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第15話
「……くやしいっ」
「え?」
僕はたまらずに泣いた。
椿は大好きだけど、男相手に簡単にイかされそうになってる僕って恥ずかしい!!
でもさせてあげないと、何も思いが形にならないで椿はただ枯れていくだけなんだ。
僕はイきそうなのを必死にこらえて、あんまり見ないようにしてた椿のおちんちんに手を伸ばした。
「とっ冬馬」
「つばき……ばっかりに、されるのはやだあっ!!」
僕のと違って、大きいし硬かった。
硬い?!
「冬馬、優しくしてくれよ。じゃないと俺が先にイきそうになるから」
「……なんでぇっ?」
なんで椿のおちんちんが反応してるのか分からなかった。
「冬馬が俺のペニスを握ってるだけでイきそうかも」
目の前の椿は余裕がなさそうに笑ってた。
僕はなにもしてないのに反応してて。
……椿は本当に僕を好きなんだ。
それできっと……『エッチ』が終わったら、また人間の椿は消えて……来年には椿の木は枯れるんだ。
椿と触れあうのはこれが最後なんだ。
でも僕はひとときになんてしたくない!!
僕は今度こそ覚悟を決めて、言った。
「……つばきを、わすれられないっ……ぼくにしてよ!!」
一生椿を忘れたくないから、僕は椿を受け入れるんだ。
それが僕の思いの形だから。
「だから……つばき。ぼくを、わすれないでね?」
僕が東京へ行っても、椿の木が枯れても。
「可愛い……可愛い俺の冬馬っ」
椿は僕にまたチュッと音を立ててキスをしてくれた。
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