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採血結果
「よし、終わり!頑張ったね、あやー!!」
「菖綺 、頑張ったな!」
ようやく地獄の採血と点滴が終わった。
終わったら、「頑張ったね」って兄貴と稜生 が頭を撫でてくれた。
子供っぽくて恥ずかしかったし、もう俺子供じゃない!って言いたかったけど、嬉しかったから別にいいや....
採血が終わって、点滴を繋げたら、稜生はまだ仕事があるからと、学校に戻って、診察室に俺と兄貴だけになった。
点滴が終わるまで1時間ぐらいかかるので、まだ管が繋がったままで、病院で待っていないといけない。
寝転んでてもいいよって言われたけど、何となく座ってた。
兄貴は片付けをしてて、それをぼーっと眺めていた。
点滴を早くとって、帰りたい.....
「あーや、触らないよー」
「うーん」
「コラッ!取れちゃうでしょ!せっかく頑張ったのにまたしないといけなくなるよ?」
痛いというわけではないが、無意識的に点滴の管を触ってしまっていた。
なんか気になって、触っていじってたら、兄貴に注意された。
片付けしてたりするのに、なんでわかるんだろう?
百目鬼みたいに色んなとこに目ついてんじゃない?なんて考えてた。
兄貴に注意されても、ずっと気になって、つい触ってしまう。
けど、そろそろガチで怒られそうだからやめよう....。
前に注意されたのにいじって取れたことがあって、刺し直しだったし、怒られたし、固定されて、抑制された。
普段相当悪いことしないと怒らない兄貴が怒ったらガチ怖い。
基本優しくて怒らないからこそ、怒った時はものすごく怖くて、泣きそうになる。
怒らない人ほど怒った時の驚きも相まって怖いよな。
稜生も割とそうかも。
「お!触るとやめれて偉いじゃん!」
「うん....前、動けなくされたから」
「あー笑、腕だけね笑」
「いやだった」
「ごめんね、でもあやが触るからだよ?」
「....」
「フフ、よしよーし!」
「子供じゃないッ.....!」
「はいはい笑(さっきは撫でさせてくれたのにね笑かわいい)」
また兄貴が撫でてきたけど、流石に恥ずかしくなった。
「椛 先生、採血結果です」
「お、ありがとう!」
看護師が紙をもってきて、兄貴に渡していた。
俺の採血の結果らしい。
兄貴はその結果をじっと見て、「やっぱり..」と声を漏らしていた。
ひと通り見終えると、俺の方をみて、俺にその紙を見せてきた。
「はい。これがさっきの採血の結果ね。」
「ジー、俺が見てもわかんねぇーよ」
俺に見せてきたものの、俺は医者でもないしわかるはずもなく、ただ色んな項目と数字が書いてあるってことしか分からなかった。
項目もなんて書いてあるか読めないし、俺が見たところで分かるわけない。
「少しもわかんない?」
「うん」
「そっか。でも何回も見たことあるでしょ?昔から結構体調崩すし」
「....そんなことねぇーし」
採血も初めてじゃないし、採血の結果も何回も見たことあるけど、なにがなんなのか覚えてないし。
そんな言うほど体調崩してない....と思う。
元々、そんな言うほど身体が強い方でもなく、ストレスで体調崩すこともよくあった。
身体が弱いわけでもないが、環境的にもストレスを感じやすく、それにより体調を崩すことがよくあって、体調崩しても自己申告できる訳もなく、我慢して悪化させることもよくあった。
「そうね笑(しょうがないよね。俺がずっと一緒に居てあげれば....)」
「ん?なに?」
「ううん。なんでもないよ」
ん?なにが言いたげな感じだったけど、なんでもないならいいや。
兄貴が採血結果を丁寧に説明してくれて、教えて貰いながら自分の採血結果を見た。
「貧血だね。貧血と栄養失調気味。あと少し数値が悪ければ入院だからね?」
「え、イヤだ....」
「嫌なら、ちゃんと朝昼晩ご飯を食べなさい。」
「....わかった」
「本当かな〜?お兄ちゃん心配だよ?」
「大丈夫」
「(菖綺の大丈夫は信用出来ないんだよね〜笑)お、点滴終わったね!取ろうか」
ちょうど点滴もおわって、やっと取ってもらえた。
ようやく帰れる!
そう思ったけど、兄貴の一言で一気にテンションが下がった。
「菖綺!今日俺と帰るから、もう少し待っててくれる?」
「え?なんで?ひとりで帰れる」
「あれ?言わなかったっけ?今日からいっときい俺の家で過ごしてもらうって」
「え....そんなこといっt....あ、」
そういえばそんなこと言ってた気がする....。
採血と点滴がとにかくいやで、どうにか逃げれないかと、そのことばっかりで、あんまりその時の話の内容覚えない。
けど、言ってた気がする....
「なに?いやなの?」
「....普通にイヤ」
「えぇー、!?お兄ちゃん泣くよ?まぁでも、もう決定事項だし、心配でひとりで帰らせられない」
「ひとりでも大丈夫」
「....この結果なのに?」
あ、、兄貴ちょっと怒ってる。
けど、この結果なんて言われても、俺は医者じゃないから、教えてもらったけど実際どんだけ良くないとかよくわかんないし....。
「じゃあ、菖綺が決めていいよ」
「え、まじ、?」
あれ?意外と怒ってない、、?
「俺の家に来るか、入院するか。どっちがいい?」
あ、やっぱり普通に怒ってた、!!、!
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