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痛い波

ご飯を食べ終わって、昼休みのそろそろ終わる頃、また腹が痛くなった。 けれど、まだ我慢出来る。 あと2時間だし、大丈夫だろう。 と、気にしなかった。 だけど、5時間目の終わりから徐々に痛みが増していった。 今回も波があるので、痛い時さえ、乗り越えれば、次の波が来るまで痛くない時間がある。 それを繰り返して、どうにか耐えて、5時間目、6時間目が終わり、放課後になった。 「やっと終わった」 「おつかれ、また腹痛そうだったけど大丈夫なのか?」 「うん、朝より全然マシ」 隠せていたと思っていたが、樹季にはバレてた。 朝より、全然じゃないけど、マシなのは本当だし、それにあと帰るだけだから、大丈夫だろう。 樹季と一緒に途中まで帰り、家に着いた。 のも束の間、家に着いた途端、痛すぎる腹痛に襲われて、急いでトイレに行った。 帰りも痛かったけど、どうにか耐えて、家に着いたら、さっきとは比にならないぐらい痛くなった。 トイレに行って、出したのだが、下痢は下痢だが、水に近くて、少し焦った。 もう出ないとこまで出したけど、まだ出そうな感覚があって、でも出そうにないから1回トイレから出ようと思って、下着とズボンを履いて、トイレから出て、手を洗おうと思ったら、また出そうな感じがして、すぐにトイレに戻った。 トイレに戻ると、さっきと同じく水に近い下痢で、お腹も痛くて冷や汗もヤバくて、泣きそうになった。 夏ってこともあり、冷や汗と汗と水っぽい下痢で水分が奪われていった。 もう出ないのに、出そうな感覚がずっとあって、トイレから出れなくなった。 もう一生トイレから出れないかもと少々怖くなっていたら、玄関のドアがガチャっとあいた音がした。 あれ?そういえば、鍵閉めたっけ?と次は違う恐怖が襲ってきた。 でもトイレから出れなくて、誰が来たのか確かめる術がなくて、どうしようと思っていたら、急いで入ったからトイレのドアの鍵も閉め忘れてたみたいでトイレのドアを開けられた。 「菖綺?」 「あに、き」 「どうしたの?お腹痛い??」 「うぅぅぅ、」 「よしよし、」 兄貴が帰ってきたらしくて、兄貴の姿を見て、すごく安心した。 さっきまで心細くて怖かったけど、兄貴がいるだけで、すごく安心できる。 安心したからか、涙が溢れてきた。 兄貴はそんな俺をだきしめて、背中を撫でてくれた。 トイレということも、下痢したということも、下半身が丸出しだということも忘れて、ただ兄貴に抱きついて泣いた。 「菖綺、大丈夫?」 「うん」 「今は出そうにない?」 「うん....でもまたすぐ出したくなるかも」 「そっか。でもずっとここにいるのは良くないから、下履いて1回出よっか!」 「....ぅん」 兄貴は泣き止むまで、背中を摩ってくれた。 ようやく落ち着いてきて、兄貴が「大丈夫?」と聞いてきた。 今はお腹の痛みも少々落ち着いているので、頷いた。 兄貴に言われ、そういえば下を履いてないことを思い出して、恥ずかしくなった。 兄貴は医者だしなにも気にしてないってわかってても俺は恥ずかしかった。 トイレから出るのは少し不安だったけど、兄貴もいるし、このまま居ても良くないのはわかってたので、下を履いてトイレから出た。

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