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第21話 早朝五時

いつも通りのルーティーンというものは、今まで続けてきたならば大抵身体が覚えてしまう。 どんなに疲れていても、どんなに眠れていなくてもだ。 いつも早朝五時に起きている満月もほぼ丁度くらいに目が覚めた。 なんの夢も見ずに眠れたのはいつぶりだっただろうか、仮眠としか言えない数時間しか眠れなかったのだが、こんなにも身体がスッリした目覚めは久しぶりだった。 その身体のスッキリ感の原因は美月が抜いてくれたからだろう、今そのことを思い出すと、視界の暴力だった、と、そう思いながら暖かいベットから起き上がった。 満月の隣で安定した寝息をたてて眠る美月は眠りにつく前のバスローブのままで、風邪をひくのではと少し心配になる。 それにしても……、空いた胸元と脚の露出が目の保養だが、今の満月にとっては目の毒にしかならなかった。 改めて髪をセットしていない美月は、まだ高校生にしか見えないあどけない美少年のようだ。 「……本当に綺麗な人だ」 こんなに綺麗な想い人が自分の性処理をしてくれたなんて、夢のようだった。 もしかしたら今も夢の中なのかもしれないとすら思う。 「ん……、なんだ満月ぅ、もう時間か」 美月は目を覚ました。 目をこすりながら起き上がる美月は、バスローブが片方の肩からパサリとすべり落ちる。 乱れた姿の美月をさすがに見ていられなくなった満月は目をそらした。 「っおはようございます、まだ五時台です眠っていてください」 そう言いながら寝室を後にする満月を見て美月は呟いた。 「なんだよあいつ。ちょっとぐらい手ェだせよな」

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