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第24話 カーセックスって興味あるか?
部活が終わり、満月は駅に向かって歩き始めていた。
美月と連絡先の交換もまだだったので、連絡が取れずどうしたらいいか悩み、その結果駅に向かおうと判断したのだ。
それに晩と今朝の件もあるので、どんな表情で顔を合わせたらいいのか気不味さもあった。
けれどその気不味さは一気に吹き飛ぶことになる。
見覚えのある高級外車の運転席から顔を出したのは美月だった。
「満月!!おかえり」
満月は美月の腫れた頬を見て声を荒げた。
「美月さん!!……どうしたんですか、その頬?!」
もうすでに夜で辺りは真っ暗だったが、美月の腫れた頬には直ぐに気付いた。
「ちょっとした親子喧嘩だから気にすんな。それより車に乗れよ、今は助手席がいいかなー」
満月の今の保護者は美月なので、そのまま従うように助手席に乗り込むと、アクセルを踏んだ。
「田中にはちょっと仕事頼んでるみたいでさ、俺が運転手。まぁ、俺のほうが運転うまいから眠っててもいいぞ」
確かに美月の運転テクニックは田中よりも上手いように感じた。
「美月さん、何かあったんですか?」
「あー、うん。ちょっと忙しかったかな」
妙に美月は空元気な雰囲気だった。
「しばらく田中は留守だから、二人きりになるかも?大丈夫、俺のじいちゃんがそのうち部下譲ってくれると思うからさ」
美月の祖父は北白川組の会長だ。
暴力団として北白川組会長は有名人でかなりの大物らしく、早朝の車の中で田中が少し話してくれたのを思い出す。
「なぁ、満月はカーセックスって興味あるか?」
「……は?!?!」
美月はとんでもないパワーワードを意図もあっさり言葉にして、人気のない公園の駐車場に車を停めた。
「俺は満月とカーセックスしたい気分」
慣れた手つきで自分と満月のシートベルトを解除すると、学制服のネクタイを引っ張り強引に口付けた。
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