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一日目

怖い怖い怖い。お願いだからそんなものを僕に刺さないで。 「大丈夫、すぐに効いてくるから俺に身体を委ねて、ね?」  嫌だ、助けて。  どれだけ暴れてもベッドに固定された腕のせいで身動きが取れない。  さっきまた変な薬をうたれた。今度はなに怖い。いやだ。 「ほら、だんだん効いてきた」  どんどん身体から力が抜けていくのがわかる。怖くて涙と嗚咽が止まらない。  この後僕は何をされるか分かっている。志狼は何度も何度も僕をいたぶってきた。  この部屋に連れてこられて無理やり身体を暴かれて。辱められて。 「すぐ気持ちよくなるからね」  完全に力の入らなくなった僕の足首を掴んで持ち上げる。 「はなして……やだ……」  掠れた声も相手を興奮させるだけだった。  足先から太腿まで順番にキスされる。ゾワゾワと背中に悪寒が走る。  少しだけ動いた足で志狼の顔を引っ掻いてしまった。 「…………」 「゛いっ……!」  内腿に噛み付かれた、そして噛み跡にキスをした。 「悪い足にはお仕置きしないとね」  僕の片足を降ろし太腿から指を這わせてくる。ゆったりと厭らしく這う指に思わず体が跳ねる。 「ほらちゃんと気持ちよくなってる」  僕は自身の昂りを隠すように無意味に抵抗を試みる。  するりと撫でるように僕の自身に指が触れた。 「ひぅ……!」  思わず声が漏れてしまう。嫌でも薬のせいで感じてしまう自分に嫌悪する。  志狼はゆるゆるとした動きで触れてくる。嫌なのにとてももどかしい。身体はもっと触って欲しいと強請っている。  僕の自身から溢れた液体が臀部を伝っていくのがわかる。志狼はおもむろに手を止めると、僕の肛孔に指をあてがった。 「ここがいちばん気持ち良くなるようにしようね」  そう言うと指を挿れてきた。ゆっくりと僕の中に指が入ってくる感覚がわかる。気持ち悪いはずなのに身体は反応してしまう。  志狼は慈しむかのように瞼にキスをする。 「最初は怖いかもしれないけど安心して」  指が奥まで入ると何かを探すように動かす。この辺りかなと呟きながら一点を押す。  僕は身体に電流が走ったように感じた。 「な…に……!」  初めての感覚に恐怖を感じる。自分の身体はどうなってしまったのだろうか。 「気持ちがいい所も分かったし今日はこの辺りにしておこうか」  そう言うとまた新しい注射器を刺され眠りに落ちた。

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