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バレてない!....?
ゴックン
「よし、食べたな。次」
「待って!」
「なんだ?」
「俺が自分で食べる」
「食べれないんだろ?」
「食べれるからッ!!」
「そうか、」
琳皐 から食べさせられるぐらいなら自分で食べた方がマシだと思い、琳皐からスプーンを奪った。
お腹いっぱいだから、手が動くわけなく、でも琳皐の圧に耐えられなくて、頑張って少しづつだがどうにか食べた。
「これくらい食べればもういいか」
「ふぅ....ごち、そうさま」
「うん、頑張ったな」
「腹いっぱいで死にそう....」
「この量でそれなら先が思いやられるな」
夜ご飯だったので、あとは歯磨きして寝るだけ!
お腹いっぱいすぎて、すぐは寝付けなかったけど、無事に眠りにつくことが出来た。
それからもどうにか頑張って食べていた。
だけど....
今日はどうしても食べれる気がしなかった。
食べた量は兄貴には絶対知られる。
このまま残して返せば、また無理やり食べさせられる。
それは嫌だ。
今日は兄貴も、琳皐もいない。
今がチャンス。
そう思って、周りに誰もいないことを確認して、ティッシュに包んでゴミ箱にご飯を捨てた。
罪悪感はありつつ、バレるたら怒られるという恐怖もありながら、1日過ごした。
けれど、兄貴に何も言われなかった。
バレなくてひどく安堵した。
それから、また癖になって、兄貴や琳皐が居ない時は捨てるようになった。
1人でも食べれるだろうと兄貴や琳皐が監視することも少なくなっていった。
普通に忙しいというのもあるけど。
日に日に罪悪感もあまり感じなくなっていった。
ずっとバレなかったから油断してた。
いつかは絶対バレるということを。
「菖綺 ー!」
「ん?兄貴」
「今日一緒にご飯食べよ!」
「え....」
「え!?嫌?久しぶりに時間あるから一緒に食べようと思ってたんだけど」
普通に嫌だ....。
だって、食べてないのバレるから。
バレたら絶対怒られる。
でも断るのも変....か?
「別にいいけど」
「ほんと!?嬉しい!!ありがと!」
「うん…///」
兄貴がめっちゃ笑顔でお礼言ってくるからなんか照れる。
兄貴が俺の分のごはんも持ってきてくれて、兄貴も自分の分のごはんを持ってきた。
何が楽しくて俺と一緒に食べたいのか理解できない。
何がそんなに嬉しいんだか....
「いただきます!」
「いただきます」
最近捨ててから食べれるわけはなく、2口食べただけで、もういらない....。
でも、もう少し......
「あれ?菖綺全然食べてないじゃん」
「....兄貴と久しぶり食べるから緊張すんだよッ」
「ふーん」
苦しい言い訳だったか?
まぁ、でもある意味緊張してる。
ガチでもういらない。
「じゃあ、お兄ちゃん取りに行かないといけないのあるから、ちょっと行ってくるね?」
「あ、うん」
そう言って兄貴は病室を出た。
俺の為に出ていってくれたのか?
まぁ、いいや。
今のうちに....
また俺はご飯を捨てた。
ガラガラガラ
「戻ってきたよー!お、減ってる!」
「うん、もうお腹いっぱい」
「半分以上は食べてるし、まぁいいか。ごちそうさましていいよ」
「うん、ごちそうさま」
兄貴から許可もらってごちそうさました。
気づかれてないことに安堵した。
なのに、
次の日の朝、体重測定と採血があった。
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