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 僕は寝室の扉の前、一旦僕のなかから抜け出たハルヒさんにおどろくほど軽々、ひょいっと横抱きにされた。  そのまま開かれた扉の先、ちょろちょろと穏やかな水音ばかりが流れる真っ暗な――といっても、大きな広いベッドヘッド上の丸い飾り窓の奥、上からののどかな太陽光を模した照明に照らされている桜の盆栽や、ベッドの左右に立っているスタンドにぶら下げられた行灯(あんどん)(あか)りばかりの――寝室へ、…そうして白黒のかけ布団がならんだふたりのベッドまで運ばれたなり、僕はどさっとそのベッドの手前――黒いかけ布団の上――にやや荒っぽく下ろされたが、 「……っ! は、……、…、…」  それとほとんど同時、すかさずハルヒさんに組み敷かれた。  僕は目を伏せ、また斜め下へ顔を伏せながらも、まるで(うな)りもせずその眼光とむき出しの(きば)ばかりで威嚇する獣のような威圧感、その物言わずして僕の動きを封じこめ、縛りつけてくる憤怒(ふんど)にも近しいほどの威圧感を上からハルヒさんに押し付けられ、それによるある種の期待まじりの緊張感から、ドキドキと胸を高鳴らせ…ていたが――しかしそれもつかの間、 「……んっ、?♡」  上からのしかかってくるような彼の唇に、大きく、力強く唇を食まれ――そうしてまるで荒々しくまさぐられ、暴かれるようなキスをされる。 「……っふ、♡ …んん、♡」  その整然とした秩序など――社会におけるChiHaRuとしての面影など、あるいはそうでなくとも、ハルヒとしての少し抜けたところのあるおっとりとした愛らしい性格、そのひとの優しく、慈しみ深く、思慮深く、つつしみ深い男性としての理性など――どこにも感じられない、彼のその本能が欲するままの獣のようなキスは、僕に息つく間をもあたえない。 「っふ、♡ …ッく、♡ …ッ♡」  そうした激しく一方的なハルヒさんの唇のうごきに翻弄されつつも、僕ははみ返そうと何とか唇をひらくが、しかしその次の瞬間にはもうその唇を唇ではさまれ、とらえられてしまうせいで、もはやはみ返すことさえかなわない。――とにかく一方的だった。僕の唇が欲しいから貪っている。僕がその唇を動かそうが動かさまいが関係ない。ただ喰らいたいように喰らうだけ…――そうした無遠慮なキスのさなか、ぐんっと彼の勃起が一気に、なかばまで僕のなかへほとんど無理やり押し込まれる。 「ん゛んっ…!♡ …ク…ッ♡ 〜〜〜っ♡♡」  そのままぐぷぷぷぷ……と入ってくるそのひとの太く硬い勃起に、僕の下腹部は突き出され――腰の裏が浮き――、しかし、そうしている間にも僕の口内には彼の舌が、強奪をほしいままにする無頼(ぶらい)(かん)のごとき荒々しさで闖入(ちんにゅう)してきて、――その暴力的な勢いに茫然(ぼうぜん)として怯え、従順におとなしくしている僕の舌を強請(ゆす)るよう、角度を変え舌の表裏を変え、もみくちゃというほどめちゃくちゃにべろべろと舐めてくる。…それは僕の舌がそのひとの暴力的な舌のうごきにまくれ上がり、ねじれ、先端を右往左往させられるほどの身勝手な強引さがある。   ……しかしハルヒさんは僕の両方の手首を、僕の耳の横あたり――黒いかけ布団のへりあたり――にぐっと押さえつけながら、 「んっ…!♡ …ッは……♡」  つーー…と引いてゆく舌先から唾液の糸を引かせながら唇を離し、至近距離、僕のことを据わった両目で見下ろす。――なお、まだこの寝室の暗闇に僕の目が慣れていないせいもあり、僕が今見上げている彼の表情は判然としないものの、しかしそのひとの紅い瞳には――神ゆえか――溶岩のように妖しい紅やオレンジやの光の筋がうごめいているため、僕の目をじっと見つめてくる彼のその瞳ばかりはこの暗闇の中でもよく見える。 「……は、…は、……」  思わずその妖しい二つの瞳を見つめてしまう。  そうして僕と見つめあっているハルヒさんのその真っ赤な二つの瞳は、まるで内側で溶岩がうごめく神秘的な貴石かのように大そう美しいが、それでいて何か、魅惑的な魔力を秘めた秘宝のごとき危険な暗い艶気を帯びている。――そして彼のその恐ろしい力がある目に魅せられたまま見つめている、ただそれだけで僕の奥がきゅんきゅんとときめき、そこにじわりと熱い愛液がわき出てくる。 「ハヅキの奥、俺の亀頭にちゅうちゅう吸い付いてくるんだけど……」  とせせら笑うように言いながらハルヒさんは腕を立て、監視するような鋭い冷ややかな目つき――しかしその紅く光る瞳には、煮え立つ溶岩ほど燃えさかる劣情が宿っている――で僕をじっと見下ろしたまま、…ぐぽぐぽぐぽと凄まじい勢いで僕の奥を突き上げてくる。 「…ッ!♡ …ッん、♡ ぅ、♡ ぅ、♡ …ッ♡ …っは、ハルヒ、さ…っ!♡」  僕は眉をひそめ、両目を細めながら彼を見上げる。  僕への気遣わしい優しさを捨てて、ただ僕を喰らうだけ、ただ僕を喰らいたいだけの「男」に変貌したハルヒさんに、正直僕は少し困惑していた。――ただもちろん、彼のその攻勢に徹した獣の姿は僕が望んだ通りのものであり、僕としては身も心もとろかされるようなほど悦んでいるところがある。が、 「……は、♡ …ッん、♡ …ッふ、♡ …ん、♡ ん、♡ …ッぁ、あの、♡」  僕はゆさゆさと縦に揺さぶられながらきゅっと目をつむり、斜め下へ顎を引く。 「ごめ…っなさぃ、…む、無理、させてませんか、僕、…は、♡ …ぼっ僕が、のっ望んだから、って、…」  なお僕が今どもりがちなのは動揺などのせいではなく、いや、ある意味では「動揺」のせいなのだが、パンパンとハルヒさんの恥骨にお尻を激しく打たれるその衝撃、その揺れのせいだった。――そして僕が今に言いたいことというのは要するに、僕のことを恐ろしいほど大切にしてくれる優しいハルヒさんは、僕が彼に荒々しいセックスなんぞを望んでしまったばかりに、僕の望みならばと無理をして、こうした獣の本能むき出しの男を装ってくれているのではないか、ということである。 「……は…?」  と低い反問をしながらハルヒさんが動きを止める。…僕は目をつむったまま、更に詳しくそのことをこう説明する。 「……あの…だから…、ぼ、僕が…貴方にたくさん求められたいだとか、荒々しく犯されたいだなんて…望んでしまったから…――だからハルヒさん、僕のためならって…――つまりその、…僕のために、貴方に無理をさせてしまっているような気がして……」  僕はそっと目を開けたが、伏し目となり、自信のないか細い声でこう続ける。 「無理しなくていいですよ…。…すみません、無理な我儘(わがまま)を言ってしまって…――優しいハルヒさんも、僕は本当に大好きですから……」 「ハヅキ、まさか()()()()()()()()()って言ってんの…?」  ……僕はそのハルヒさんの呆れたような低い声にあわてて彼を見上げ――やはりこの暗さではそのひとの表情はよくわからないが――、ふるふる、と小さく顔を横に振る。 「え、ぁあいえ、別にそういうわけじゃなくて…、あのただ、別に無理して僕に合わせなくていいというか、僕の願いを何でも叶えてくださる必要はないというか、…とにかく、貴方に無理はさせたくな……」 「無理って何…?」――そうボソリと不機嫌そうに聞きながら、ハルヒさんはパンパンパンパンパン…と恐ろしいほど速く僕の奥を突きはじめる。 「ぁ、?♡ …ッ!♡」  僕はずんずんと下から迫ってくる彼の勢いにまた縦に小刻みに揺さぶられながら、思わずまた目をきゅっとつむり、斜め下へ顎を引く。 「…ッん、♡ …ッ!♡ …ふ…ッ♡ …ふく…ッ!♡」 「なんで声我慢しちゃうかなぁ…、……ねぇ…」  ハルヒさんの唇が僕の片耳に触れる。彼は僕の両肩を裏からつかみ下げ、依然どちゅどちゅどちゅと浅く速く僕の奥を突きながら、 「ハヅキ勘違いしてるけど…――俺君が思ってるよりも全然優しくないから…、ふ、…何度も忠告してあげたはずなのになぁ、〝俺も男なんだからね〟って…――わかる…? 俺、ずっと綺麗なハヅキをこうしてめちゃくちゃにして、いじめてやりたかったの…。間違えたら壊れちゃいそうなくらい細くて小さい君の体こうやってガンガン揺さぶって、儚くってものすごい綺麗な顔した君を、…こうやって、壊れるくらい。…でも我慢してたの、ずっと…君に嫌われたくなくて……」 「…ッ!♡♡ …ッん、♡ …〜〜〜ッ!♡♡」  まっ…!♡ ぃ、イッちゃ……っ!♡♡  ハルヒさんが僕の耳をねっとりと愛撫するような吐息と声で言っているその内容もさることながら、何よりこの勢いで迫られてはたまらない。  僕の両のかかとがくんっと上がり、それでもつま先でベッドをかろうじて捉えながら、ぶるぶると震えてしまう両方の内ももで、ハルヒさんの腰――素早く前後運動している腰――をはさみ込み、そうして自然と内またになってしまう。絶頂をこらえているためだ。  そしてすがるよう彼の二の腕をつかむ――たくましく太い、熱く濡れた彼の生の二の腕を。彼はいつの間にかTシャツを脱いでいたのだ。  ……しかしここでハルヒさんがずりゅ……っずりゅ……っと動きの幅を大きくし、べろーー…と僕の首筋を何度か舐め上げてから――僕の耳もと、命令の圧を込めた低声でこう言う。 「イくならちゃんと〝イく〟って言えよ…」 「……ん、♡ …ッふ、♡ …ご、ごめんなさい…」  と僕はとっさに小声で謝った。謝っている自分に感じてしまい、なかをきゅっきゅっと締めながら――そしてはにかみながらも彼にこう従う。 「ぃ…イき、ます…♡ ィ…っィ、ッちゃぃ、ます……♡」 「ハヅキは今から誰のちんぽにイかされんの…?」 「……、…、…」  僕は声になっていない、わずかな吐息で『ハル…ヒさんの、おちんぽに……』と答えた。 「聞こえない」  としかし冷たい声で言いながら、ハルヒさんがぐりぐりと亀頭で僕の子宮口をこすってくる。 「…っはン♡ ンっ…♡ は、♡ ハルヒさんの、ぉ…おちんぽに…イかされます、♡ ぃ、今から…っ♡」 「…え…? 俺はハヅキのなんだっけ…、ハヅキ、誰だけのものなんだっけ…――〝夫の〟を付けなきゃ駄目でしょ…?」 「……、…、…」  じっくりと僕のなか全体をこすりながらそう囁きかけてくるハルヒさんに、僕はぽーっとした快楽をはらんでいる羞恥心に唇をふるふると震わせ、思わず言葉を失ってしまった。  しかしこの羞恥責めに正直脳で感じてしまっている僕は、ややあって陶然としながら従順にこう応えた。 「……はぁ…♡ は…♡ 僕はぉ…夫の、…っん、♡ 夫のハルヒさんのおちんぽに…もうすぐぃ、♡ イかされま…っす、♡」  言わせながら乳首ピンピンしないで、♡♡  が、そのさなか、ハルヒさんが僕の硬くなった乳頭をピンピンと指の側面ではじいてきたのだ。……ハルヒさんは「えー…?」と僕の耳の穴の間近で甘ったるく笑うと、はぁー…と僕の耳の中に湿った熱い吐息を侵入させ…――ぞくぞくぞく…と震えた僕の腰を掴みながら、上体を起こす。 「ふーん…ハヅキは俺のちんぽに、おまんこの奥ガンガン容赦なく突かれてイかされちゃうんだ……?」 「…はい…」 「一生。」 「……は、…はい…♡ い、一生…ハルヒさんのおちんぽで、容赦なくイかされ…ぁ、?♡ ふ、♡」  にわかに僕の腰を無理やり持ち上げ、パンパンパンとまた「容赦なく」奥を責め立ててくるハルヒさんに、僕は上体を揺さぶられながらもなんとかまくらの端をつかみ、さらに眉目をひそめながら唇をぎゅっとむすぶ。 「…ッ♡ …ん、♡ ん、♡ …ッふ、♡ …〜〜っ♡」  が、 「何度も何度も言えよ、…〝僕は夫のハルヒのちんぽに容赦なく子宮突かれてイかされます〟って、〝一生〟、」 「…ッ!♡ ふ、♡ ……っぼ、僕は夫のちんぽに、♡ んっ…♡ よ、容赦なくっ子宮がんがん突かれて、イッ…♡ イかされます、♡ あっ、♡ あんっ、♡ ぁ、♡ いっ一生、♡ 一生僕はこのちんぽでイかされます、♡ 一生、一生夫のハルヒのちんぽにまんこガン突きされます、♡ ――僕は夫のちんぽに容赦なく子宮突かれて、♡ あぁっあ…!♡ あ、♡ あ、♡ あ、♡ いっイかされまひゅ、♡ 一生、一生夫のハルヒのちんぽにまんこイッ…イかされましゅ、♡」  言いながらだともはや声を我慢することもできず、ましてやこのセリフをくり返しくり返し口にすること、その自分の声がつむぐセリフがパンパン、ぐちゅぐちゅというみだらな音とともに聞こえること、さらにみるみる迫ってくる絶頂の危機感――高まってゆく快感――、それらは僕の頭をおかしくなるほど恍惚とさせてゆく。 「こんな清楚な顔した大人しそうな美人のくせに、そんなやらしいこと自分で言っちゃうんだ…最高――ふふ…ハヅキ、じゃあ今夜は何回俺のちんぽでイく?」 「……へ、♡」  何回って……しかし僕が答えるまでもなく、ハルヒさんは独断的にこう早口で決めてしまった。 「百回? 百回ね。百回イけよ。――今夜はハヅキが百回イくまでやめないから…」 「…ひゃ…っ!?♡ あっ、♡ あっ、♡ らめっそんな、僕こわれちゃ……っ!♡♡」  百回イけ…――そのサディスティックな命令は、僕の腰をビクンッと跳ねさせた。…そんな無謀な回数は、いくら絶頂すなわち快楽とはいえ想像するだに苦痛を感じる。だというのに、僕の体ばかりはそうした魅惑的な危険な責め苦に歓んでしまっているのである。  ……さらにハルヒさんは「ガン突き」しながら、あの「ゆるふわ」の影もないはっきりとした男の口調でこう言った。 「自分で壊してって言ったんだろ。…ねえ、死ぬほど俺のちんぽでイかせて、ハヅキのまんこちゃんと俺のちんぽの形にしてやるから。そもそも他の男のちんぽなんて絶対ハヅキのまんこに挿れさせないけど、もはやバイブだのディルドだのですらイけない、俺のちんぽじゃなきゃイけない体にしてやるから。わかった?」 「ぅ、♡ うぅ、♡ うぅぅ…〜〜〜っ♡♡」  何、それぇぇ…♡♡♡ ――僕の腰が悦びにへこへこ、ビクンッビクンッと波打ってしまう。が、身もだえているせいで返事をなまけた僕を叱るよう、ぐっぐっと僕の子宮を上から押してくるハルヒさんが、 「わかった?」  と再度、威圧的に声を荒らげる。 「ぅ、♡ ぁ゛……ッ!♡ ひゃ、はい…っ♡ ゎ、わかり…〜〜〜っ♡♡ ひ、♡ ゎ、わかりまひた、♡ 僕のぉ、おまんこいっぱいイかせて、ハルヒさんのおちんぽの形にしてくらしゃい、♡ ぃひ、♡ イッ…!♡ ――イきま、♡ イッちゃ、♡ あぁ、♡ はるひさんのおちんぽで子宮イきましゅ、♡ イきましゅイきましゅ、♡♡」 「いいよ。イけよ、ほら。俺のちんぽでイけよハヅキ…、イけイけイけ…」  すると僕の太ももを抱き寄せたハルヒさんが「イけ」と言うたびパンパンパンパンパン…と高速で奥を責め立ててくる。と、 「ぅ、♡ うァ゛、♡ ――〜〜〜っ!!♡♡♡」  僕の腰がビクンッ…ビクンッと大きく、しなるように上下に浮いたり沈んだりと跳ね、ビクビクビクと痙攣する。――が、…絶頂している僕のなかから抜け出たハルヒさんは、そうして痙攣している僕の体を転がすように四つん這いにさせ(なお僕は腕に力が入らず、それも頭を下げている形ではあるが)、 「ンっあぁぁ…――っ♡♡」  後ろからずぷんっとまた挿入してくると、僕の腰を掴み、パンッパンッパンッパンッと容赦なく腰を振り――絶頂の波も収まりきらない僕の敏感な膣内をずちゅずちゅとこすり、さらには、いまだひくひくと痙攣している奥をずんずん突いてくる。 「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡ ひ、♡ まってィ、♡ イッて…!♡ だめ、♡ イッてまひゅ、♡ ゃ…っイッてる、から、♡」 「何言ってんの? ハヅキは今夜中に百回イかなきゃいけないんだから、休んでる暇なんかないでしょ。」  しかしそう冷ややかにのたまうハルヒさんは、僕の上半身がゆらゆらとするほど力任せに腰を振ってくるのだった――

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