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怒ってる?
「稜生 、とりあえず後部座席に菖綺 も移動させて」
「わかった。動けるか?」
稜生は俺の答えを聞いて、少し悩んでいたが、兄貴は俺を後部座席に移動するよう言った。
兄貴は背後にいるから表情が見えなくて、少し怖い。
動いたら吐きそうだったから動けないでいたが、稜生が「ちょっとごめん」と言いながら、俺を抱えて後部座席に移動した。
外に人に見られてるかも、なんて考える余裕は今の俺にはなかった。
後部座席にとりあえず移動した。
稜生も隣にいて、兄貴と話してた。
だけど、兄貴たちがなんの話ししてるのか、俺には分からなかった。
「しず、どうする?」
「吐きそうなら吐かせた方がいい」
「けど、菖綺は吐くの嫌いだろ?下手だし」
「うん、でも手伝えば吐けるから」
「そうだけど、」
「苦しいのが長く続くのは可哀想だろ?」
「しず、やっぱりちょっと怒ってるよな?」
「なんで?」
「いや(声色と表情がな笑 あと、言葉遣いも)」
「? 稜生、菖綺抑えるのと吐かせるのどっちがいい?」
「どっちでもいいけど」
「そう?じゃあ、抑えといて」
「わかった。」
「背後から抑えて、鳩尾押して」
「うん」
吐き気と戦ってたら、稜生が急に後ろから抱きしめてきて、兄貴が運転席から後部座席に入ってきた。
と思ったら、俺に袋を持つように言って、強制的に袋を持たせ、顎を掴まれた。
兄貴の表情と声が怖くて、何されるのかわかんなくて、気持ち悪くて、涙が出そうになった。
「ハッ、は、なに、する、の?ッ」
「ごめんな」
「え....ウッ、うえッ、オエェェッ、!」
兄貴が一言謝ったあと、指をのどの奥に押し込んで、舌の奥の方を押して、刺激され、頑張って吐かないようにしてたのに、吐いてしまった。
生理的な涙が流れた。
だけど、1回では気持ち悪いのが収まらなくて、でも兄貴にバレたらまた吐かされると思って、「もういい」って言ったけど、兄貴は「もう1回」って言って、抵抗する隙を与えず、また指をのどの奥に押し込んで、舌の奥の方を押して、刺激した。
2回目で結構マシになって、ようやく開放された。
だけど、涙がポロポロと流れて、止まらなかった。
兄貴は俺が吐いた袋を片付けていて、稜生が俺の涙を拭いてくれた。
「グズッ、グスン」
「頑張ったな」
まだ兄貴は怒ってるのかな?
また俺が迷惑かけたから、!
兄貴に嫌われたら、おれ、、、
そう思うとまた涙が流れてきて、さっきとは違う涙が溢れて止まらなくなった。
稜生が抱きしめてくれた。
兄貴は俺の吐いた袋を捨てに行ってて、今は車の中にいなかった。
「よしよし、どうした菖綺。」
「おれ、あにきに、きらわれた、」
「え?」
「あにきと、いつき、に迷惑かけ、たから、!」
「そんなことないよ。迷惑なんて思ってない。それに、しずが怒ってるのは」
「え、菖綺まだ泣いてんの?」
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