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126 ※微

「……、は…――。」  僕はいつの間にか閉ざしていたらしいまぶたをそっと開け――その普段ならなんでもないはずの動きにさえ、今の僕の上まぶたはどうもふるふると震えてしまうのだが…――、はたと僕を組みしいているハルヒさんの顔を見出した。  僕を見下ろしていたハルヒさんは眉尻を下げ、ちょっと泣きそうな顔をしながら「ごめん…」と沈んだ声で謝ったなり、僕の体に覆いかぶさってきた。そして僕の首もとに顔をうずめ、 「ほんとごめん…、俺やりすぎちゃった…――だから我慢してたのに、…ぁ違うの、…ハヅキを責めてるんじゃなくて、俺、――俺…、…ほんと、ごめん……っ」 「……?」  え…いや、僕は今…何に謝られ……?  ここでふと気がつく。僕の顎先にあるハルヒさんの頭頂部、その銀髪からは甘いシャンプーの、少し湿ったようなにおいがする。  ……なお、僕の膣内に入ったままのハルヒさんの陰茎は、もう多少勃起がゆるまっているように少し柔らかくなっている。  ――と、いうか……? 「……ぁ、あれ…、…僕……?」  僕の全身の肌が、さらさらと心地よいくらい清潔な状態になっているような…――汗みどろであったはずだが…――それも僕は今、上半身にパリッとした新鮮な何か衣服を……と左手を目の前にかざす。 「……?」  白い…パジャマの袖口、…僕は今パジャマを着ているらしい。――もっともそれは、パジャマのシャツだけのことではあるようだが(いまだハルヒさんがなかにいる僕の下半身は、当然むき出しである)。 「……さっき君、イきながら気を失っちゃって…」  とハルヒさんが僕の首もとで言う。その吐息がそこにかかってくすぐったい。 「だから俺、もちろん終わりにして…、でも汗そのまんまにしたら風邪引いちゃうから、ごめん、だから、お風呂…――ぁで、でも、お風呂ではいやらしいこととかしてないから、ほんとに、…」 「……、あぁ……そうか…なるほど…――ハルヒさん…、僕を洗って……? それは…すみません、ありがとうございました…。……」  ……そう…か、と僕は目を伏せる。  僕…気を失って…――。  僕が覚えている限りの最後の記憶はこうである。  正常位、乳首をちゅうちゅうと吸われながらぬちゅぬちゅと膣内をこすられ、奥を突かれつづけていた僕は、ああして『もう朝になっちゃうから終わりにして』となかばハルヒさんに懇願した――が、彼は僕のそれを無視し、その後も僕のことを何度も何度も酷烈なまでに責めたてつづけ、また幾度となく僕を絶頂へまで引致(いんち)した。  いや、あのときの僕はもはや奥をひと突きされるたび、ビクンッと臀部を跳ねさせる始末であった――そのたび僕の子宮はトクットクッと絶頂の快感を僕の全身に解きはなち、するともはや指先までもが性感帯となって、全身が高熱を出したときのような熱い鋭敏さを帯びていた――ので、 『あぁ、ぁ…♡ イく…♡ イく…♡ イく……♡』  僕はぐったりとしながらハルヒさんにしがみつき、またもはやうわ言のようにそう力ない吐息の声で、絶えずそうして「イく、イく」と繰り返していた。事実もはや「ずっとイッて」いたためである。  ……そしてハルヒさんは動きながらも、そうした僕の、恍惚と力の抜けた顔を嬉しそうにひたすらじっくりと眺めていた。  ただ僕は彼のその嬉しそうな紅い目をじっと見つめているうち、今に間断なく突かれている奥から子宮、そしてその子宮からくーーっと胸までこみ上げてくる、…いや、そこから僕を貫いた鋭い切なさに、ひ、としゃくり上げながら息を詰めた。 『好き…――っ好き、ぁ、♡ 好き、…っ好き、です、好き……んっ…♡』  そうしてすすり泣きながら「好き」と繰り返していた僕の唇を、ハルヒさんは貪ってきた。――僕の想いをその唇でおいしそうに噛み砕き、口内へ入れ、僕の舌とともに舌で舐めころがして味わってから、ごくんっとふたりの唾液とともにその全てを呑み込み…――そうして僕の想いも切なさも何もかもを受け入れてくれるかのような、…彼のそれは激しく、獣らしく、しかしどこまでも優しいキスだった。  ――彼はそのキスのさなかに『愛してるよ』と小声で言って、また僕の唇を食んだ。…僕もそのひとの汗ばんだうなじを両腕で抱き寄せ、夢中で彼の唇をはみ返した。 『もっと僕を求めて、』と僕もキスの合間に泣きながら願った。 『もっと、もっと僕を()して、…もっと縛り付けて、もっと、もっと、…もっと求められたい、貴方に…――もっと愛されたい、』  そして僕のその願いはすぐさま叶えられた。  するとハルヒさんは、僕の両方の手首をベッドに押しつけると僕を激しく揺さぶってきて、何度も何度も僕に『僕は貴方だけのものです』と言わせた。  僕の肉体、精神どころか、魂にまでそれを刻み付けようとしているかのように――。 『ぁ、♡ あっ、♡ ぼっ僕は貴方だけのものです、僕は貴方だけのものです、♡ はぁ、♡ は、♡ 僕は貴方だけのものです、♡ 僕は貴方の、貴方だけの、ものです…――っ』  僕は喜んでそれを何度も口にした。  泣きながら、それでいて笑いながら、ハルヒさんの紅い二つの瞳をじっと見つめながら、恍惚としながら…――イきながら……。  するとハルヒさんは、僕の両手首を押さえつけていた手をするり…僕の手首を撫でながら、僕の無防備な指をからめとり、両手を繋いできた。――またそうしながら、僕の顔におもむろに迫ってきた彼のうっとりとした満足そうな微笑は、やがてはむ…と唇を食まれたことでゆっくりと目をつむった僕のまぶたのせいで、徐々に暗闇に呑まれ、見えなくなったのだ。  だがひょっとすると、このキスがいけなかったのかもしれない。  いや、自分がむかえた失神するほどの絶頂を、僕は不幸なことと位置づけてはいないのだが、…むしろ幸福なことだと思ってはいるのだが。  ただ、少なからぬ「原因」ではあろう。――僕は大好きなハルヒさんにキスをされながら奥を突かれると、快感以上のすさまじい快感、絶対的な幸福でできている快感、恐怖さえするほどの圧倒的な幸福、組み合わさったふたりの全身が異次元のある光に満ちみちた場所で浮遊しているかのような、そうしてふと俗世からふたりで抜け出してしまったかのような、非現実的な幸福感、そうした並外れた幸福感という快感を覚えるようになっていたのだ。 『ハヅキ…――君はほんとうに綺麗だ…』  とハルヒさんは少しも冗談めかさず、僕の唇に真摯にささやきかけた。 『君はほんとうに美しいよ…――俺、君以外はもうなんにも要らない…。なんにも…――愛してるよハヅキ…愛してる…、何よりも君だけを愛してる……』  そして彼はまた僕の唇を唇でふさいできた。――  キスをされながら奥を突かれ、長年憧れてきた最愛のひと――ハルヒさんの僕を愛おしむ紅い瞳に見つめられ、そのひとの低い声で何度も名前を呼ばれ、愛を囁かれ…――そしてまたキスをされて、奥を突かれて……それによって迎えた絶頂、その僕が失神するまでの絶頂というのは、 『……ん…………――――。』  ……たとえば絶叫するだとか、体が恐ろしいほど痙攣してしまうだとか…――てっきりそうした激しいものかと思っていたのだ。  いや、あるいは僕は絶叫していたかもしれない。本当は電流を流された人のように、惨憺(さんたん)たるほど痙攣していたのかもしれない。  ……ところがその自覚は僕にはなかった。  ただある意味では恐ろしいことに、その絶頂はひどく現実離れした感覚のものであった。  なんというか……ふと全ての「現実」が、一瞬にして消滅したかのような幻想的な感覚がした。  幻想的というのが正しくなければ、破壊的、ともいえるのかもしれない。ある意味では死にも近しかったのかもしれない。――ただその「破壊」とは、決して苦痛のともなうようなものではなかった。  かえって、思うと何か全てにおける救済にも近いようだった。  ふと何もかもから解放されたような、悩みや心配事、それからたとえば日々やるべきこと、やらなければならないこと、そういった「現実」までもがふっと一瞬にして消え、どうでもよくなったといえばそうだが、――たとえば、よく悩みを抱えている人にこうしたアドバイスをする人がいるだろう。  悩みを抱えているときは、あえて宇宙の果てしない広大さやいまだ解き明かされない謎、その宇宙の神秘を考えてみると、ああ自分の悩み事なんて宇宙では所詮ごま粒のようなほど小さな悩みだったんだな、と思えるようになると…――いうなればその感覚に近い。  宇宙に存在するブラックホールに、自分の「現実」が吸いこまれていった、というか…――。  うまいこと説明しきれないが――まあひと言で説明すれば、怖くなるくらい気持ちが良かった。  全身の神経、いや、髪の毛の先にまですさまじい幸福という快感がかけ巡り、なおその快感とは性感であり鋭いものではあったが、それでいてただ性感というだけではあきらかに足りない幸福感、まるで一面の薔薇畑の紅い薔薇のつぼみが一斉に開花してゆくかのような、――しかし()()()()()()()なのであった。  僕の全身で無数の薔薇のつぼみがたちまち開花してゆくかのような奇妙な感覚、奇妙な幻覚、その薔薇の花びらが開花してゆくぞわぞわとした感覚があったのだ、そしてそれは確かにわななきが止まらなくなるほどの快感であった。――そしてその非現実的な絶頂のさなか、僕はうまく息もできず、ひ、ひ、ひ、とぶるぶる震えている腹筋でなんとか呼吸をしていた記憶はある。  なお視界における記憶はない。僕はそのとき目をつむっていたのかもしれないし、あるいは気を失いかけていたせいで、そのあたりをきちんと覚えていないだけかもしれない。  ただ、このまま死ぬのかも…だとか、僕はどうなってしまうんだろう…だとか、今僕はハルヒさんにどう見えているのだろう…――ともすればひどい醜態や痴態をさらしているかもしれない――だとか、そういった警戒や恐怖にも近しい怯えたような不安はあり、もしかすると僕はそのときハルヒさんにしがみつきながら、怖い、助けて、と口にしていたかもしれない。  ……しかし、髪の毛の先までそうした快楽が咲きほこってもなおそれでは終わらず、やがて僕の全身は――決して苦痛ではない、むしろ気持ちの良い――炎に包まれ、そのままアイスかバターかのように心地よく極ゆっくり…じわり…じわりと溶かされてゆくかのような……。  そして……そのまま僕は「溶けていって」しまったのである。――もちろんそんなのはある種ハイになっていた僕の幻覚に他ならないが、僕の体はその熱い幸福感にとろかされ…――僕の意識もまたそのまま、溶けて消えていってしまった。  ……つまりそうして僕は失神してしまった、というわけなのだろう。  いやしかし、まさかエロ漫画やなんかによくある、(攻めに)抱きつぶされ、イかされすぎて失神する…――などという、ある意味では「幸福な労苦」の羽目に自らがあうとは、つくづくこの三十二年間の(天春(アマカス) 春月(ハヅキ)としての)人生のうち、微塵も予想だにしなかったことである。  ……まあウワハルはしばしばそうした目に合っていたようではあるが。  で、――そうして気を失ってしまった僕を、ハルヒさんはおそらく抱きかかえて浴室へまではこび、僕の体を洗って清めてくれたのち、こうしてパジャマのシャツまできちんと着せてくれた……というわけか。  それも触れてみるにどうやら僕の髪をまで洗い、乾かしてくれたハルヒさんは、見ると今自分も上にだけ黒いTシャツを着ているようだ。僕の首もとに顔をうずめている彼の肩がそれの半そでに包まれている。  何というか…――ものすごい甘やかされている、というか……僕はへらっと笑いながら、しかし多少の申し訳なさに眉尻を下げ、彼にこう言った。 「ありがとうございます…――でも重たくなかったですか、その…すみませ…、ん……っ♡」  突然とちゅ、と奥を突かれ、僕はぴく、と腰の裏をかすかに上げた。――しかしそれはハルヒさんが意図したことではない。  彼は両腕を立て、僕の顔を見ようとしただけのようなのだ。そしてその動きにともない、腰から上が斜め前へ少し移動してしまったので、すると同時に彼の――勃起が多少ゆるんでいるとはいえ、その程度はあくまでも多少の――いまだ硬さのある陰茎も僕の奥へむけて突き出されてしまい、そうしてそれの先端がこつん、と今僕の奥にやさしくぶつかった。  だが、それはいわば「事故」だったのだ。  現にハルヒさんは僕を見下ろして目を大きくし、眉尻を下げながらあわあわと、 「ごっごめ、…ごめんね、ごめんハヅキ、俺、…あのほら、神氣補給しなきゃだから、それで挿れてるだけだから、…ほんとごめん、…」 「…はは…、大丈夫…ですよ…。はぁ……」  と僕は微笑みながらそっと目を伏せ、少しぼんやりとする。  あれだけの激しい情事からの今、それも失神するほどの絶頂をしたあとともあっては、いまだ僕の体や頬は火照っており、何より意識のほうがまだぽーっと恍惚としている。 「……、…ハルヒさん……」 「……、ん、……ん…? な、何、」 「………?」  僕はとろんと(のろ)い動きで瞳を動かし、つ…と彼を見上げた。なぜかハルヒさんが、やたらおたおたとしているような気がしたのだ。――彼の紅い瞳とはすぐに目があった。 「……、あの、どうか…しました…? 何か、ありましたか…、というか、その……」  その……と僕はまた目を伏せる。  …どうも言及をする勇気はないのだが、…僕のなかで、ドクドクと彼のが…いや、――なぜ…? 「んぇ、? ぁ、ううんっ…あの、…ぁ、な、何かあったとかじゃないんだけど、その、…て、ていうかいいよ先、――ハヅキこそどうしたの、…」  とハルヒさんは、やはりどうも明らかにうろたえている。…が…――僕は先にどうぞ、とうながされたのに甘え、目を伏せたまま、胸もとのパジャマのボタンをつまんでいじくりつつ、こう小声で切り出す。 「ぁ、あの…ハルヒさん…――その…き、気持ち良かった、ですか……?」 「……え、…」  僕の頬に帯びた熱がじわーっと、目もとや耳もとへまでみるみると広がってゆく。僕はつい照れくさくなって口角を上げながら、こう細々とした声で聞く。 「えっと…つまり、…ぼ、僕のなか、…どう…でした……?」  いや、…たしかに僕は先ほど自分でなかを触ったとき、もしかしたら僕のここじゃ、ハルヒさんを気持ちよくしてあげられないかもしれないと不安がっていた。  ……しかし事実あれだけ求めてもらえて、最中にもハルヒさんはしばしば「気持ちいい」と言ってくれたのだ。――だから僕は今、あの不安から卑屈になってこう聞いているわけじゃない。  顔がひどく熱い。が、ふとまたハルヒさんを見上げ、僕は自然と眉尻を下げながら微笑する。 「僕、…僕も貴方のこと、気持ちよく出来たでしょうか…。ただ、僕のなか、自分だとちょっとキツすぎるような気がしていて…、でも多分なんですけど、キツすぎるようならオナニーすればちょっとは…、…あ、もちろん他にも何か、その…改善点とかあれば、僕頑張ります…――で、出来る限り…ですけど…。…はは、だからその、何かありますか…? というか、なんというかその…、僕とのえっち…その、ど、どうでした……?」  なお、僕がなぜこんなことをハルヒさんに聞いているのか、というと……いわくのところ、()()()におけるセックスの満足度を高めるためには、事後こういった次回に繋がる建設的な話は恥ずかしがらずにするべし、とネットにあったからだ。  しかしハルヒさんは赤面しつつもきょとんとしながら、 「な…なんでそんな、…かわいいの、君……?」  とぼそり。 「…え……? ……??」  かわ…いい…? 僕もきょとんとしてしまった。  ――しかし僕はただ、次回のえっちをより良いものにしたい、だからそのために極めて建設的な話し合いをしたい、とこの話題を切り出しただけ…なんだが……かわいい…、何が…どこが、というか…、いやまあ、もちろん悪い気はしないというか…嬉しい。理由はよくわからないが。 「はは…あ、ありがとう…ございます…? それでその…えっと…、どう…でした……?」 「ぁあ、あの、うん、えっと、…」  とハルヒさんは動揺した様子のまま、小首をかしげる。 「い…いや…? 何にも…そんな、改善点なんか一個もないし…、ハヅキのなかは、めちゃくちゃ気持ちいいよ……? めちゃくちゃ気持ちよかったし、今も…いやっ、ていうか、あっあとめっちゃ可愛くってえっちで、すごい…綺麗だったし…――なんていうか、もう最高だった……けど…?」 「…遠慮は、してませんか…? あの、実はこういう話は、次回のためにも遠慮したらいけないんだそうd…」 「遠慮なんかしてないってば、…もう、ほんと最高だった、自信もって、ちゃんと、…」  ……とハルヒさんはなぜか真っ赤になり、目を伏せ、ちょっと泣きそうな顔をして言うのだ。  いや…ただ僕は別に、今は自信がないゆえに「遠慮していないか」と聞いたわけではなく、優しいハルヒさんの性格をかんがみて、念のため遠慮はいりませんよ、むしろ遠慮したら駄目なんです(なぜなら改善点が明らかにならないから)、とそう確かめただけだったのだが。 「あ…そうですか、はは、それはよかった…――あのー…ぼ、僕も、すごく気持ちよかったです…。たくさん求めてもらえて、すごく…すごく幸せでしたし……ありがとう、その…、……」  まあ何にしてもよかった、と僕は微笑んだ。  それからまたふと目を伏せ…――する…する…とパジャマの上から、トクトクとかすかに熱く脈打っている自分の下腹部を撫でる。…今僕のここは何となく重たいのだ。  ハルヒさんが僕のことを際限なく求めてくれた、僕のなかでたくさん気持ちよくなってくれた、僕にたくさん興奮してくれた…――その証拠であるハルヒさんの精液が、今ここにたくさん溜まっている――僕の子宮には今、そうした幸せな重みがあるのだ。  なお、たとえば通常の女性の子宮ならば、創作物によくありがちな「ザーメンでお腹いっぱい」だなんてことは、何度腟内射精をされたところでも、現実にはまず起こり得ない――狭く小さな子宮口をくぐり抜けてそのなかに入りこめるのは、精液そのものというよりかは、ほとんどが極小の精子たちばかりである――が、…しかし僕の子宮の主たる機能は、運命られた夫(神)であるハルヒさんの精液(神氣)をこのなかに溜め込むこと、なのである。  ……すると自分でもその感覚がしてわかるのだが、彼が僕のなかで射精をすると、その陰茎の脈動にあわせ、僕の子宮のほうも彼の尿道口から放たれる精液を、しっかりと子宮内へまでちゅうちゅうと一滴残らず吸い上げている。…動かれたりしない限りは。  だから僕のこの子宮のあたたかい重みは、まさに僕がハルヒさんにたくさんたくさん愛してもらえた――求めてもらえた――幸せの証拠なのである。 「……ふふ…、……」  幸せだ……と僕は自分の下腹部を何度も何度も、くりかえしおもむろに撫でてしまう。  が……ちょっと困って眉尻が下がる。――「謎の可愛い発言」あたりからまあ、なおいちじるしくそうではあったのだが――今もまた僕のなかで、ハルヒさんのがドクドクと脈打ちながら、どんどんまた硬く大きくなってゆくのだ。…なぜか……。

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