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第5話 素敵なプレゼント
お父さんは有名な発明家。
若を作ったことは本当にすごいと思う。
尊敬もしてる。
けど……。
本っっ当に趣向がおかしい。
第5話
素敵なプレゼント
「ただいま~」
みんなにあいさつして屋敷に入ると、いつものように執事のじいやが待ってる。
「おかえりなさいませ結惟様。旦那様から贈り物が届いておりますよ」
「え? お父さんから?」
誕生日でもないのに、珍しいな。
さっそく部屋に戻ると、テーブルの上に箱が一つ。
「何が入ってるのかな?」
「きっと、博士の素敵な発明品ですよ」
……うーん。……何となく不安……。
ゆっくり箱を開くと、中には一冊の本と小さな部品のようなものが一つ……。
「何これ……?」
僕が怪訝そうな顔をする横で、若はその部品を手に取る。
「素晴らしい! 出来上がったのですね、博士!」
「……例のやつ?」
いつの間にかいた律さんが横入りして、それを取る。
「はい。律さん、さっそくですが、取り付けお願いしても宜しいですか?」
「あー、構わねぇよ? つーかドアに付けるだけだろ」
僕の事は放ったらかしで、二人は話を進める。
律さんが“例の部屋”のドアに取り付けてる辺り、変な装置に決まってる……。
「……ねぇ、何なのそれ……?」
念のため聞いてみると、律さんが、
「説明するより、試した方が早いだろ?」
って若に言って、
「そうですね。さっそく試してみましょうか?」
と若も言った。
あのー……。
僕は一体どうなるの?
何されるの……?
律さんは一緒についてた本をパラパラ捲る。取り扱い説明書らしい……。
「えーっと、希望するシチュエーションの番号入れればいいんだな~。……若、どんなのがいいよ?」
「そうですねぇ……とりあえず初めてなので、よくありそうなので」
「結惟は?」
「……よくわからないから、一般的なので……」
って答えたけど、その質問の意図すら僕もには不明。
「じゃー、コレで。ほら二人とも、行って来い!!」
律さんに背中を押されて、部屋に入る。
突然、眩しい光に包まれて、ギュッと目を閉じた。
目を開けると、学校だった。
あれ……僕、帰らなかったっけ……?
確かお父さんからのプレゼントを開けた気がするんだけど……?
「……気のせいかな?」
持っているノートを見つめ、首をかしげる。
僕は理科室のドアの前に立っていた。
――先生に用事があったんだ……。
そんな気がして、ドアを開ける。
「失礼します、先生?」
「おや、粟嶋くん。遅かったですね」
白い白衣を翻して、席を立ったのは……。
「えっ……若ぁ!?」
驚いている僕を見て、クスッと若が笑う。
「“若”ではなくて、“惟織先生”ですよ、粟嶋くん」
「え……あ、すみません」
思わず謝ったけど……変だよ、絶対。何で若が先生になってるの?
……それとも、初めから先生だったっけ?
僕のこと“粟嶋くん”って呼んでいたっけ?
「……って、違うよ、結惟だよっ!」
結惟様って、若は呼んでたじゃん!!
「学校では名字でって約束したでしょう? 結惟」
唇に手を当てながら若は言う。
えぇっと……これは一体何が起きてるんだろう……。
あ、そうだ! お父さんの発明品!! きっとそのせいに違いない!
一人頭を抱えて考えこんでいると、スッと僕の腰に腕が回る。
「私がいるのに、何一人百面相してるんです?」
「……へっ?」
「私に会いに来てくれたんでしょう、結惟?」
近づいてきたキレイな顔にドキッとした。
「えっ……えと……若、あの……」
「“先生”」
「……若、先生……」
「それでもいいです。いい加減慣れて下さいね、結惟」
笑いながらキスされた。
静かな理科室の中に、ピチャピチャと水音が響く。
手慣れた若先生に流されて、僕は机の上で足を開く。
「……家でするより興奮してますね、結惟」
「んっ、あ……」
「誰かに見られたらどうしよう……とか考えてますか?」
ズバリ言い当てられてドキッとした。
だって、ここ学校だよ? こんなところ誰かに見られたら、明日から恥ずかしくて登校なんて出来ないよ……。
「そのスリルがいいんですよ……」
「……っあ……や、イクっ……!」
ドクン、ドクンとペニスが波打つ。
着ている制服が暑い……。いつも服着てすることなんてなかったから、違和感がある。
「んっ……ふ……」
ねっとりと若の舌が絡んでくる。
若も……いつもと違って白衣だから、すごく大人に見える。似合っていて、カッコいい……。
「そんな瞳で先生を誘うものじゃないですよ?」
楽しそうに若は言う。
「淫乱な生徒ですね、結惟は……。そういう事をするとどうなるか、しっかり教えてあげましょうね?」
「えっ? あ……」
机の上から降ろされたかと思うと、今度は若先生にお尻を向けた状態で立たされる。
「ひぁっ……!?」
お尻にスポイトのような異物の感触。
トロリとした液体が注入される。
「そんなに驚かないで。ただのローションです。……あぁ、少しだけ催淫剤が入ってますけど……」
って、それ普通のローションじゃなくない!?
と咄嗟に思うけど、言葉にならない。すぐに若先生の指が入ってきた。
「ふっ……あ、ぁん……」
「声は抑えて下さいね。見つかったら困りますから」
言われて、ギュッと唇を噛むけれど、それでも、堪えきれない吐息は溢れる。
いつもと違う環境、誰かに見つかったら、っていうスリル。
そして何より“結惟”と呼ぶ若の声が、僕をより興奮させる。
「……っく、せ……んせ、もぅダメ……」
イキそうになるのを伝えると、ズルッと指が抜けた。
「えっ……!?」
あからさまに残念そうな声が出て、恥ずかしかった。若先生が声を堪えて笑う。
「も……もう、何なんですかっ……! 若先生の意地悪」
「ごめんなさい……あんまりにも結惟が素直だったから……そんなにがっかりしないで。ちゃんとあげますから……」
カチャカチャとベルトを外す音がして、すぐに若先生のペニスが入ってくる。
僕は机にすがるように手をついて、爪先で立つ。
「あぁ……立ちバックは初めてですね……しんどくないですか?」
耳元で囁くように聞かれる。
「大丈夫だから……早くシて……?」
こんなこと、普段なら絶対に言わないのに……。
今日はすごくお尻の中が疼くんだ……。さっきの、ローションのせいかな……?
「あっ、はっ……ン……!」
僕がお願いしたせいか、若先生は容赦なくペニスを叩きつけてくる。
苦しいのに、気持ちよくて。気持ちいいのに、なぜか切ない……。
溢れる涙が頬を伝って、汗と一緒に机に散る。
「……っひ、あぁっ!せ、せ、若っ、先生っ!!」
僕がイキそうなのが分かったのか、若先生は体勢を変えようとペニスを抜いた。
そして、自分が椅子に座り、その上に向かい合う格好で僕を座らせる。
「ふっ……あ……!」
さっきよりも、より深く、下から突き上げられて、身体中に電気が流れる。
僕のペニスの先が、若先生の白衣に擦れて、前からも後ろからも与えられる刺激に、頭がおかしくなりそう……。
振り落とされないよう、しっかりと若先生の背に手を回す。
「……気持ちいいですか? 結惟……」
キスを繰り返しながら聞いてくる。
「あっ、ん……気持ち、いいっ!」
「クスッ……いつもより素直で可愛いらしい……」
……可愛い……かな?
涙で顔ぐしゃぐしゃだし、とても可愛いとは言えないと思うんだけど……。
「結惟……可愛い」
「はっ、あんっ! あ……も、ダメ……イクぅっ……!!」
ギュッと若先生にしがみついて達する。
僕の中にも、若先生が放った精液の温かさを感じた。
ぐったりと身体を預ける、僕の耳に届く。
「可愛いらしかったですよ……結惟様……」
若がいつもの様に僕を呼ぶ声が、切なく、苦しく、僕の心に響いた。
「……ねぇ、結局あれってなんだったの? 夢?」
お風呂上がり。濡れた髪を若に乾かしてもらいながら聞く。
「夢じゃありませんよ」
「アレは、ああいう風に指定した場所や条件を鮮明に造り出せる、博士の素晴らしい発明品さ」
若が笑って、律さんが言う。
……一体どうゆう仕組みになってるんだろう。僕にはわかんないや……。
「……ん? もしかしてさっきの、全部撮られてるっ!?」
今更気づいて慌てる。
「あぁ。キレイに撮れてたぞ?」
「それは博士も満足なさいますね」
……あぁ、普通の状態ですら恥ずかしいのに、シチュエーションまで追加させるって、何? そもそも、もしかしてそれが狙い?
「しかしまぁ、面白かったよな。先生と生徒! 若、先生似合いすぎ!」
「って言うか、それセレクトしたの律さんじゃない!」
「あ? まだまだいっぱい面白そうなのがあるぞ結惟。全部試してみような?」
あの本のような説明書片手に、律さんが笑う。
「そうなんですか? それは楽しみですね、結惟様」
若に言われるけど、空笑いしか返せない。
と言うか……、セックスするのは僕と若で、指示を出すのが律さん……?
僕に触れもしないで、鬼蓄なことが出来る律さんが怖かった……。
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