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美味しくない味

お腹の痛みは少しマシになったものの、まだ痛くて、ソファに横になった。 横向きで少し蹲るような感じの姿勢でソファに寝転んだ。 お腹を擦りながら、痛みに耐えた。 「あやー、はいこれ!」 「なにこれ?」 「経口補水液。脱水になるから飲んでね」 「げっ、俺が嫌いなやつ」 「でも脱水気味だし、これが1番いいの!」 「てかなんで、家にあんの?なかったよね?」 「今日稜生から連絡があってね、樹季から菖綺がお腹痛いって聞いたって言ってたからね、一応買ってきたの!」 「樹季....」 「トイレに行ったから大丈夫って言って保健室行かなかったんでしょ?なんで体調不良の時は行かないかなぁ〜笑」 「だって、稜生にバレたら兄貴にもバレるし....」 「(隠してもバレてるけどね笑あやくん、ほんと、かわいいなぁ)そっか笑」 「ぅん」 「でも心配だから少しでも体調良くなかったらお兄ちゃんは行って欲しいなぁ〜」 「....ムリ」 「こらこら笑、即答で無理じゃないの!笑」 やっぱり兄貴にバレてた。 樹季のやつ、すぐバラす。 稜生もすぐ兄貴に言うし、最悪だよ。 経口補水液美味しくなくて嫌い。 熱中症とか脱水気味の時に飲んだら甘くて美味しいって言ってるけど、全然不味い。 甘いとは思うけど、全然美味しくは無い。 それに、まだお腹痛いから飲み物飲むの怖い....。 経口補水液を持ってきてくれた兄貴が、キッチンに戻ったと思ったけど、兄貴も飲み物持ってきてすぐ戻って来た。 「あれ?まだ飲んでない?」 「だって....」 「美味しくないから?菖綺、苦手だもんね」 「知ってるなら買ってこないでよッ」 「これが1番いいからしょうがないよ。良薬口に苦しって言うでしょ?」 「苦くはないし....不味いだけ」 「うーん、ストロー持ってこよっか。」 「ぅん」 経口補水液が嫌いっていうのもあるけど、今はお腹痛くなるのが怖いっていうのが1番の理由。 それを何故兄貴に言わないのか....俺にも分からないけど、なんか言わなかった。 「はい、ストロー。」 「ありがと」 「少しずつでもいいから飲んでね?」 「....ぅん」 「声小さ笑(お腹痛くなるのが怖いのかな?あやくん喧嘩するのに結構怖がりだからなぁ笑)」 「....なんだよッ」 「なんでもないよ笑」 兄貴がずっと俺の事を見ながらなんかニヤニヤしてるような気がして、なんか用があるのかと思ったけど、ないみたい。 ずっと見られてるの嫌なんだけど.... 飲めるものも飲めない。 まぁ、飲む気もないけど 「なんでずっと見てくんだよッ」 「んー?可愛いから」 「はッ?意味わかんねぇ!見んじゃねぇーよッ!」 「はいはい笑(可愛いなぁ♡って言ったらまた機嫌悪くなっちゃうから言わないでおこう笑)」 ストローでちびちび飲んでみたものの、やっぱり不味い.... あんま喉乾いてないし、別にいいや! 兄貴も見てないし! お腹の痛みも今はほぼなくて、ソファに寝転がったまま、テレビを見てたら、いつの間にか寝てしまってた。 兄貴が俺を呼ぶ声で起きた。 「あやー?」 「ん....?」 「おはよう、」 「....はよ」 「起こしてごめんね。お腹大丈夫?」 「ぅん」 「そっか!それより、全然飲んでないじゃん」 「だって、不味い....」 「不味くても飲んで」 「えーやだ」 「やだじゃないの、!」 「はいはい」 兄貴に全然飲んでないのバレて、少し怒られた。 やっぱり不味い....。 でも兄貴に怒られるのは嫌だから、ちびちび飲んで、やっと半分ぐらいになった。 と、思ったら、また腹痛が襲ってきた。 「うぅぅぅ」 「あや?どうした?お腹痛い?」 「いたぃぃ」 「トイレ行く?」 「うごけない....」

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