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再び....?
ボトボトボト
はぁ....
今日も俺は兄貴が作ってくれたお弁当をゴミ箱に捨てる。
罪悪感に押し潰されそうになるけど、食欲がわかないからしょうがない。
兄貴にバレたくないし。
と言い訳をして、心に言い聞かせる。
教室のゴミ箱に捨てたら匂いとかでバレる気がするので、わざわざ外にまで行って捨てる。
まだ外は暑くて、外に出たくないけれど、しょうがない。
兄貴にも稜生 にも樹季 にもバレるわけにはいかない。
稜生か樹季にバレたら、兄貴にバレるからだ。
ご飯は稜生か樹季と食べることが決まってるけど、どうにか誤魔化している。
今日どっちと一緒に食べたとかは共有してるわけではないみたいだ。
前は保健室で食べるって樹季に言ってて、少し時間あけて保健室に行ってたし、それで身体測定してなくて稜生が急にするとか言うからバレたけど、今回は稜生とも樹季とも一緒にいない。
樹季と食べてるわけでも保健室に行ってるわけでもない。
こういう時保健室に行くのが1番危険だから、行かないのが最善だろう。
昼休みはせっかく友達と長く話せる時間だけど、しょうがない。
昼休みいつもどこにいるかと言うと、外にあるベンチに座ってボーッとしてたり、トイレにいたり、俺の学校は珍しく屋上が空いてるので屋上に行ったりなど、学校探検的なことを1人でしてる。
結構楽しい。
ただ、最近は息切れが前より酷くなった気がして、探検するより、同じ場所に座ってることが多い。
あと、ボーッとしてて、いつの間にか授業始まりそうで焦って教室戻ったこともある。
その時は、ガチで息切れして過呼吸になりかけて、樹季に心配されたけど、どうにか落ち着かせて大事に至らなかった。
その日は家に帰って、兄貴が帰ってくるのをドキドキしながら待ってた。
もしバレてたら、なんて言おうと必死に考えてた。けど、兄貴は帰ってきても何も聞くこともなく、いつも通りだった。
だから、聞いてないんだと次の日になってホッとした。
お弁当を捨てるのはさっきも言ったけど罪悪感を感じる。
だから、最初の方は食欲なくても少しは食べるように努力したけど、日に日に食べれる量が少なくなってきて、兄貴にも「最近食欲ない?」って聞かれて、そんなことないって答えた。
食べれる量が少なくなってきているのは兄貴も気づいてたらしくて、そう聞いたんだと言ってた。
だから、少しずつ食べた量を増やした。
少ししか食べれないから、少し捨てて、それを少しづつ捨てる量を増やしていった。
そしたら兄貴も何も言わなくなった。
捨てる量が増える度に申し訳なさで押し潰されそうだった。
元々、食べれない量は俺が申し訳なさを感じて無理に全部食べようとするから、兄貴が俺がも申し訳なさを感じないように稜生か樹季に食べてもらおうということにしたから、お弁当を残してくるのは兄貴として少し不思議だったのかもしれない。
毎日食べてもらってるわけじゃなかったけど、大体は食べてもらってた。
でも食欲なくなってきてから、残したのは稜生や樹季には食べてもらってなかった。
俺がどれだけ食べたかお弁当を食べてもらう時にバレるので、食べてもらってなかった。
少しずつ残す量を減らすことで自然と食べれる量が増えたと兄貴にも思ってもらえて、不審がらないだろうと思ってそうした。
兄貴は俺の残す量が減る度に褒めてくれて、お弁当が全部空っぽの日はいつも褒めてくれる。
そんな兄貴に俺は罪悪感と申し訳なさと、色んな感情に押し潰されそうになって、兄貴の顔を見れなくなった。
褒められながら俺はごめんなさいと心の中で繰り返すばかりだった。
それでも食欲は無くなる一方でお弁当に手をつけないで全部捨てる日が増えた。
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