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さようなら僕の初恋
退屈で仕方がないらしいラウラは、その後も安息日のたびに人ん家の墓地に入り込んでは、僕の隣に並んで座り、日がな取り留めもない話をし続けた。
正直言って、初めは鬱陶しかった。僕は静かに読書をしていたいのに。
けれどいつしか、ラウラが来るのを心待ちにしている自分に気がついた。
ラウラは、くるくるとよく話す時の仕草や、面影が何となくマリーと似ている。
側にいるとマリーがそこにいるような安らぎを覚えた。その気持ちがいつしか、僕の中で特別なものに変わり――。
ラウラに気持ちを打ち明けたのは、夏が終わりに近づいた、少し肌寒い日の夕暮れだった。
ラウラは生地のくたびれた帽子のつばを直すふりをしながら、僕ではないどこかを見つめ――それから、ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。と呟いた。
しまった、と思った。僕は心のどこかで、こうなることが分かっていた気がするのに。
打ち明けなければ、ずっとこのままの二人でいられたのに。
去っていくラウラの色褪せたワンピースが見えなくなるのと入れ替わるように、一体いつから潜んでいたのか、銀髪に深い栗色の目をした、ラウラの兄――僕とは同い年のルーが、物言いたげに僕を見つめていた。
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