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「確かに上山さんの言う通りです」と安野は返した。 続けて今井が「それが賢明ですよね。いくらなんでも立場的に出しゃばりすぎですし」と言った。 「偶然にも知ったことですが、私は私でこれからもこの秘密を守りますが⋯⋯」 そう言いながらちらりとこちらを見る。それは他の二人も同様だった。 「安野さんが何かの拍子に言いそう」 「こうして言ってしまってますしね」 「スーツを買いに行く際、せめて私が行ってれば⋯⋯!」 今井と上山はそう言って頷き合い、江藤にいたっては悔しそうにその後悔を掲げた握り拳に込めていた。 一斉にそう言われてしまうと、そのことに関しては信用されてないのはしょうがない。口を滑らせないようにしなくてはと気を引き締めた。 「上山さんが言っていた手前こう言うのもなんですが、姫宮さんとは代理出産の時に知り合いましたが、思ったほど知りませんよね」 「何故、代理出産をすることになったのか、大河様のこととか」 「そんな話をされたら、ますます気になって口を滑らせてしまいそう⋯⋯!」 唸りのような声を上げていたが、「でも!」 「そういうのも姫宮様から話されるまで待つべきですよね。ですが、たとえ口にせずとも姫宮様のことが大好きである気持ちは変わりませんけれども!」 自分のことをあまり話したがらない我が主が、何か後ろ暗いものを抱えていることは薄々感じていた。 だが、それが本人が口にしたくないぐらいの思い出したくないものだったら、無理に問いただすのは良くない。そのようなことをしたら、彼のことを傷つける大きな要因になってしまう。 姫宮は誰よりも幸せになって欲しい。ならば暖かく見守っていくべきだ。

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