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兄貴のせい!
痛みがどんどん増して、トイレに行きたくても動けない....
多分、いや絶対!経口補水液飲んだせいじゃん!!!
「....のせぃ」
「ん?なに??」
「けいこうほすいえきのせいっ!!」
「ふふ笑(笑っちゃいけないけど怒ってるのが可愛すぎて笑)」
「あにきのせいじゃん、うぅ」
「(俺のせいになった笑)ごめんね?でも脱水になったらもっときつくなっちゃうでしょ?」
「....うぅぅぅ」
「トイレ行く?連れていこうか?」
「うん」
俺は痛くてたまらないのに、兄貴は何故かにこにこしてて、もう!兄貴のせいなのに!!!
ひとりでトイレ行きたいとこだけど、動ける気がしなくて、兄貴に連れて行ってもらった。
トイレの中まで兄貴が着いてきて、ずっと居座るつもりらしい。
さすがに嫌なので、反発する。
「出てって!」
「心配だから」
「いや!むこういっててよ」
「嫌だろうけど、倒れたりする方が怖いから居させてね」
「やだぁーッ」
「恥ずかしくないから大丈夫」
兄貴は医者だし、全然気にしないってわかってても俺が気にする!
兄貴がいるから嫌なのに、お腹がグルグルグルって鳴って、我慢すればするほどお腹痛くなって、我慢できなくなって、出してしまった。
「うぅ、いたぃ、」
「痛いねぇ。よしよし。全部出したら少しはマシになるから頑張れ!」
兄貴は俺のお腹を擦りながら、声をかけ続けてくれて、臭いはずなのに、そんなことは一言も言わずに、一瞬も顔を顰めたりもせずに、ただ俺のことを気にかけてくれた。
出し切ったのか、もう出る気がしなくて、ふぅと一息ついた。
「もう出なさそう?頑張ったね。」
「うん」
「じゃあ拭いてリビング戻ろうか」
「うん....さすがに出てって!」
「わかったよ笑」
兄貴が出ていく気配がなかったので、拭くとこも見られるとか絶対に嫌だから、出てってと言ったら、ちょっと残念そうに出ていった。
なんで残念そうなんだよ?
普通出ていきたいだろ?
意味わかんねぇ....
吹き終わって、水を流して、トイレから出た。
トイレのドアの前で兄貴は待ってて、リビングに行ってくれて方がよかったのに、とか思いながら、手を洗いにいった。
「あや、もう大丈夫?」
「うん」
「そっか!良かったー!あ、夜ご飯食べてなかったよね〜、なんか食べる?」
「うーん」
お腹の痛みがようやく無くなって、少しお腹減った気がしたから、何か食べたいような気がするけど、またお腹痛くなるかもと考えたら怖さもあって、曖昧な返事になった。
「お粥作ろうか、うどんでもいいけど、どっちがいい?」
「うーん、おかゆ」
「わかった!すぐ作るから待っててねー!」
またお腹痛くなるのは怖いけど、兄貴にお粥かうどんか聞かれたら、無性に食べたくなって、お粥を作ってもらうことにした。
「はい、どうぞ!食べれる分だけでいいからね!」
「ありがと」
結局お粥は半分ぐらい食べてやめた。
それでも兄貴は半分も食べてくれたことに喜んでた。
残したのに喜ぶ理由が分からない....
俺の罪悪感を少しでも無くしてくれてんのかな?兄貴になんの得があるんだろ?
得にならないことをやる人間なんていないだろ....
「ん?どうかした?」
「なんでもない」
「そう?またお腹痛くなったら教えてね?」
「.......うん」
「間があったけど笑、ご飯も食べたし薬飲んどこっか」
「え....?。」
ご飯食べたからお風呂入って寝ようと思ってたのに、兄貴から最悪のひと言が聞こえた。
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