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第2話 若の燃料
僕は何か勘違いしてた。
僕は毎日、若に抱かれるんだって思ってた。
でも実際は数日に一夜だけ。
最近は一週間くらいしてない。
若に理由を聞くと、
「とりあえず何本か撮ったので、惟織様が満足なさっているようです」
そう返事がきた。
……結局は父さんペースなんだ。
理解して、悲しくなった。
僕の身体は、いつの間にか、若に触れて貰いたくなってるんだ……。
第2話
若の燃料
朝、いつものケースから薬を取り出す。
手の上に、コロンと一つ。
「あ…………」
「ん? どうした若?」
じっと手のひらを見つめる私に、律さんは問いかける。
「あー、残り一つしかねぇか……。そろそろ届くと思うんだけどなぁ」
「……困りましたね、どうしましょう?」
「いつまで持ちそうだ?」
「……余計な事をしなければ、今日一杯はなんとか……」
……あまり自信はありませんが……。
まぁ、いざとなったら、結惟様に助けていただきましょう……。
そう思い、学校へついて行ったはいいものの、なんと体育の授業がありました。まさか休む訳にもいかず、私は授業に参加しました。
そのせいで、昼過ぎにはかなり危うい状態になってしまったのです。
「若、どうしたの?」
お優しい結惟様は、すぐに私の異変に気づいて下さいました。
結惟様は昼食を終えられたばかり。
次の授業まで、30分ほど余裕がある。
やるなら今しかチャンスはない。
「結惟様、……大変申し訳ないのですが……」
「何?」
「私、今、燃料が不足しておりまして……」
「……お腹空いたの?」
「いえ、そうではなくて……」
私は話しながら、結惟様を人気のない屋上へ連れ出す。
「この様なところで申し訳ないのですが、結惟様から燃料を頂けますか……?」
「僕に出来ることなら……。燃料って何?」
「精液です」
「………え!?」
「結惟様の精液を飲ませて頂けますか?」
「せせせ、精液を飲ませて頂けますかって……!」
若の突然の申し出に、僕は顔を真っ赤にする。
「今ここでっ!? こんなところでするのっ!?」
「はい。今ならここには誰も居ません。近づいてくるものも居ません。――今、遠隔操作で鍵をかけました。誰もここには立ち入れられません」
と、若は当然のように言ってくるけど……。
「わ、若のエネルギーは精液なの?」
「それだけというわけではありません。ただ、それが一番のエネルギーになるのです」
……うう……。
そんな真面目な顔で言われても……その行為は相当恥ずかしいんですけど……。
で、でも、困ってるんだよね、若も……。
「今エネルギーを摂らないと、おそらく私は5限目の途中に止まってしまいます」
「えっ……! 死んじゃうってこと…!?」
「そうではないですが……。エネルギー切れで機能停止してしまいます」
――それって、人間で言う“死”じゃないの?
「若が死ぬのは嫌だな。…………分かった!」
僕は覚悟を決めて、若の前に立つ。
「……いいよ、若の自由にして……」
若は「ありがとうございます」と礼を言うと、僕の前にひざまづいた。
壁を背に立たせられる。
若の長くて綺麗な手が、僕のズボンのベルトを外す。カチャカチャという音が、静かに僕を興奮させる。
昼間から、こんな場所で、若にフェラチオされる。
考えただけで、僕のペニスは主張を始めていた。若にパンツを降ろされた時には、もう半立ち状態で……。
か、かなり恥ずかしいよ、これは……!
「結惟様のペニスは、いつ見てもお綺麗ですね……」
「……それに綺麗とか言う人なんていないよ……」
「そうですか? 私はそのように感じるのですが……?」
若の指がペニスを包み、ビクンと身体が震えた。
僕はギュッと目を閉じる。
「結惟様……。あまりお手間は取らせません」
「――あぁ……」
速攻で若の口内を感じる。
アンドロイドのクセに、若の口内は人間と変わらないんだ…。
温かくて、ヌルヌルしてて、気持ちいい……。
チゥ、と尖端を吸われ、手でしごかれた。久しぶりの気持ちよさに、クラクラする。
「あっ、あぁ、若ぁ……」
若は無心に僕のペニスにしゃぶりついてる。
けど、それ専用のアンドロイドだから、やっぱり上手いんだ…。
「あっ……!……んん!」
最近やってなかったせいか、僕はすぐに精液を吐き出してしまう。若は、一滴残らず飲みほすように吸い付いてくる。
……気持ちいい……若にしてもらうのが、一番……。
「ありがとうございました結惟様。これでまた当分持ちます」
若は丁寧に頭を下げてくる。
「…………若はさ、どのくらいのペースで、その……、せ、精液が必要になるの?」
「いろいろです。エネルギーを使うことを行えば、それだけ多く消耗します」
「約、どのくらい?」
「……そうですね、今日結惟様に頂いた量で……、明後日の夕方くらいまでは」
「……ふーん……。そうなんだ……」
「普段は薬も併用していますから」
「薬?」
「精液を特殊に凝固したものです。正直不味いものですが……」
「ふーん……」
「結惟様の精液はとても美味しいですよ」
ニコッと笑顔で言われる。
いや、本当にいないから。精液美味しいとか言う人……。
「じゃ、じゃあさ若」
「はい?」
「これから……エネルギー少なくなったら、撮影以外でも抱いていいよ?」
ちょっと恥ずかしかったけど、思いきって言う。
「しかし、それでは結惟様に負担が……」
「ううん、いいの。若が倒れたら心配だし……」
僕も、若に抱かれるの好きみたいだし……。
一石二鳥……、というか……。
「ね、だからこれからは遠慮せずに言って? 約束?」
「……はい」
僕の出した小指に、若の小指が絡んだ。
――ねぇ若、約束だよ? プライベートでも、僕を抱いてね?
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