13 / 23

兄貴のせい!

痛みがどんどん増して、トイレに行きたくても動けない.... 多分、いや絶対!経口補水液飲んだせいじゃん!!! 「....のせぃ」 「ん?なに??」 「けいこうほすいえきのせいっ!!」 「ふふ笑(笑っちゃいけないけど怒ってるのが可愛すぎて笑)」 「あにきのせいじゃん、うぅ」 「(俺のせいになった笑)ごめんね?でも脱水になったらもっときつくなっちゃうでしょ?」 「....うぅぅぅ」 「トイレ行く?連れていこうか?」 「うん」 俺は痛くてたまらないのに、兄貴は何故かにこにこしてて、もう!兄貴のせいなのに!!! ひとりでトイレ行きたいとこだけど、動ける気がしなくて、兄貴に連れて行ってもらった。 トイレの中まで兄貴が着いてきて、ずっと居座るつもりらしい。 さすがに嫌なので、反発する。 「出てって!」 「心配だから」 「いや!むこういっててよ」 「嫌だろうけど、倒れたりする方が怖いから居させてね」 「やだぁーッ」 「恥ずかしくないから大丈夫」 兄貴は医者だし、全然気にしないってわかってても俺が気にする! 兄貴がいるから嫌なのに、お腹がグルグルグルって鳴って、我慢すればするほどお腹痛くなって、我慢できなくなって、出してしまった。 「うぅ、いたぃ、」 「痛いねぇ。よしよし。全部出したら少しはマシになるから頑張れ!」 兄貴は俺のお腹を擦りながら、声をかけ続けてくれて、臭いはずなのに、そんなことは一言も言わずに、一瞬も顔を顰めたりもせずに、ただ俺のことを気にかけてくれた。 出し切ったのか、もう出る気がしなくて、ふぅと一息ついた。 「もう出なさそう?頑張ったね。」 「うん」 「じゃあ拭いてリビング戻ろうか」 「うん....さすがに出てって!」 「わかったよ笑」 兄貴が出ていく気配がなかったので、拭くとこも見られるとか絶対に嫌だから、出てってと言ったら、ちょっと残念そうに出ていった。 なんで残念そうなんだよ? 普通出ていきたいだろ? 意味わかんねぇ.... 吹き終わって、水を流して、トイレから出た。 トイレのドアの前で兄貴は待ってて、リビングに行ってくれて方がよかったのに、とか思いながら、手を洗いにいった。 「あや、もう大丈夫?」 「うん」 「そっか!良かったー!あ、夜ご飯食べてなかったよね〜、なんか食べる?」 「うーん」 お腹の痛みがようやく無くなって、少しお腹減った気がしたから、何か食べたいような気がするけど、またお腹痛くなるかもと考えたら怖さもあって、曖昧な返事になった。 「お粥作ろうか、うどんでもいいけど、どっちがいい?」 「うーん、おかゆ」 「わかった!すぐ作るから待っててねー!」 またお腹痛くなるのは怖いけど、兄貴にお粥かうどんか聞かれたら、無性に食べたくなって、お粥を作ってもらうことにした。 「はい、どうぞ!食べれる分だけでいいからね!」 「ありがと」 結局お粥は半分ぐらい食べてやめた。 それでも兄貴は半分も食べてくれたことに喜んでた。 残したのに喜ぶ理由が分からない.... 俺の罪悪感を少しでも無くしてくれてんのかな?兄貴になんの得があるんだろ? 得にならないことをやる人間なんていないだろ.... 「ん?どうかした?」 「なんでもない」 「そう?またお腹痛くなったら教えてね?」 「.......うん」 「間があったけど笑、ご飯も食べたし薬飲んどこっか」 「え....?。」 ご飯食べたからお風呂入って寝ようと思ってたのに、兄貴から最悪のひと言が聞こえた。

ともだちにシェアしよう!