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兄貴の家で。

夜中に目を覚ましたら、兄貴が隣に寝てて、びっくりした。 風呂上がった兄貴が抱っこしてベッドまで運んでくれたらしい。 弟の俺でも思うほど、兄貴の面は整ってる。 そんな兄貴の寝顔が起きた瞬間、目の前にあるなんてびっくりするだろ。 びっくりして、後ろに倒れそうになった。 ヤベッ、落ちる....! ガシッ! 「ッぶな、菖綺(あやき)大丈夫?」 「あに、き」 「あや?大丈夫大丈夫」 後ろに倒れそうになった俺の腕を兄貴が握ってくれて、倒れずにすんだ。 倒れなかったけど、俺の心臓はバクバクで呼吸が早くなって、少々パニックになっていた。 そんな俺を兄貴は抱きしめて、背中をポンポンとたたいて、「大丈夫大丈夫」って言ってくれた。 そのおかげで、すぐに落ち着いた。 「あや、寝よっか!」 「ぅん」 落ち着いたものの、未だに少し呼吸が早くて、寝ようにも寝れない。 けど、兄貴が俺の胸をトントントンとリズムよくたたいてくれて、それが心地よくて自然に目が閉じて、いつの間にか寝てしまっていた。 [零軌side] 菖綺、寝ちゃった。 寝顔も可愛いなぁ。 落ちそうになってた時は驚いたなぁ。 でも落ちなくて良かった。 腕を掴んだ時思ったけど、熱あるな。 明日は元から学校休ませるつもりだったけど、俺仕事なんだよな。 熱ある菖綺を1人で家に置いとくのはなぁ〜。 どうしよう。 こういう時普通なら親に頼むけど....絶対ダメだな。 稜生(いつき)も仕事だしな。 うーん、あやくんがひとりで大人しく出来るわけないもんなぁ〜。 うーん、一緒に病院連れてく? 絶対嫌がられる笑 稜生に見てもらおうかな? 電話しよー プルプルプル プルプルプル 『なんだよッ』 「あれ?いつくん怒ってるの?」 『何時だと思ってんだよッ』 「うーんと、3時」 『そうだよッ、まぁいい、要件は?』 「明日ってか今日だけど、あやくんのこと見ててくれない?」 『は?俺仕事』 「俺も仕事だけど、熱あるし、元から休ませるつもりだったけど、ひとりで大人しく出来るわけないでしょ?」 『一緒に連れてけば....あー、病院嫌いか』 「そうそう」 『俺はいいけど、学校休ませるのに学校に来るのか?』 「そうだよね〜、稜生が目を離した隙にどっか行きそうだし、うーん」 『面倒見てくれそうな知り合い居ないのか?』 「....あ!そういえばりっちゃんが明日休みだ!」 『あぁー、でも菖綺は....』 「じゃ、ありがと!おやすみー」 『ちょ、しずッ!(あいつ、自分勝手だな....今に始まったことじゃないか)』 電話しy....あ、でも稜生に怒られたからメールにしとくか! 【りっちゃん!明日休みだよね?俺の弟の面倒見てくれない?】 よし!これでいいや!! 俺も寝よ〜!あやくんと寝れるの久しぶりだから嬉しいなぁ〜!!! [菖綺side] 起きたら、兄貴はもう起きてて、隣にはいなかった。 それがなんだが、少し寂しく思った。 そんなこと思ったら、ガチャとドアが開いた。 「あ、おはよう!」 「おは、よ」 「今日学校お休みね」 「え、なんで?」 「お熱あるから」 「ない、学校行ける」 「ダメ、今日はおやすみ!」 「やだ!学校行く!!」 「兄貴の言うことは聞いた方がいいぞ?」 「!?」

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