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第25話 気持ちの良い電流

強引に重ねられた唇に互いの歯が当たり、多少の痛みを感じたが、気にすることなく口付けを交わす。 ファーストキスと同様に美月にセカンドキスを奪われた満月は歯が当たったことよりも、重なる深い口付けに戸惑いながらも次第に求めるように吸い付いた。 美月と繋げた唇を伝わってに口内へと唾液が混ざり合う。 彼の唾液は甘い蜜のように感じるのが不思議だと満月は思った。 もっと満月と重なりたい美月は満月の膝にのしかかり、満月も美月の身体を引き寄せ抱きしめる。 「好きだ、満月。俺を抱いてほしい」 「美月さん……」 例え頬が腫れていようが、美月はとても綺麗だった。 「俺も美月さんが好きです」 月明かりの逆光を浴びているため、美月の身体ははっきりと見えないが、赤い鬱血跡が見えた。 今朝にはなかった跡が身体についているということは、自分が学校に行っている時にがあったのだろう。 美月は何も言わないならば無理に聞くことこはしたくないと思った満月は、気にしないよう相手のワイシャツのボタンを外した。 露出した胸元から脇、そして腰を滑るように撫でられて、美月の身体は気持ちの良い強めな電流を流し込まれたように跳ねた。 思う人にこんなふうに触れられた経験がない美月は童貞だと思われる男にこんな反応をしたことに羞恥を感じていた。 「ん……、っあんん」 もどかしい快感が身体中を走り抜けると、美月の口からくぐもった甘いボーイソプラノ調の声が漏れる。 「綺麗です、美月さん」 「あぁっ」 耳元で囁かれた自分よりも落ち着いた満月の声に苛つきを覚えた美月は、反撃と言わんばかりに相手の股間の膨らみを自分の腰で強めに押し当てた。 「みっ、……美月さん」 自身でもかなりのダメージをくらったが、ようやく満月の裏返った声の音程に満足した美月は、自らスーツを乱して露出させた。 その姿を見つめていた満月の息が上がる。 「見てないで、……触れよバカ」 いつも強気で自信満々な美月が恥じらうような表情を浮かべ、それでいてまだ強がっている姿がいじらしく感じた満月は、それだけで理性のトリガーが外れそうになるのを既のところで堪えた。

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