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抵抗と葛藤
[稜生side]
本当によく寝てるな。
くまはできてないけど、寝不足なのか?
疲れてるのか....まぁ、これだけ数値が悪ければ息切れとかもよくあっただろうし、疲れるよな。
なんでこんなにも我慢しちゃうんだか。
病院嫌いなのも十分理由の1つだろうけど、やっぱり過去が原因か....。
入院するってことは、あの人も会いに来そうだな。
菖綺 が苦手なね笑
入院生活、菖綺のとっては辛いだろうけど、頑張れよ
早く治して、兄貴も一緒にどっか行こうなぁ〜
だから、早く治そうな
そう思いながら、菖綺の頭を撫でた。
眠れるなら良かったよ、。
あの時は、寝れなかったからな、、、。
「ン....んぅ」
「お、起きた。おはよ」
「い、つき、、?」
「そう。零軌 は今話に行ってるから、もうすぐ戻ってくるよ」
「ん....ここ、どこ?」
「病室」
「....ぇ?」
[菖綺side]
起きると真っ白の天井が見えた。
声のした方に顔を向けると、稜生 がいた。
兄貴はいなかった。
そして、真っ白な天井は明らかに保健室でも車の中でもなく、家でもなかった。
でも俺はこの天井に見覚えがあった。
嫌な予感がしながら、ここがどこか稜生に問いかけた。
病室と言われ、聞こえるか聞こえないかぐらいの声が漏れた。
びょう、しつ、?病室....なんで?
なんで俺は病室にいるんだ?
病院じゃなくて、病室、、?
わざわざ病室って言うってことは....
「菖綺、入院ね」
「!?、あに、き」
突然ドアが開いて、兄貴が衝撃の一言とともに病室に入ってきた。
病室って言われた時になんとなく予想はできていた。でも信じたくなかった。
病院に行くのだけでも嫌なのに、入院?
そんなの嫌に決まってる。
入院なんて病院に監禁されてるのと同じだ。
そんなの嫌だ。
囚われるのはもう嫌だ。
そう思って、ベットから抜け出した。
けど、ドア側にいる稜生と零軌が通してくれる訳もなく、とりあえず窓側の隅に行った。
「菖綺」
「なんで、!入院なんかしない!!」
「やっぱそうなるよな」
「なんで入院しないといけないんだよッ」
「採血して、数値が悪かったから」
「なんで勝手に採血なんかしてんだよッ!ハァ、ハアッ」
「菖綺、一旦落ち着こう。息切れしてる」
「うるさいッ!ハアッ」
少し隅に行っただけで、声を荒らげただけで、それだけでも上手く酸素が吸えなくて息切れしてしまう。
そんな自分にも、勝手に採血した稜生にも、何も言わずただドアの前で見てる兄貴にも、腹が立つ。
イライラする。
なんで、なんで俺ばっかりこんなにきつい思いしないといけないんだ、!
なんでッ!、なんで、なんで....
そう思って、繋がってた点滴を思いっきり引っ張った。
一瞬の痛みの後、ツーっと血が流れてきた。
兄貴が口を開いた。
「菖綺、入院しないといけなくなったのは自分のせいだよ」
「ッ、うるさい」
「ご飯食べないといけないってた言ってたよね?それを守らなかったのは菖綺でしょ?食欲ないなら、言ってくれたら対処方法を考えられて入院しなくて良かったかもしれないけど、菖綺が教えてくれないから」
「言ったって、病院に行かないと行けないじゃん!病院に行くのは嫌だって言ってるだろッ!」
「検査しないといけない時もあるけど、俺は医者だから家で済ませることもできないわけじゃない。けど、いつも気づいた時にも酷い状態だから病院に行った方がいいと判断して病院に行ってる。菖綺がもっと早く言ってくれたら、そんなに悪化しないで家で対処出来るかもしれない。」
兄貴は俺に近寄りながら、怒気を孕んだ声じゃないけど、落ち着いた冷静な声で話してくる。
怒ってる兄貴も怖いけど、冷静な声は冷たい感じがしてそれも怖い。
俺だって、言えるなら言いたい。
でも邪魔してくるんだ....いろんな感情が邪魔してくるんだ....!
「俺だって、おれ、だって....隠したいわけじゃ、ない。だって、きついもん。つらいもん。でも、いえない。いったらだめ、なんだ。だから、だから....」
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