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だいじょうぶ

昼は食べないにしろ、兄貴として住んでるんだから朝と夜は食べないとバレるでしょ?と思うだろう。 朝と夜も兄貴が用意してくれる。 けれど、毎日毎回一緒に兄貴と食べるわけでなくて、兄貴は医者だから忙しい。 だから、一緒に食べれない日も必然と他の家庭よりは多いだろう。 それでも兄貴は俺と食べたいらしくて、時間を作ろうとしてくれる。 俺は兄貴が忙しいのを少しはわかってるつもりだ。 だから、少しでも時間あるなら休んで欲しいから、時間作ってまで一緒に食べなくていいって言ったことがあった。 兄貴は驚いた顔をしたあと、悲しそうな顔をして、「俺と食べるの嫌?やっぱ医者だからかな....医者やめようかな....」とかブツブツ言ってたけど、俺は医者の零軌は確かに嫌いだけど、兄の零軌を嫌いだと思ったことはない。 だから、そう伝えたら、兄貴は嬉しそうになんか少し涙目になってた気もするけど、喜んで(?)くれたらしい。(零軌大歓喜) それにプラスして、医者の兄貴は嫌いだけど、医者してる兄貴はカッコいいんじゃないの?っと照れながら言った菖綺(あやき)零軌(しずき)も照れた。 ....話がそれた気がするが、結論兄貴は医者で忙しいから毎日一緒に食べれないということだ。 一緒に食べれなくても俺の食事は用意してくれる。 一緒に食べれない時は捨てる。 一緒に食べる時は食べて、トイレで吐く。 吐くのはキツくて嫌いだけど、食欲のないお腹に無理やり飲み込んで入れてるわけだから、自然と吐き気に襲われ、吐いてしまう。 吐くのが嫌いな俺はなるべく吐きたくないから、お弁当や一緒に食べない時は捨てる。 ダメだとわかっていながら。 わかってるからこそ辛い。 食べたい気持ちもあるけれど、食欲がわかず、食べてないことで病院のお世話にもなりたくない。 そんな自分にイラつくこともよくある。 後々バレた方が辛いのに。 いつか食欲がわくかなって、淡い希望を抱きながら、そんな希望を抱いたところで意味が無いことを知っている。 食欲が無くなり、ご飯をほぼ食べなくなると、だんだんと集中できなくなりはじめた。 授業も出席するものの、集中ができない。 それに最近は、特に疲れる。 体育した後とか特に疲れて寝転びたくなる。 寝ても寝ても疲労感があり、疲れが取れない。 学校に行くのも辛くなってきた。 でも休めば兄貴にバレる、バレたくないという気持ちだけでどうにか頑張った。 外に出るだけで、暑さで倒れそうになることもよくある。 どうにか踏ん張って、座ったりしながら倒れないようにした。 倒れればバレてしまうから。 まだ外は暑く、クーラーがないと暑くて授業できないくらいで教室は基本的にクーラーがついている。 最近はクーラーのついてる教室が寒く感じる。 前まで感じなかったのに。 自分でもわかるぐらいにご飯を食べないことで今までと変わったことがある。 それでもバレるのが嫌という理由だけでどうにか頑張っている。 まだ大丈夫。 まだやれる。 病院は嫌だ。 兄貴に迷惑かけるのも嫌だ。 バレたくない。 バレるわけにはいかない。 大丈夫。 だい丈夫。 だいじょう夫。 だいじょうぶ。 だい、じょう、ぶ....? バタン 視界が真っ暗になった。 周りが騒がしいけど、静かだ。 今日も暑いな

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