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第19話
僕には激しすぎる初エッチをしたあと、情けないことに意識を失ったみたいだった。
そのときに、何故か光と会話する椿を夢の中で見た。
『人間に恋い焦がれても何の特にもならない。子孫を残せるわけでもないし、植物のように種を残すことも出来ない。……これこそが罪なのだ』
光は何だか椿を責めているように聞こえた。
その声に椿は諦めたような笑顔でこう答えた。
『……もう俺は枯れるんです。それで俺の罪は消えませんか?』
なんで椿が恋することは罪なの?
僕には椿しか本音で話せる相手がいなかった。
この光が椿を枯れさせる張本人なら、僕も何か言ってやりたくなった。
でもこの光と椿には近付けなかった。
近付けないなら……、僕は大きな声で叫んだ。
「なんで同じ命なのに種族が違うからって恋したらダメなの?!」
『……冬馬?』
『……』
良かった、僕の声が聞こえるみたい。
僕は続けて言った。
「椿は僕のために兄弟ごっこしたんだ、だから好きになっちゃったんだよ!!それならこれは僕の罪でもあるでしょう!!なら……僕にもその罪ちょうだい」
『駄目だ!!』
「僕は……椿が枯れたら、言えない本音を誰に溢せばいいの?僕の一番の好きは椿だもん!!他に溢せないよ」
『嬉しいけど……駄目だ、冬馬。キミに罪なんてない』
「それにね、椿は枯れるのには惜しいよ。……だってエッチが上手だったし、僕はもっとしたい。枯れるのは歳をとってから|じゃないの?!」
『冬馬』
「あんなエッチなこと覚えちゃったから、僕は椿なしじゃ生きていけないよ」
僕は照れながら言葉にした。
椿はなんとも言えない表情をしていた。
光は僕に向かってチカチカ光った。
『……冬馬、お前にも罪はあるな。冬馬は東京の高校に進学する、これがお前への罰だ。この罰を受けるならばオマケに椿を人間として生きること|を許そう』
「受ける!!僕も罰を受けるからっ」
『やめてくれ、神様!!これは俺と貴方の間のこと。冬馬には関係ないだろう!!』
かっ神様ぁ?
この光が神様なの?!
『冬馬、運命は書き換えた。お前の罪を償いなさい』
すると僕の意識はどこか中に消えた。
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