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食事指導と反抗

[零軌side] 寝てる菖綺(あやき)の頭を撫でた。 病室のベットは当たり前だが、1人用だけど、あやくん細いし狭いから引っ付けるし、起こさないように菖綺の隣に忍び込んで、今日は菖綺の隣で寝ることにした。 [菖綺side] 「ん....せま、ぃ」 「ん、あやくん?もう起きたの?」 「あに、き?」 「まだ5時前じゃん....もうちょっと寝よ」 「ぅん....?」 目を覚ますと、なんか窮屈だった。 まだ外は暗くて、身を捩ると後ろから声が聞こえた。 兄貴の声だった。 まだ眠たそうな兄貴の声を聞いてたら、俺もまた眠たくなってきて、なんで兄貴が隣にいるのかとか気にならず、兄貴の方を向いて、兄貴の胸に顔をうずくめて二度寝した。 兄貴の体温と鼓動が伝わってきて心地よくて、心拍が眠り歌のようで、自然と眠りに入った。 「ん、ぅ....」 「おはよー」 「おはよ....」 あれ?兄貴もう白衣きてる....。 今日も仕事か。 「あや、もう朝ご飯の時間なんだけど、持ってきていい?」 「あ....ぅん」 「わかった、持ってくるね〜」 もうそんな時間か....。 二度寝した。 今日から食事指導か....。 「持ってきたよー!ついでにお兄ちゃんも一緒に朝ごはん食べよー」 「「いただきます」」 朝なんて食欲はなく、3分の1も食べれなかったけど、食事指導始めたばかりということで残りは残してもいいことになった。 昼はもう少し食べて欲しいと兄貴に言われたけど、お腹すいてたらねって言って、そっぽ向いた。 兄貴は苦笑いしたあと、仕事に行った。 昨日のプリントの続きをしながら、昼ごはんを待った。 全然待ってないけど、。 案の定、昼もお腹空いてなかった。 食事が運ばれてきて、今日は兄貴は忙しいらしく1人でご飯を食べた。 1人だったので食べれる量だけ食べて、片付けてもらうことにした。 兄貴来なかったし、朝より少しだけ多く食べたしいいよね。 と思って、そのまま返した。 夕方頃に兄貴が来て、昼ごはんもうちょっと食べてよって言われたけど、お腹すいてなかったって答えた。 夜ご飯も一緒に食べる気だったらしいけど、人手が足りなくて呼ばれて、一人で夜ご飯を食べた。 俺は兄貴がいたらもう少し食べてって言われるからいない方が気が楽だから、全然いい。 それからも食事指導は続いた。 最初は3分の1ぐらいでも許してくれてたけど、だんだん許してくれなくなって、このくらいは食べないとダメって言われて、時間をかけて食べるけど、また次のご飯の時間になって、さっき食べたばっかでお腹いっぱいなのに入る訳もなく、反発することも多かった。 「菖綺、」 「さっき食べたばっかなのに、入るわけないだろッ!もうお腹いっぱいって言ってんじゃん!!」 「このくらいは食べて」 「うっせぇーな!もう入んねぇーってば!!」 ガラガラガラ 「菖綺、何怒ってんだ?」 「げっ、 琳皐(りさき)」 「げって酷いな」 「りっちゃん、どうしたの?」 「零軌(しずき)呼び出し、だから代わりに俺が菖綺のこと変わる」 「わかった!ありがと、よろしく」 「うん。これだけ食べさせればいい?」 「うん、このくらい食べさせたら終わりでいいよ」 「わかった」 何勝手に話進めてんだよッ もう腹いっぱいで入るわけねぇーだろ。 そう思って、そっぽ向いた。 兄貴が出ていって、琳皐が「食べないのか?」って聞いてくるけど、お腹いっぱいって言って、それ以外返事しなかった。 「菖綺、こっち向け」 「チッ、なんだyウッ!?」 「出すなよ」 「んん!!ん''!!」 何回も呼んできて、ウザかったので、琳皐の方を向いたら、口にご飯を突っ込まれた。 急な出来事で頭が追いつかなかった。 そんなことお構い無しに琳皐は「出すなよ」と言って、俺の口を抑えた。 声を出して訴えて見るものの、聞いてくれる訳もなく、これは飲み込まない限り離してもらえないと思い、仕方なく飲み込んだ。

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