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 ざざあ……ざざあ…――。  夜の暗い砂浜に迫ってきては引いてゆく少し泡の浮いた波は、やわらかい泥のような渚に残された俺とハヅキの、ビーチサンダルの底のかたちにへこんだ足跡を、少しずつ削って薄れさせてゆく――。  ――俺とハヅキは今、夜の海の波打ち際を、いわゆる恋人つなぎで手をつないで、のーんびりと散歩しはじめたところだ。  ただ、俺たちの服はもうビチョビチョじゃない。  ……つまり俺たちはもうすでに着替えたってこと。――俺は今赤い無地のタンクトップの上から、黒に黄色いパイナップル柄のアロハシャツをひっかけて、さらに下は、そのアロハシャツとセットのひざ上十センチくらいのショートパンツ(っていうか、俺の身長的にはちょっと丈が足りなくて短くなっちゃったパンツ)を穿()いているし――では今のハヅキの服装はというと、そのネックレスの銀と金の二重のチェーンがかかった白い鎖骨が見えるUネックの、黒い半そでのぴっちりとしたサマーニットを上に着て、それから下には、少し余裕のある白いチノパンを穿いている。  ……実は、ああして俺たちが声を揃えてびっくり仰天したその直後、――タイミングがいいんだか悪いんだか、――ウッドデッキに大股開きで立っていた(フリフリピンクのエプロンをつけた)じいやが、カンッカンッカンッ! とおたまでフライパンを叩きながら、「ウエ様ー! シタ様ー! お夕飯にいたしますぞーー!!」と、…要は夕食の準備ができたから、早くこっちに戻ってきなさい、なんて俺たちに呼びかけた。  すると――俺たちは本当は、すぐにいろいろと話して確かめあいたかったところではあったんだけれども、じいやに呼ばれてしまってはすっかりその機会を失ってしまって…――とりあえず、晩ごはんを食べ終わってからその話をしよう(確かめてみよう)ということにして、「はーい!」なんて声を揃えながらすぐ、じいやの待っているウッドデッキへ向かった。  ……で…ちなみにやっぱ案の定、…ハヅキの礼服(のスラックス)を塩分ミネラルたっぷりな海水でびちゃびちゃにしちゃったことに関しては、じいやに叱られた。  でも、もちろん俺だけが。  それは俺がじいやに事情を説明しながら、ハヅキは少しも悪くない、むしろハヅキはちゃんとそれを気にしてて、駄目って言ってた、でも俺が強行突破しちゃったの、だから怒るなら俺だけにして、俺が無茶したのが悪いんだから、なんてきっぱり言ったからだ。――あと、俺はもちろんハヅキにもその件(プラス無茶をしたこと)は何度も謝った。  ……ただじいやは、俺がちゃんと反省している上で、逃げも隠れも言い訳もせずに、怒られる気まんまんの姿勢でいたからか――俺のそのいさぎよさを認めてくれたらしくて――子どもを叱りつけるパパ的な厳しい顔をしてちょっとたしなめたあとは、「しかしまあ、反省はしているようですからな」と、そのお小言も早々に切り上げてくれた(しかも両親、…というかママにはバレないように綺麗にしておいてくれるらしい)。  ……それでそのあとは(もちろん俺たちはお風呂に入って着替えてから)、三人でビーチのたき火を囲んで、夕飯のロコモコ――ごはんの上に、グレイビーソースがかかったハンバーグと目玉焼きののったボリューミーな丼ぶり的なもの――や、分厚いパイナップルとビーフパティのはさまった肉厚なハンバーガー、カルアポークとかいろんなハワイのごちそうを、それぞれが好きなものを好きなように食べた。――ちなみに、それらは全部じいやがテイクアウトで買ってきてくれたものだけれども、付け合わせのサラダやトマトスープはじいやが作ってくれたものだった。  すごく美味しかった。  しかもデザートには、焼きマシュマロやスモアサンド(焼きマシュマロとチョコレートをビスケットではさんだおやつ)と、パンケーキまで。――そのパンケーキもテイクアウトのものだったんだけど、濃厚なとろっとろのマカダミアナッツソースが一面にたっぷりとかかっていたり、生クリームやいちごのトッピングが盛りだくさんだったりと豪華で、かつ、これも結構ボリューミーだった。  とはいえ男三人だ。案外ペロリだったけど。――ていうか実は俺、一応このカッコよさも含めて売り物だから、普段はあんまりこういう「カロリー悪魔」は食べないようにしてるんだけど(食べてもちょっとにするようにしてる)、…ひさびさに甘すぎるくらい甘いもの食べたら、…思わず高天原に昇っちゃいそうなくらい、美味しすぎたあぁ……。  ちなみに俺はその夕飯のとき、じいやに、さっき判明したハヅキの成長? のことを話そうとしたんだけど…――でも俺が「そいえばじいや…」と切り出したそのとき、すかさずハヅキが『ハルヒさん、まだ駄目、…』と俺に心の声で制止してきた。  いわく、『それはまだちょっと…自信をもって事実だ、と言えるくらいの確証が得られるまでは…』とのことだ。  でも……そもそも今も、俺がじいやに言おうかと心の中で思ったことにそう(心の中で)返しているのに……?  とは正直思っちゃったけど、それに対しても『でも、もしこれが今だけのことだったりしたら…、僕、じいやに(ぬか)喜びなんて思いさせたくないんです…』と返したハヅキは、そもそも慎重派な性格というのもそうだけれども、何より家族想いの本当に優しいひと――俺の素敵すぎる旦那さんなのだ。  いや、そりゃあ俺だってハヅキの旦那なんだし(ふふふ!)、その俺が大事な旦那さんのその優しい想いを尊重しないわけにはいかないでしょ。…ということで、俺は少なくとも今はまだじいやにそのことを話すのはやめておいた(ただ俺が話しかけちゃったからには、じいやは「何でございますか?」と俺の話を待っていたので、俺はてきとうなことを言ってごまかしておいた)。  ……それで、三人で楽しくデザートまで食べ終えたあと、じいやは――もしかすると気を遣ってくれたのかもしれないけれども――ちょっとだけ俺たちと談笑したあと、さて自分は明日も朝早く起きなければならないから、とたき火の始末だけして、そして俺たちをこの夜のビーチに残し、ひとり先に別荘のなかへ戻っていった。  そうしたらもちろん俺たちはこの――聞こえるのはざざあ…ざざあ…という波音ばかり…、途端に静かになったこの夜のビーチで、ふたりっきりになった。  するとそのとき、何となく俺たちのあいだには寂しい沈黙があった。  でもまあ、別にそれは気まずい沈黙ではなかったんだけど――ただ、じいやがいなくなってしまったそのちょっとの寂しさが、どちらともなく俺たちをおもむろに立ち上がらせたのだ。  そして何気なく、自然とふたりの足は波打ち際に向かっていって…――それで、気がついたら俺たちはそのまま、そこに沿って並んで歩きはじめていて…――で、…俺は、お互いに何も言わずに少し歩いたくらいの今、さりげなくハヅキの手を取って、こうして指をからめて手をつないだ。 「……へへ、…」  で、俺は前――まだまだ遠くにある、一応はこのビーチの終わり、つまり一番端っこの低い山肌――を遠く眺めながら、ちょっとだけにやっとする。  ……なんか…愛する旦那さんと手を繋いで、満天の星空の下、ハワイの静かなビーチをのんびりお散歩って…――すごくロマンチックじゃない? 「ふふ…、ふんふふ〜ん…♪」  なんて、思わず鼻歌がワクワクしている胸の底からわき出てくる。  俺浮かれちゃいそう……ううん、正直もう浮かれてるかも。あーでも、お散歩もいいけど、ちょっともうハヅキをぎゅーって抱きしめちゃいたい、…で、そのまま優しくキスをして…――とか、俺はつい考えちゃってたんだけど、――忘れてた…、ハヅキ、もう俺の心の声、聞こえるんだよね…――そう、やっぱり俺のそれが聞こえていたハヅキは今に少し焦って、そういうロマンチックな雰囲気になりきっちゃう前に、なんて、 「あのハルヒさん、キスとかする前にちょっと…お聞きしたいことがあるんですが……」  とゆっくりとした歩調で俺と歩きながら、静かに俺に話しかけてきた。から、 「うん。…そ、白(へび)。」  俺は間髪(かんはつ)入れずに(早くいちゃいちゃしたいから)そう答えた。加えてこう言い添えておく。 「――さっき君、実は龍っていうか、()()()()()()()の。」  ――ハヅキは今、さっき俺が「君はもう龍になれるくらい力を取り戻せた。でも、龍というか…」と言った、その「というか」の先を聞きたがっていたのだ。  で、そう。  実はさっき俺が無茶をしたとき、ハヅキは気を失うその直前に、白蛇に変化(へんげ)したのだ。  つまり厳密にいえばハヅキは、さっきは龍にはなれなかった、ってこと。  でも「まだ」だ。――だってそれは多分、ハヅキがまだ、大きな龍になれるほどまでは力を取り戻せていないせいだから(そりゃあいきなり、一気にそこまでの力を取り戻せるわけもないしね)。  ていうかそもそもウワハルと俺は、はじめからあんなに大きな龍になれたわけじゃなくて、まずは蛇に変化するところからだったし――何ならその蛇状態のことを小龍(しょうりゅう)ともいう。つまり蛇は龍の子ども状態みたいなものなのだ。…だから、俺の言った(順調に神の力を取り戻して)龍になれるようになったんだよ、というのもあながち間違いではないってこと。…ただ――でもそうは言うけど、ハヅキはさっき、白蛇もニシキヘビくらいの大きさのそれになれていたのだ。  それこそ小さな頃の俺たちは、まず五十センチくらいの蛇になるところからスタートだったというのに。――めちゃくちゃすごくない?  ただ、俺はハヅキがその白蛇になったとき――もちろんそうとは思いもよらなくて――あれ、と思った。  それは俺が話しかけても応答がなかった、というのもあるけど――何より、背中に乗っていたハヅキの体重がいきなりふわっと軽くなった感覚があったから、だった。  でもそれも、およそ三メートルくらいの蛇になっていたんじゃ当然だ。そもそもハヅキの体重は六十キロを切っていて、普段から結構軽いほうだけど、蛇にもなったらそれこそ、二十キロくらいの重さしかなくなるからだ。  で…ちなみに、だからハヅキは気を失ったとき、俺の背中からころっ…ボチャッと、比較的小さな音を立てて海に落ちたのだ。――ていうか、もしあのとき彼が俺と同じサイズの白龍になんかなっていたら、それこそその重さで俺ごと海に落ちていたはずだ。だって大体ビル六階建てくらいの大きさ、あるいは別の例えなら、大型の飛行機くらいの大きさがあるんだし(でも俺たちはこれでも若い神だから、実はそれでもちっちゃいほうなのだ)。  ということで――俺のこの考えてることも含めて、「龍というか(白蛇)」の真相を知ったハヅキは、 「…な、なるほど…、…はは、」  とは言いつつ、やっぱりちょっと疑わしそうな笑いをこぼした。  そして彼は「うーん…」と困ったように笑いながら、こう言う。 「…ただ正直僕、気を失ってしまったじゃないですか…。だから実は僕にはその自覚はない、…っていうか、…龍…いや、蛇になったときの記憶は全く…――でも……」  俺は歩く足を止めないまま、ふと隣のハヅキを見下ろした。彼は微妙な笑顔をやや伏せ気味に、歩いている自分の足の先あたりを見下ろしている。 「確かにあのとき、龍になりたい…とは強く思ったんです…、いやなりたいというか、正確に言ったらそのー…――〝今龍になって自分で飛べなきゃ、いよいよ僕は死ぬ〟って……」 「…あ〜〜…、はは、そだよねぇ……?」  やっぱり。…だけど、ごめん。  俺もそんなことだろうな、とは思っていたのだ――だからさっき俺は「怪我の功名」、自分がこんな無茶をしなければ、あるいはハヅキは龍(というか蛇)にもなれなかったかも、って思ったんだし――。  ただそのときハヅキは、もはやその思いを頭の中でも言語化してはいなかった(というか、危機一髪の場面ではそんな余裕もなかったらしい)けれども。 「で…」とハヅキは苦笑しながら、やっぱり足もとのもう少し先らへんを見下ろしてこうつづける。 「…それで多分僕、龍っていうか、蛇になった…? っぽいんですけど…――結局直後に気を失ってしまったみたいだし、…そもそも土壇場でのこと過ぎて、どうやって変化したのかとか、仕方…? というか、そういうのもまだよくわかってませんし…――実際、じゃあもう一回変化してみてと言われたとしても僕…、今出来るか、どうかは……? はは……」 「いや、まあでも、」と俺はハヅキに笑いかける。 「龍にしても蛇にしても、だよ? ハヅキが何かしらに変化できるくらいウワハルに戻りつつあるってことには、変わりないわけじゃん。――だって、ついこの前まで僕は人間だーって確信してた君が、だよ。…ね、すごくない? へへ、むしろ順調すぎるくらいだよ…」 「……そう…ですね…、確かに。はは…」  するとそうハヅキはその伏せ気味の綺麗な顔に、にこっと屈託のない笑みをうかべ――そして、そのあとふとゆるまった彼のその笑みは、どこか安心したようなやわらかさを帯びたのだ。 「思えば本当に、全部ハルヒさんのお陰ですね…――ふふ…それこそ龍…というか蛇になれたのも、ある意味では、あれくらい追い詰められでもしなきゃ僕、龍になろうだなんて本気では思わなかっただろうし、…多分さっきは無理にでも本気で〝なろう〟としたから、なれたんだと思うんですよ…――それに…、…あ、そうだ…」  とそこでハヅキはふと真面目な顔をする。 「それもそうですけど…、やっぱり、どうも僕…これが僕の気のせいじゃなければ、ハルヒさんの心の声が聞こえるようになっているみたいだし…――ほんと、ついさっきまでは全然聞こえなかったのにな…――いやでも…、すみません、ちょっと試してみてくれませんか?」  そしてそうハヅキは()まじめな顔をして、歩きながら隣の俺を見上げた。 「試しに今、心の中で僕に話しかけてみてほしい…というか…」 「…うんうん。いいよぉ?」俺はもちろん、にこっとしながらコクコクうなずいた。  けど、…なんて話しかけようかな? と俺は夜空を見上げる。 「んん〜〜…? …………」 「…ふふ、…まあ、もう()()()()はいるんですけど……」 「……、…」  とことこと歩きながら少し考えて、俺は……あ、そだ。これにしよ(ただし内容にはもちろん「(ふた)」)。  と、そうしてちょっと考えた末、ハヅキに言うことを決めたので、また彼を見下ろして微笑する――ついうっとりした気分になって、ふと上まぶたをゆるめながら――。 「…ふふ……」  そしてそう、どこか子どもを見守るような優しい笑顔で俺の目を見つめ返してくるハヅキに、 「…………」  今日も綺麗だね、ハヅキ…――愛してるよ。  ね…キスしていい……?  ぁでも俺…キスしたら、ちょっと我慢できないかも……。  舌入れちゃうかも。  だって今日はまだ一回も君を抱けていないし…、「三回」、超楽しみにしてるし……。  ……って心の中で俺が言ったら…、 「……、…っあ゛、…」  とハヅキはびっくりしたみたいに目も口も大きく開いて、みるみる赤面してゆきながら、ふっとまたうつむいた。 「あ、あり、…ありがとう、っ今日も、その…綺麗、と言ってくれて、…ただでもあのき、き、キス、…キスはいいんですけど、…しっ……」  で彼はここからぼそぼそぼそ…と恥ずかしそうな小声になる。早口だけど(しかも歩調までスタスタスタ…となぜか速まってるし)。 「し、舌を入れてもらうのもその僕も決してやぶさかではないんですけど…、こ…ここじゃ駄目ですよ、嫌です、…う、海でだなんてそんな…、そんな恥ずかしいですよ、声…声が…声がそのき、聞こえちゃうかもしれないし、じ、じいやに……」 「……? …ねハヅキ…? あのさぁ、俺さぁ……」  あれ…? と俺はきょとんとしながら首を傾げる。 「でも俺…、別に海辺(ここ)でえっちするとは言ってないよ……?」  まあキスはここで(も)したいけど…えっちまでは、さすがにね? 「……んハ゛……ッ!」  するとハヅキがもっとそのツリ目をかっぴらいて、恥ずかしそうな険しい顔になる。――『た、確かに!』  ……で、余計に恥ずかしくなったらしい彼は、カーーーッとみるみる、いよいよ茹でダコみたいな真っ赤っかに――。 「……、…、…」 「あはは、…かわいーー…♡」  もう、俺の旦那さん、ほんとかわいい。  ……ただ俺は、ハヅキの顔を覗き込みながらこう、笑顔のまま言った。 「でも、今はまだキスしないでおくね……?」 「……、…え……?」  するとハヅキは、ちょっと寂しそうな顔をして俺を見た。――とはいえ、俺の「今はまだ」は、そんなに長い時間じゃない。  俺はニコニコしながら、彼にさらにこう言う。 「実はさっき思い出したんだけど……そいえば俺ね、その前にハヅキに渡したいものがあるの……」 「……渡したいもの……? ……、…」  すぅ…と俺を見るハヅキの両目が細まって、じーー…――俺はそれが可愛くって笑ってしまった。 「…あはは、もう〜ハヅキったらぁ…っ、そんなことしなくても俺の心の声は聞こえるよぉ〜。…てか普通にしてて聞こえてたじゃん、さっきからさぁ。…ふふふっ…」  そう、ハヅキは今『渡したいものって何だろう…? 気になる…』と――その「じーー」な細目で、まるで超能力を使うようなイメージで――、俺の心を読もうとしたのだった。 「あ、そっか…、はは、つい…」なんて俺のツッコミに照れ臭そうに笑うハヅキは、『テレビで見るような眉唾(まゆつば)もののテレパシスト、つまりそういう超能力者になったような気分になってしまって、つい…』と、心の中でも照れている。 「はは、」と俺はまた彼のそれに笑う。けど、  ズルしようとした俺の旦那さんをこう甘く叱る。 「ていうか、だーめ。…サプライズなのに、渡す前にそれが何なのかハヅキがわかっちゃってたら、台無しじゃん…?」  まあ、今はそもそも「蓋」してるけど。 「はは、それもそっか。…」  するとハヅキもそう眉尻を下げて笑い、それから彼は何気なくまたふっと足もとを見下ろす。 「ズルは無し。ですね…、…えー何だろう、楽しみだな…、……」  けれども、 「……、……?」  すぐ――『あれ…?』とひたり、彼は立ち止まる。 「……?」  もちろん俺も一緒に足を止めて、ハヅキがきょとんとしながらじっと見下ろしている先に、ふっと目を向けた。

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