12 / 22
第12話
僕の唇が奪えて?
その言葉に僕の顔が熱くなるのが分かった。
今、……椿は何て言ったっ?!
でも、僕は少し納得できないことがあった。
それは何で『植物は人間に恋したらいけないのか』だった。
「僕は椿が家族で友達なんだ。それ以上に思ってるよ。だから僕もある意味恋をしているようなものだよね?」
「家族の好きと恋は違うと思うけど……」
「そんなことはないと僕は思う。だって最初は好きから始まったんだから!!」
僕は首筋の動脈部分に椿の片手を持ってこさせた。
「僕の僕の心臓の早さを知って」
高鳴る僕の心臓の早さを椿に知って欲しいと思った。
「……早いね」
「だよね?告白されて、好きな相手じゃなきゃ……僕はこうならないと僕は思う!!」
告白されたことは今までに一度、中学一年の冬に女子から。
僕はそのとき何とも思わなかったから分かる。
「椿がいなくなるなら、最後に思いを僕にちょうだい」
「……冬馬」
「思いを伝えるだけじゃダメだよ。何か形にするものを感じないと納得できない!!」
『僕がそうだから』分かる、椿の気持ち。
百%分かるわけじゃないけど、……それでも僕は椿に何かしてあげたかった。
今まで僕のことを見ていてくれたから。
「なら、俺は……冬馬と愛し合いたい。……交わりたい」
「……はい?」
椿は何とても恥ずかしいことを言ってるんだろう、そう思いながら表情を見たらとても真面目な顔付きだった。
「でも、やっぱりいい!!まだ子供の冬馬に無理をさせたくない」
真面目に言ったくせに、したいことを諦めるなんて僕が許せなかった。
だから、
「いいよ、僕はもう子供はやめるから。だからさ、椿の思いを形にしてよ」
売り言葉や買い言葉じゃない、これも僕が椿を思う形だから。
ともだちにシェアしよう!

