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さらさらさら……とこの部屋の白い天井から下へ、このワンルームがくずれ落ち流れる砂、あるいはノイズのようなおだやかな滝となってみるみる溶けてゆく――すると僕の大正浪漫的な自室があらわれる、いや、その部屋の内装にみるみると戻ってゆく…――すなわちハルヒさんが展開した「神域」が解除されてゆく。
……すると僕の面前、白い壁と壁かけの液晶テレビとがくずれ落ちさった場所に、天井にすずらんを模したシャンデリアが取り付けられている仕事ゾーンをへだてた遠く、草色のかけ布団がかけられた赤茶のアンティーク調のシングルベッドの横腹や、同基調の豪奢なタンス、クローゼットなどが現れる。
つまり僕たちは今漫画本や小説やCD、フィギュアなどがおさめられた壁一面の幅広の棚の、その前に置かれているこのロココ調ソファ、この飾り彫りがされたつややかな赤茶の木枠が草色の布をふちどっているソファの上、先ほどと同じ状態――騎乗位の体勢――を取ったまま(ただし僕は今棚に背を向けている)、いうなればこうして僕の自室に帰ってきたようである。
そして神域が解除されたともなれば当然、ふと見下ろした先、僕が身につけていた衣服も今や元どおり、というよりかは、僕は今ボタンが全て開けはなされた黒いパジャマのシャツ一枚の姿に、…またハルヒさんも白いTシャツを上に一枚着ているだけ、という状態になっている、…のだが…――。
まさか神域が解除されたからといって、それが「終わり」の合図であるはずもなく……ハルヒさんは怒ったような顔をして僕を見上げながら、僕の尻たぶを鷲づかみ、下からずちゅずちゅずちゅと突き上げてくる。
「ぁ、?♡ はっハルヒさ、♡ ぁ、♡ あ、♡ あ、♡」
僕はにわかなその猛攻に眉目を強ばらせ、とっさにぎゅっとそのひとの首に抱きついて、そうして下からの衝撃にガクガクと揺さぶられてしまう上体をなんとか支える。――しかしそうした猛撃をしてくる当の彼はそのさなか、その唇を僕の耳もとへ寄せてきて、やたらと余裕のあるサディスティックな低声 でこうささやいてくる。
「ふぅん…ハヅキ、俺でオナニーしてたんだ…。もしかして…――寝てる俺の隣で……?」
「……っ! そ…っれは、♡」
僕は図星を突かれてビクッと怯え、肩を縮こませた。――もっともそれは先ほど、(勢いのまま、うっかり口を滑らせたに過ぎないにせよ)他でもない僕自身が彼に暴露してしまったことではあるのだが。
……しかしそれをわかっていてもなお、僕は揺さぶられながらもほとんど無意識のうち、
「ちが…っ、あ、♡ ぁ、♡ んっ…♡ ちっ違うんです、そ、それはその、それは、♡」
と羞恥まじりの後ろめたさから違う、なんてつい弁解しようとしてしまった。が、そうした明らかな言い逃れの姿勢は、およそハルヒさんに更なる――サディスティックな――追求の好餌 をあたえるだけではないかと、僕はすぐに後悔した。
…ものの…――。
「はぁ…」と息を切らしながら、突き上げの動きを止めたハルヒさんは、
「後ろ向いて…?」
と僕の耳もと、ささやき声で指示してくる。
「…え…? ……、…」
……僕は存外追求されなかったことに内心ちょっと驚きつつ、おそるおそると抱きついていた彼の首から離れ…――すると汗ばみ、火照った顔でやたらとやさしげに僕へ微笑みかけてきたハルヒさんに、なぜかふっと嫌な予感がしつつも…――ソファに着いている両膝に重心をあずけながら太ももを立て、一旦彼の勃起したものを膣内からにゅるん…と抜きとった。
「…ぁ……♡ ……、…、…」
するとそれにさえぞくぞくとして声がもれ出てしまった。――だが彼がいなくなったなかが、たちまちもの寂しい空虚感を焦燥なかばに訴えかけてきて、ひくひくとしている。
寂しい…早くまたハルヒさんで満たしたい……そうぼんやりと思いながら、僕はひとまずソファから下りては、彼の指示通り体をかえし――彼に背中を向け――、床に両足を着けたままお尻を後ろに突き出すようにしつつ、膝を曲げて腰をかがめ、そうして後ろから再度、そのひとの勃起した陰茎を片手で立て、それの先端をひくひくとしている自分の膣口にあてがう。
……そしてそのままお尻を沈め、ぐぷぷ…と彼のものをぬかるんだ膣内に挿し込んでいく。
「んっ…!♡ っふ、♡ …〜〜〜っ♡♡♡」
僕は左手で口もとを強く押さえこんだ。唇の端にほのあたたかい結婚指輪のつるつるとした硬さが食い込むほど、…ひとたび神域が解除されると――いうなれば、仕事のためだの、呪われているからしょうがないだのという理由付けをもって、性に開放的になることを許されていた「設定」が神域とともに解除されると、それがあってこそ大胆になれているところのあった――僕はまた臆病な、声ひとつ出すのも何かしらはばかりを感じるような精神状態になっていた。
ただハルヒさんの恥骨にお尻が着くと、僕は彼の両膝を掴んで、――命じられたわけでも、また求められたわけでもないというのに――ぬちゅ…ぬちゅ…とお尻を上下させはじめる。
「は…♡ は…♡ ……っ♡」
きも、ちいぃ、♡ と僕はそっと目をつむる。
ハルヒさんのカリのでっぱりが、奥のほうの肉をくん、くん、と引っかくこの快感――とん、とん、と敏感な奥が、彼の亀頭に優しく突かれるこの快感――膣口や浅いところの性感帯を、その太さで圧迫されながらずり、ずり、とこすられるこの快感…――きもちいい…♡ きもちいい…♡ きもちいい…♡
「は…♡ ふ…♡ ふぅ……♡」
……体がうずいてたまらないのだ。
もっとハルヒさんが欲しい、もっと彼とえっちがしたい、という僕の体の発情した疼 きは、どうも「呪い」など関係がなかったらしい。――もちろん今自ら腰を動かしてこの快感に耽溺している、というのに羞恥心を感じないでもないし、声を出さないようにと意識しているところもあるのだが、それにしても腰が止まらないのだ。
「…ふ…♡ …ふ…♡」
そうしてぬちゅ、くちゅ、と腰を上下させる僕のお尻がつぎに彼の恥骨に触れた、そのときであった。
「…自分で気持ちよさそうに動いちゃって、ほんとかわいいんだから…、……」
と言いながら、ハルヒさんの両手が後ろから僕の腰をしっかと掴む。ドキッとした僕は、その両手の固定的な力にもまして、ある期待感からなかば自らの意思でも動きを止めた。
……しかしハルヒさんは、そのままめちゃくちゃに突き上げてくるかと思いきや、
「……っ!?」
下から僕の太ももを両方抱え、そこをがぱっと開かせながら――、
「言い訳したお仕置き……」
「…ゃ、…は…ハルヒさ……っ」
僕の体を軽々と持ち上げつつ、立ち上がる。
それにはかああーっと僕の顔どころか、頭皮から耳から、いや、もはや全身が燃えさかるように熱くなってゆく。
……というのも、…もちろん別にこの部屋に他の誰がいるわけでもないのだが、この体勢――いわゆる「背面駅弁」――ともなると、僕の前向きになかば勃起した陰茎はもちろん、今彼の勃起が刺さった僕の膣口までもがあらわに晒されている状態となってしまっているのだ。
しかも…――。
「ゃ…っ! や、やめ…だめ…だめ、ハルヒさん、やめて、」
僕はぞっとしながら慌てて制止を試みる。
ハルヒさんがその恥辱の状態のまま、この部屋の出入り口である扉のほうへ歩いていっているのだ。それも悪いことに、その扉は今半開きである。――迫りくるその危機的状況に、僕の胸中では激しい動悸が起こり、また僕の今熱すぎるほどの全身には脂汗がわき出てくる。
「……おね、がい、やめ…――っ!」
怯えながらかぶりを振る僕だが、…しかし無情にもキィ…と片足で扉を開いたハルヒさんは、そのままこの家の薄暗い――等間隔に足下の壁あたりに照明の灯された――廊下へ出、出てすぐのところでぬちゅっ…ぬちゅっ…と抜き差しをはじめる。
「…は…っ!♡ …ッ♡ ふ、♡ っふく、♡」
僕はぎゅっと目をつむりながら、両手で口もとをとにかくぐっと押さえ、必死に声を殺す。
ここには僕ら以外の誰の目があるわけでもないが、それはあくまでも「まだ」としかいえないことだ。
なぜならこの家には同居している家族がいるからである。するといつその「誰かの目」が僕たちに、こんな恥ずかしい格好をしている僕に、あらわになっている僕の恥ずかしいところに触れるかわからない――それもそれを見るかもしれない相手とは十中八九、一番こんな姿など見られたくない、僕の大好きな家族のうちの誰かなのである。――僕はそれを想像するだけで、今にも泣き出しそうなほど恥ずかしく、また焦りと恐怖に半泣きで忍びがたくなっている。
「で、何が違うの…? 自分で言ったんでしょ、俺でオナニーしてたって…――俺にちゃんと教えてよ…。君はどこでどうやってオナニーしてたの……?」
とハルヒさんが今になってやっと、僕の耳もとでやたら優しい声での「追求」をしてくる。
「は、♡ ぅ、♡ み…見ら、れちゃ……っ、だれかに、見られちゃぅ、…」
しかし僕がそれに返答するよりも先決と思えてならないのは、こんな誰が来るかもわからない廊下で、こんな何もかもがあらわな状態でいること――その状態から逃れることであった。
「やめ…、やめて…おねがい、恥ず、かしい、…です、っおねが…っど、どこかに、入って、せめて……っ」
むしろ僕は今そのことで頭がいっぱいで、自分がハルヒさんを想って自慰をしていたか否か、それの方法やら場所やらだなんて、それを明らかにする言葉などちっとも思い浮かばない。
「…ちゃんと答えないと部屋に入ってあげない…」
しかしハルヒさんはそう言いながら、この廊下を歩いてゆく――僕は今目をつむっているが、振動とその足音でそれがわかる――。
「……っ! ゃ…っ、や…おねが…、やめて……」
「ふふ、かわいい…♡」と僕の耳に着けられた彼の濡れた唇が、そのねっとりとした低い声が僕の鼓膜をまさぐる。
「焦ってるハヅキ、かわいすぎ……、もっといじめちゃいたくなる……♡」
「…っ♡ ゃ…、やめ…♡ そ…それ、だめぇ……♡」
僕の脳をまさぐりながら浸食してくる、そのハルヒさんの低声という凄艶 なねっとりとした蜜に、僕は腰がぞくぞくぞく…とさざめいてしまう。
「おまんこきゅんきゅんさせて…、ふふ…答えてくれたらすぐ部屋入るってば…――ほら、どうなの…? 俺の隣でオナニーしちゃったの……?」
「……ふ…ッ♡ 〜〜〜っ♡♡」
僕はコクコクとうなずき、それを肯定した。
しかしハルヒさんはそれでは許してくれなかった。
「ハヅキ、早く言わないと階段まで行っちゃうよ…?」
「……っ?」
……僕は薄目を開けて、現在位置を確かめた。
ハルヒさんのそれは単なる脅しではなかった。
「……、…、…」
体がぶるぶる震えてしまう。
その通り――僕たちは今もうすでに、ちょうど寝室の扉の前にいるのである。
僕の自室を出て曲がり角を曲がった先、まっすぐの廊下にならぶトイレ、浴室、そして寝室の扉――そして現在位置は寝室の扉の前であるので、ここから目と鼻の先に階段の踊り場がある。
するとこの位置では、…すなわち僕は今、たとえばすぐそこに見える階段の踊り場に今誰かしらが現れたなら――今三階から誰か降りてきたり、あるいは一階から誰か上がってきたなら――「全て見られてしまう」危機的状況に置かれている。
それも残酷なことに、僕は今その踊り場のほうに体を、つまりあらわな場所をまっすぐに向けさせられている――それどころか、ハルヒさんは持ち上げている僕の太ももをぐっとより左右に開き、僕の陰茎やその結合部をよりあらわな状態とする。
「やめ…っ! は、♡ は、♡ だめ…だめ、ゃ……ぁ、♡ …ぁ…ッ♡ …ふ…ッ!♡ 〜〜〜ッ♡♡」
……その状態でぬちゅぬちゅぬちゅと激しく挿抜の運動をくり返すハルヒさんに、僕はすぐにまたぎゅっと目をつむりながらうつむき、また両手の下に押さえ込まれた唇をもぎゅっと固く結ぶ。
僕の前向きの陰茎がぷるっぷるっと小さく縦に揺らぐそのひやりとする感覚、さらには今あらわになっている自分の膣口を彼の硬く太い勃起にこすられる、その快感がやたら鋭敏に感じられる。意識してしまっているせいである。
しかしハルヒさんは後ろから僕の耳もとで、こうからかうように指摘してくる。
「…ふ…ハヅキのおまんこぎゅうぎゅう締まってる…――誰かに見られちゃうかもって興奮してるの…?」
「……ッ!♡ ち、ちが……っ!」
違う…と僕はなかば甲高くしゃくり上げながら、極力ひそめた声でこう否定しつつかぶりを振る。
「違う、違うんです、はず、かしぃ…から、♡ おねが…やめ、て…――み、見られたら…こ、困ります、からぁ、♡」
……だが、ハルヒさんに指摘されるまで自覚はしていなかったのだが、たしかに僕はこの危機的状況のなか、膣内をぎゅっぎゅっと締めてしまっているし、その実ふたつの乳頭までピンと尖らせている。――ハルヒさんは僕の耳もと、ねっとりとした甘い蜜っぽい声でこうささやいてくる。
「じゃあ正直に言って…? ほら…、言わないとそのうちほんとに誰か来ちゃうかも…――ううん、このまま一階 に降りちゃおうかなぁー…?」
「…ッ! ひ、…し、しました……っ」
僕は観念し、ぎゅっと目をつむったままコクコクとうなずき――ゆさゆさと揺さぶられながら、ぐちゅぐちゅとなかを激しくこすられながら――ほとんど吐息を練りあげたような小声で、こう告白する。
「し…しました、♡ ぉ…オナニー、しま、した…♡ 寝てるハルヒさんの隣で、こっそり、♡ ぉ…おまんこ、くちゅくちゅ、してまし、た…っ♡ ――貴方のかっこいい体とか…おまんこのなかに入ってきた、貴方の、長い指…とか…――は、ハルヒさんをおかずにして、♡ お、オナニー…し、してました……っ♡」
「…俺が大好きすぎて…?」
「…〜〜〜っ♡♡」
僕は泣きそうになりながらコクコクコクと頷く。
するとハルヒさんは嬉しそうに上ずった声でこう僕の耳にささやいてくる。
「はは…、かわいいーハヅキ…♡ ――やっぱ俺とえっちしたかったんだね、君も…――それなのにごめんね…? 俺気が付かなくって、それも寝ちゃって……」
それから「よいしょ…」と僕の両足を廊下の床に下ろし――僕がそれにホッとしたのもつかの間、
「……っ!? は、ハルヒさん、?♡ こ…こじゃ、」
彼は寝室の扉横の壁に僕の上半身を押しつけると、後ろからパンパンと腰を振ってくる。――それも僕の脚のつけ根を両方引き寄せ、僕のお尻を突き出させるハルヒさんとの体格差によって、僕は今あさくともつま先立ちになるほかなかった。
そして僕は壁に両手をつき、額をそこにこすりつけながらふるふると首を横に振って、か細い声で抗議する。
「ぁ、♡ っやめ…♡ こ、ここじゃいや、♡ ハルヒさ、っん♡ ゃ…っ♡ …ッぁ、♡ …ふ…ッ!♡ …ッ!♡」
しかし、僕のお尻にパンパンと恥骨を打ちつけてくるハルヒさんは、
「だって…声必死に我慢して恥ずかしがってるハヅキ、かわいすぎるんだもん……♡」
と言うとおり、やめてくれる気はないらしい。
それどころか僕の腰を掴んで強く引き寄せ――ぐううっと奥、子宮を押し上げてくる。
「ふク…ッ!♡ 〜〜〜ッ♡♡」
子宮、♡ おちんぽでぐうって押すの、だめ、♡
「どこがだめなの…?」
しかもそう聞きながら、ハルヒさんの片手がぐりぐりと僕の子宮を上から押してくる。
「ァ、♡ やっ…!♡ だめ、♡ だ…だめ、♡ ぁ…っ♡ あぁ、♡ だっ…!♡」
そうしてぐりぐりとしながら、パンパン、ぱちゅぱちゅと僕のお尻を恥骨で叩き、そうしてなかからも外からも奥を責められてしまうと、
「は、♡ ぅ、♡ …ッん、♡ んゥ、♡ だめ…っは、はるひさ、♡ あ…っ♡ あ…っ♡ おねが、♡ おねがい、♡ こんなの、は、恥ずかしぃ、です……っ♡ 誰かに見られたら、♡」
僕は泣きながらやめて、とは言いつつ、ついつい嬌声をあげてしまう。が、それでもハルヒさんは「なか外」を責めるのをやめてくれない。
「んー…? どこがだめなのって……?」
「ひ、♡ そ、そこっ…♡ ひ、し、子宮…っ♡ ぐりぐりしながら、突くのだめ、ぇ……っ♡」
……するとハルヒさんは「あーそっか…」とわざとらしく納得しながら、ぐりぐりとこね回すのはやめてくれ、僕の腰をまた掴む――が、パンパンと腰は止めてくれないどころか、より強く腰を打ちつけてくる。
「あっ…!♡ ぁ、♡ だめ…っ♡ あぅ、♡ おねが、なかで、」
「はは、何…? 中出ししてほしいの…?」
「ちがっ…!♡ んっ…♡ おね…っがい、部屋の中…」
「そんなことより…しーー…。だめだよハヅキ、声我慢しないと…、聞かれちゃうかも…――君のえっちな声聞いて、誰か来ちゃうかもーー……」
「ひ、♡ ん、♡ ぅ…っ♡ …ッ!♡ …ッ!♡ …ッ!♡ …〜〜っ!♡♡」
荒々しい快感のあまりに気がゆるんでいた僕は、また必死に声をこらえはじめたのだが…――のんきにも僕の体は、ずんずんと深く強く迫られている僕の子宮は、まもなく快感の極地へ到達しようとしている。
「…ッ!♡ …ッ!♡ ふ、♡ …ッふく…ぅ、♡」
ぃ…イッちゃ、♡ …イッちゃぅ、♡
イッちゃうイッちゃうイッちゃう…――っ!♡♡
誰かに見られるかもしれないのに、♡ こんなところで、…恥ずかしいのに、♡ ――ィ、♡♡
……ッあぁもうだめイく、♡♡♡
「ッひ、♡♡ …――〜〜〜っ!♡♡♡」
……僕の臀部がビクンッ! と大きくはずむ。
ビクッビクッとお尻を軽く突き出しては丸めるように、僕の下腹部からお尻までが痙攣している。――ィ…っちゃ、った……♡ と僕は、恥ずかしさのあまり壁に額を押しつけて顔を隠し、肩を小さく狭める。
「は、♡ は、♡ ……ぅぅ、♡」
「あーあ。ふふふ…」
と呆れたようなハルヒさんは、――当然僕の絶頂をわかってはいるはずだが、――僕の背中に覆いかぶさるようにして僕の耳に唇を寄せ、こう少し笑いながらからかってくる。
「…イッちゃったの…? やらしいなぁハヅキ…――恥ずかしがってたわりに、こんなところでイくくらい気持ちよくなっちゃったんだ……?」
「……ふァ、?♡ …や、♡ …んん、♡ く、〜〜〜っ!♡♡」
それも彼、「こ こ で…」と僕の――痙攣している敏感な――子宮を上からぐりぐりと押してくる。
恥ずかしい……もはや「やめて」だの「ここじゃ嫌」だのという僕の抗議は、この絶頂によって説得力を失ってしまったような、そんな気がする。
……しかし、はぁはぁと呼吸を荒らげているハルヒさんが、後ろからぎゅう…と抱きしめてくる。
「はは、なんてね…。大丈夫だよ、誰も来るわけないだろ…? 夕飯のときに俺、ちゃんと誰も来ないようにって駄々こねておいたし…――今夜は母さんとフツじいも、一役買って出てくれたんだし……」
「……、…、…」
僕は普段ゆるふわぁ…なハルヒさんのその口調が今、やたらと男っぽいそのギャップにドキドキとしつつ…――そういえば確かに、と思い出す…――そもそも「若夫夫の(性)事情」を察している父母、祖父とじいやはともかく、たしかに夕飯のとき、彼は(ノンデリ)ロクライさんに、今度僕たちの住居スペースであるこの二階に勝手に入ったら許さないと(もう一緒に寝てあげない! 遊んであげない! など、やたら幼児らしい脅し文句ではあったが)釘を刺していたし、また母も今夜はロクライさんがここへ邪魔しに来られないように、と祖父をつかった策を講じてくれていたのだった。
……それも見たところ、それらは案外ロクライさんには効果ばつぐん、というようであった。
「……なんだ、…はぁ……」
そうか…――僕は本気で泣きそうなくらい焦ったが、…まあ可能性はゼロではなかったにせよ、ここに誰かが来る、という可能性は、少なくとも普段より今夜は低かったのだ…――その上で、つまり、あくまでも他の家族にこれを見せないつもりでハルヒさんは、あたかも「誰かに見られちゃうかもよ」なんてその臨場感だけ楽しむような、こんないじわるをしてきたというわけである。
……まああくまでも可能性はゼロじゃなかったんだが(何なら今もなおゼロではない)…とホッとしつつもやはり多少ハルヒさんを憎らしく思っている僕だが、ここで僕の顔を横向かせたハルヒさんが、あむあむと唇を食んでくる――それも後ろから僕の胸板を、乳首ごと両手で撫でまわしながら――。
「…ぁ…、…ん…♡ ……んん…♡」
と、…我ながらチョロいが、即座に頭がとろぉんとしてしまった――ほだされた――僕は、そっと目をつむって彼の唇をはみ返し…たが――しかしにゅるんと僕の唇から口内へ、舌を押し入れようとしてきた彼に、僕は顎を引いてそればかりはこばむ。…そして目を伏せ、ふるふる…と小さく顔を横に振る。
「……で、でも…やっぱり、ここじゃ嫌、です…。可能性はゼロじゃないから……」
「…ふふ…ハヅキ、顔まっかっか。かわいー…、…それもそうだね…――じゃあそろそろ、寝室 入ろっか……?」
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