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第19話 猫、絶頂する
唇を食まれて舐められて、ジンジンするような刺激に耐えかねて唇を開いたら、トルスの舌が一気に割り入ってきた。もう何をされてるのか分からないくらいに口の中が犯される。
「ふ……むぅ、んむ……っ、は……む、うぅ……」
下半身はどちゅどちゅといやらしく突かれ、胸と乳首をまさぐられ、口腔は吸われて舐められて、もう頭の中がとろんと融けていっちゃいそう。
「あ……ふ、ああ……ん、あっあっあっあっ、あああっ、ああ……ん」
やっと唇が解放されて息が吸えると思ったけど、気持ち良すぎて空気が入ってこない。
「き、もち、い……トルスぅ……あああっ、あ、好き……っ」
「くっ! もう、無理だ……!」
トルスが思いっ切り腰を振る。
さっきまでみたいなイイトコロを的確に擦り上げるような腰使いじゃなくて、めちゃくちゃに中を突き上げられる。トルスの理性が飛んでるのかと思うとすごくすごく嬉しくて、そんな乱暴な刺激でも信じられないくらいに気持ちが良い。
気持ちいい。
気持ちいい。
好き。
トルス好き。
「ああ……っ、あ、あぅ、ひっ、あ、トルスぅ、もっとぉ……!」
「ちくしょう、可愛い……! ローグ、すぐにイカせてやるからな」
トルスの手がぼくの陰茎を擦り高めていく。すでに先走りをたらたらと垂らして震えていたというのに、そんなことされたら……!
「ひあああぁっっっ!!! あ、あ、むり、あっ、イッちゃう!!!」
「俺ももう、我慢できない……! このまま、中に……!」
「ああ……っ、あ、あぅ、ひっ、あ、あぁ、も、もう、むり、トルス、トルス、好き、トルス」
「俺もだ、ローグ……!」
「ふわぁッ、や、も、っ、アアアンッ、ア、ア、ア、アアアーーーッ!!!」
「うあっ、すご……っ!」
目の奥で星が散るくらい気持ち良い。お腹のナカがあったかくって、トルスが僕のナカでイッてくれたんだと分かった。
幸せ……。
トルスと一線を越えられた満足感に包まれながら、僕は意識を手放した。
***
ぽかぽか……。ゆらゆら……。あったかい……。
次に目を覚ました時には、僕は湯船の中にいた。目の前には肌色。見上げたらトルスのスッとした顎のラインがあって、ああ、まだトルスと一緒にいるんだって安心する。
まだぼんやりしたままの僕は、視線を顎から下におろしてきて、ふとその小さな乳首に舌を這わせた。
「おわっ!?」
ビクン、とトルスの体が揺れて、お風呂お湯もタプンと揺れる。
「起きた途端にイタズラするなよ、もう……」
「えへへ」
「体も洗ったし、ナカも掻き出してある。ちゃんとベッドまで連れてってやるから寝てていいぞ」
「トルス、優しい」
トルスは眠っていた僕をお風呂に入れてくれて、抱っこしたままお風呂で一緒に温まっていてくれたらしい。向かい合わせで抱き合ったままあったかいお湯に浸かってるなんて幸せすぎる。猫の時にもお風呂に入れてもらったのに、幸福感が段違いだ。
掻き出したって言ってたから多分猫だった時よりエロい洗い方されたんだろうけど、トルスだから許す。
「寝るのもったいないよ。ああ、僕もトルスを洗いたかったなぁ」
「はは、猫より人間の方が洗うの大変だぞ。楽しいけどな」
トルスの広い胸にほっぺたをくっつけて、肌の肌理を楽しんでいると、思い出したようにトルスが呟いた。
「しかし納得いかん。あんな安易な方法で呪いが解けるとは。呪いの制作者に異議を唱えたい」
「えー、僕は好きだけどなぁ。こういう遊び心を忘れてない呪文」
「呪文じゃなくて呪いだ。……でも分かったぞ。多分この呪いを作ったのはローグみたいなヤツだ」
「かもねー」
へらっと笑う僕をチラッと見たトルスは、僕の顔をジッと見つめる。キスしてくれるのかな? と思って見つめ返してたら、あらぬところを急に触られて体が跳ねた。
「ひうっ! な、なに……?」
「猫に戻るような様子もないし、本当に良かった」
それでか……! 確かめるようにしっぽがあったあたりをくりくりと撫でられて、ゾクゾクしてくる。心配してくれてたんだと思うと嬉しくて、僕はそっとトルスの胸に唇を寄せた。
「うん……ごめんね。もう二度とあんな真似しないから」
「いや、デカ猫だったローグも、ねこ耳、ねこしっぽ付きのローグも、可愛かったぞ」
「……っ」
「そうだな。やっぱり、猫化の呪いは引き続き俺も共同研究させて貰おう」
「へ……なんで今、その話……?」
「呪いの構造もだいぶ分解できてたんだ。もっと研究を進めたら確実に解呪できるとか、程よいところで猫化を止められるとか、呪いの進行は無効化するとか、できる気がするんだよな」
考えごとしつつ、撫で続けるのやめてほしい。
「も……撫でるのやめて、またエッチな気分になっちゃう……」
「へぇ、ここも感じるんだ」
「今はどこ触られても感じるよ。あんなにいっぱいイかされたんだから」
からかうように言われて、思わずぷくっとほっぺたを膨らませて抗議する。だいたいせっかく恋人になれたのに、休みで一日中いちゃいちゃできそうな明日を研究に持っていかれたら寂しくて死ぬ。
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