、僕は次第に全身の重量がすこしずつ頭頂から抜きとられてゆくような、幸福な浮遊感をおぼえはじめた。  これはある種のトランス状態とでもいうか、もみ合っている舌や唇、それと愛撫されている場所や触れ合った肌が気持ちいいのはもちろん、もはや酒に酔ったときの一番気持ちいいときのようなふわふわとした、指先までしびれてあまりもう感覚のないような、地に足を着けているという実感のないような、…それでいて僕の体がどうなろうと必ず支えてくれるだろう、ハルヒさんの大きな頼もしい体が「そこに在る」という幸せと安心感から、僕は手放しにその幸福なふたりきりの浮遊感を楽しんだ。  そうして僕がとろとろになるまで、長いことキスをしたのち――?  ……また、キスをした。  今度はハルヒさんはキッチンの作業台に置いていたコップから、何も言わずに口移しで僕に水を飲ませてくれたのだった。  ひと口ずつ、彼の口からひんやりとした水が僕の口の中にそそがれ、喉を甘ったるく潤してゆく――それも僕にひと口水を飲ませるごと、彼の上からのしかかってくるような唇は、僕の唇を力づくで押さえつけるように間断なく食み、僕が彼の唇を舐めようと出した舌先さえ挟んで締めつけ、ときどきちゅーっと吸い上げてくる。  そうしてなめらかな唇の表面にややひんやりとした水の薄膜をまとわせているハルヒさんの唇が、上から僕の唇に覆いかぶさるようにして重なり、そして僕の唇をしぼり上げるかのように荒っぽく、力強く、僕の唇を食んでくると、 「……ん…ぅ、♡ ――…♡♡♡」  僕の内ももに、つーー…と愛液が伝ってゆく。  この長い長いキスのあいだに僕のなかはどうしようもなく濡れ、挿入されたままのバイブをも蓋にはならずして、愛液が溢れてしまったのだった。そして僕の黒い猫の尻尾は歓びにピーンッと上に伸びきり、そして僕の喉のぐるぐる音は大きくなった。  そのようにして、ハルヒさんの口移しでコップ一杯の水を飲み終えたのち――やっと今、 「……ッんふ、♡ …ん…っ♡ ん…っ♡」  ……僕はハルヒさんの勃起したものを、一生懸命じゅぽっじゅぽっとしゃぶっていた。  というのも――

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