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耳鼻咽喉科
「それで、菖綺 はどうした?」
「多分というか絶対中耳炎にはなってる。軽くだけど耳の中見たから」
「俺が気づいてあげれたら良かったなぁ」
「しずはしょうがないだろ、最近忙しかったんだからさ」
「とりあえず、耳見るか」
兄貴と稜生 と 琳皐 が何か話してたけど、何となく聞きたくなくて兄貴に抱っこされたまま、なるべく聞かないようにしてた。
実際耳は結構聞こえずらかったから、あんまり聞き取れなかったけど。
「菖綺起きてるのか?」
「起きてはいるよ、あやーごめんよー!」
「!?」
兄貴の肩に顔を突っ伏していたら、急に兄貴から離されて、反対側を向かされた。
びっくりしたのと、怖くて、また涙が溢れてきた。
もう泣きたくないのに
「あらら、泣いてしまった」
「え!?泣いちゃった?!あや、大丈夫だよ」
琳皐が泣いたとか言うから兄貴が慌てて兄貴と向かい合わせになるように抱っこし直した。
もうヤダ、帰りたい。
「かえりたぃ」
「よしよし、大丈夫だからね!終わったら帰ろうね」
「りさ、このまま見た方が早くない?」
「そうだな、ちょっと見にくいけどまぁこのままでいいか」
「このまま見る感じ?」
「うん、だから零軌 動かんようにして」
「わかった!」
「菖綺、耳見せてな」
「ゃだぁ」
「大丈夫だよ!」
稜生が見た時みたいに、琳皐は耳鏡を使って俺の耳の中を見た。
冷たくてビクッとしたけど、兄貴が大丈夫だよと声をかけながらさすってくれた。
でもやっぱり耳の中になにか入ってるのは気持ち悪くて身を捩りたかったけど、兄貴に抱っこされてて、出来なかった。
別に強くされてる訳じゃないけど、なぜか身動き取れなかった。
やっぱ、兄貴怖い
片方が終わったら、反対側の耳も見て、ようやく終わった。
まだ耳に入ってるような違和感を感じて少々気持ち悪い。
「頑張ったね!えらいえらい!!」
兄貴が頭を撫でてくれて、恥ずかしいけど心地よかった。
やっと帰れると思って気分も上がりだしていたのだが、、
「中耳炎だな。しかも結構悪化してる」
「やっぱりか」
「よく我慢できたな。相当耳痛かっただろうし熱も出てるだろ?」
「学校で測った時は、38度越してたから」
「え?!それで登校してたの!?」
「結構前から発熱はあったと思うけど、本人気づいてなかったみたいだったぞ笑、熱あるって言った時、びっくりしてたからな笑」
「なんというか、菖綺は見つからないのに必死だな」
「うん笑変なとこで我慢強いから笑」
兄貴と稜生と琳皐がまた3人で話してて、俺の顔を見てなんか笑ってるような呆れてるようなそうな顔をしてて、俺はなんのことかわかんなくてキョトンとした顔で見てた。
「本人やっぱ自覚ないな笑」
「え、可愛くない!?なにこの顔♡ちょーかわいい♡♡」
「零軌は相変わらず、菖綺大好きだな」
「そうだよ笑、菖綺は可愛いなんて言ったら怒るから本人の前では言わないように頑張ってるけどね笑」
「そうなのか笑、大変だな稜生」
「まぁ、そうだな笑 でも見てて面白いよ笑」
なんか話してるけど、全然わかんない。
集中して聞こうとしてないとなかなか聞き取れない。
それより、まだ帰れないのかな?
兄貴の顔を見てみたら、目が合ってニコッてされた。
やっぱ、兄貴の顔って整ってるよな、なんて思った。
「それで治療法なのだが、鼓膜切開をしようと思う」
「やっぱり?」
「あぁ、麻酔は一応するけど痛いだろうな」
「だよね。それに本人はもう帰れると思ってるから余計嫌がると思う」
「それで零軌と稜生には菖綺を抑制してもらうけど大丈夫か?」
「俺は大丈夫」
「本当はそんなことしたくないけど、でもあやくんが早く治って欲しいから心を鬼にして抑制するよ」
「悪いな。」
「ううん、よろしくね琳皐」
「あぁ。準備してくる。」
俺は帰れると思っていたけど、どうも違うらしい。
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